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破滅の王 : 第1巻 覚醒  作者: モーゼス・オノジェグウォ
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コル・ヴァエルロス(パート1)

コルは一人立っていた。


空気は煙と死の悪臭で充満していた。戦場は彼の目の前に果てしなく広がり、散乱していた。悪魔の軍勢が彼を取り囲み、彼らの目は殺戮の予感に輝いていた。


そしてその中心に、悪魔がそびえ立っていた。移り変わる影の塊、その姿は計り知れない力で歪められ、悶えていた。残された六人の地獄の騎士たちがその傍らに立ち、地獄の武器が血塗られた空の下で輝いていた。


コルはゆっくりと息を吐いた。


彼の体の周りに稲妻が轟いた。ブラックサンダーが咆哮し、その力は頂点に達した。オーウェンの血が彼の体内で燃え上がり、さらなる力へと駆り立てられた。全身の筋肉が悲鳴を上げ、全身の繊維が怒りと反抗に震えた。


彼はあまりにも遠くまで来すぎた。


あまりにも多くのものを失いすぎた。


しかし、彼は逃げようとはしなかった。


コルは姿を消した。


彼は瞬く間に最初の騎士の前に現れた。深淵の稲妻を纏った拳は、地面を砕くほどの威力で叩きつけた。衝撃は戦場を揺るがし、下級悪魔たちを吹き飛ばした。


騎士はよろめいたが、回復する前にコルは再び動き出した。彼の足は騎士の肋骨に激突し、戦場を横切るように飛ばされた。


二番目の騎士が突進した。呪われた炎を滴らせる巨大なハルバードが、コルの頭蓋骨めがけて振り下ろされた。


コルはそれを片手で受け止めた。


衝撃は大地を裂いたが、コルはびくともしなかった。唸り声とともに武器をひねり捨て、騎士の顔面に膝を打ち付け、吹き飛ばした。


次に三番目の騎士が、他の騎士よりも速く現れた。その剣はコルの喉元へと切り裂いた。


しかし、コルの方が速かった。


ブラックサンダーは横に避けながら爆発し、騎士の手首を掴んで後ろに叩きつけた。騎士は苦痛の叫び声を上げたが、コルはまだ諦めていなかった。彼は体をひねり、肘を騎士の胸に突き刺し、戦場を滑らせた。


三人の騎士が倒れた。


一瞬、コルは堂々と立ち上がった。


そして――彼はそれを感じた。


悪魔の命令


悪魔は影の形のまま片手を上げた。


そして残りの三人の騎士が戦いに加わった。


コルが反応する間もなく、巨大な刃が脇腹を貫いた。


コルは地面から持ち上げられ、視界がぼやけ、傷口から血が流れ出た。


もう一人の騎士が攻撃を仕掛けた――岩ほどの大きさのハンマーが背骨に叩きつけられ、大地を揺るがすような衝撃で地面に叩きつけられた。


コルは血を吐いた。身体は痛み、それでも無理やり立ち上がった。


今、六人の騎士が彼を取り囲んでいた。


最初の三人は最初の攻撃から回復し、次の三人は武器がまだ血に染まっていた。


そして――悪魔が口を開いた。


「跪け。」


その言葉が口から出た瞬間、戦場全体が震えた。


コルの体は凍りついた。悪魔の声の重みは、まるで彼を引きずり下ろす千の鎖のようだった。膝は崩れ、腕は震えた。


しかし、彼は拒んだ。


歯を食いしばり、コルは無理やり立ち上がった。


騎士たちは一斉に攻撃を仕掛けてきた。


コルは持てる力の全てを尽くして戦った。


黒き雷が噴き出した。彼の拳は鎧を砕き、蹴りは骨を砕き、稲妻は戦場を切り裂いた。彼はオーウェンの力と自身の力を併せ持ち、思考よりも速く動き、存在するいかなる力よりも強く打ちつけた。


しかし、それだけでは足りなかった。


剣が彼の胸を貫いた。


槍が彼の背中を貫いた。


鉤爪の手が彼の肋骨を砕いた。


コルは咆哮し、束の間自由になったが、すぐに再び打ち倒された。


彼の体から血が流れ出し、力が衰え始めた。


そして――悪魔は再び口を開いた。


「もうたくさんだ。」


全軍が動き出した。


数千もの悪魔が突進してきた。地獄の産物の津波が彼に襲いかかった。


コルは抵抗した。


彼はそれらを切り裂き、その体は破壊の旋風となった。


しかし、その数は無限だった。


刃が彼の腕を切り落とした。


槍が彼の脚を貫いた。


牙が彼の肉に突き刺さった。


そして――コルは倒れた。


彼は戦場に崩れ落ち、足元には血だまりが広がった。視界はぼやけ、体は動かなかった。


最後に見たのは――悪魔が彼の前に立ちはだかっていた。


「お前は必ずこうなるために生まれてきた」悪魔は手を伸ばしながら呟いた。


闇がコルの体を覆い尽くした。影は渦巻き、傷口や血管へと入り込んでいった。


コルの叫び声が戦場に響き渡り、彼の体は蝕まれた。


彼の力。


彼の魂。


彼の全てが――悪魔に捧げられた。


そして悪魔はそれを受け入れた。


リサは震える手で、息が荒く立っていた。部屋は暖炉のかすかなパチパチという音以外、静まり返っていた。


ジェイコブ、ブラッド、オリン、エリザベスが近くに立ち、険しい表情をしていた。


リサの拳は握りしめられていた。


「彼を置いて行かなければよかった」と彼女は震える声で囁いた。


ブラッドはため息をつき、こめかみをこすった。「他に選択肢はなかったんだ、リサ。もしここにいたら、みんな死んでいただろう」


リサは彼を睨みつけた。怒りと悲しみが彼女を圧倒した。


「私たちには選択肢があったのよ!」彼女は叫んだ。「彼と戦えたはずなのに!私たちはずっと彼を放っておいた。そして今も――あの怪物と一人で対峙させ、死なせてしまったのよ!」


隅に立っていたオリンは頭を下げた。肩が震えていた。


「…まだ…「ずっと殺そうとしたことを謝ったのに」彼は涙を流しながら囁いた。「戻らなきゃ」


エリザベスの声が静寂を切り裂いた。


「コルは世界で一番強い人よ」と彼女はきっぱりと言った。「彼は死なないわ」


リサの唇が震えた。


エリザベスは他の者たちの方を向いた。「でも、もう行かなきゃ。今すぐ」魔女か悪魔の軍勢に見つかる前に。」


リサは動かなかった。


彼女は床を見つめ、頭の中はぐるぐると回っていた。


そして――息が止まった。


背筋に冷たい戦慄が走った。


何かが変わった。


何か恐ろしいことが。


リサはそれを感じた。


世界は何かを失ったばかりだった。


かけがえのない何かを。


悪魔はコルの亡骸を見下ろした。


あるいは、残されたものを。


「完璧だ」と悪魔は囁いた。


力が湧き上がった。


闇が戦場を飲み込んだ。


そして彼は再び立ち上がった。

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