嵐の前の計画
コルの血が燃えた。
リサが立っていた地面は空っぽで、暗黒の門の痕跡は既に冷たい朝の空気の中に消え去っていた。拳は握りしめられ、生々しいエネルギーがパチパチと音を立てた。彼はリサを捕らえてしまったのだ。
それが彼の頭蓋骨を突き抜ける唯一の考えだった。
彼は鋭く振り返り、既に動き出していた。「彼女を追う」
ブラッドが彼の行く手を阻んだ。
「まだだ」
コルの目は、かろうじて抑えられた怒りで燃え上がった。「動け」
しかし、ブラッドはびくともしなかった。コルから放たれる圧倒的な力にも、そして彼がたった今、百人以上ものハンターを虫けらのように惨殺したにも関わらず、ブラッドは毅然とした態度を貫いていた。
「今すぐ突っ込め。罠にかかり、リサを危険にさらすことになるぞ」彼の声は穏やかだったが、揺るぎない響きだった。「コル、奴らはこれを計画していた。お前がリサを追ってくるとは思っていなかったとでも言うのか?」
コルの顎が噛み締められた。体は戦え、リサとの間に立ちはだかるものを全て切り裂けと叫んでいた。しかし、ブラッドの言葉に彼は言葉を止めた。
「奴らはお前を追ってハンターを送り込んだ」ブラッドは続けた。「お前が奴らを惨殺することを知っていたにもかかわらず、ハンターにお前と戦わせ、それでもお前の目の前でリサを奪った」鋭い視線がコルの視線を捉えた。「あれは必死の試みではなかった。計算された行動だった」
まだ力が入らず、壁にもたれかかっていたジェイコブが次に口を開いた。「ブラッドの言う通りだ」声は荒々しかったが、決意に満ちていた。「奴らはお前が次に何をするかを正確に知っている。お前が何も見ずに突撃してくることを期待している」
コルは鼻から鋭く息を吐き出し、指はかろうじて抑えられた攻撃性で震えた。体のあらゆる部分が、じっとしていることに抵抗していた。しかし、心の奥底で、怒りや殺戮本能を超えて――奴らが正しいと分かっていた。
彼は強かった。止められない。
だが、魔女たちは賢かった。
ブラッドは一歩近づき、表情を引き締めた。「計画が必要だ」
ジェイコブは背筋を伸ばし、その努力に顔をしかめた。「僕も行く」
コルは彼を睨みつけた。「違う、行くな」
「行かなければならない」ジェイコブは言い張った。「リサが僕を助けてくれた。彼女が…」彼は拳を握りしめ、怒りで声を張り上げた。「2日間だ。回復するまで2日くれ。たった2日だ」
コルは深く息を吸い込んだ。我慢の限界がきた。しかし、ジェイコブを見ると――本当に彼を見つめると――彼の絶望が見えた。自分の胸に燃えるのと同じ炎が。
待つのは好きではなかった。
だが、大切な人が奪われる間、無力でいることがどんなことか、彼は知っていた。
「わかった」コルは呟いた。「12時間だ。だが、準備しておけ」
ジェイコブは息を吐き、頷いた。
コルは戦場へと視線を戻した。虐殺を生き延びた残りのハンターたちをじっと見つめた。意識を失っている者もいれば、恐怖に怯えながら彼を見つめる者もいた。戦うべきか、それとも逃げるべきか、迷っていた。コルはもはや彼らのことなど気にしていなかった。
リサだけが大切な存在だった。
その時――再び空気が変わった。
コルは身構え、再び力が湧き上がり、木々の端へと向き直った。見慣れた存在が近づいてきた。一人ではない。四人だ。
エリザベス。
コルは目を細め、血まみれの戦場へと足を踏み入れた。オリンとヴァレンに挟まれながら。すぐ後ろにはデインが続き、そのそびえ立つ姿は静かな威圧感を漂わせていた。
ジェイコブは彼の隣で身を硬くした。ブラッドは息を吸い込んだ。
コルの指が再び動き、攻撃の態勢に入ったが――エリザベスは片手を上げた。「戦うために来たのではない。」
コルは警戒を解かなかった。「では、何がしたいんだ?」
「手伝う」エリザベスは簡潔に言った。
コルの唇に、ゆっくりと、そして危険な笑みが浮かんだ。「手伝うか?」彼は一歩前に進み出た。そのオーラは暗くなった。「こんなに時間が経って、急に手伝う気になったのか?」
「あなたのことなんてどうでもいい」エリザベスは冷たく言った。「魔女どもを止めて、リサを救うことだけが私のすべてよ。」
コルの面白みは消え去り、
彼女は彼を注意深く見ながら続けた。「それに、彼らが何を企んでいるにせよ、それはあなただけの問題じゃないわ。」
二人の間に沈黙が広がった。息苦しい緊張が張り詰めていた。
その時、ブラッドが口を開いた。「一緒に来てくれ。」
エリザベスの視線が彼に向けられた。「当然よ。」
コルは兄弟たちをちらりと見た。オリンとヴァレンは無関心な様子だったが、抗議はしなかった。デインは腕を組んで立っていたが、表情は読み取れなかった。
コルはようやく息を吐いた。「どうでもいい」
彼は皆から背を向け、地平線を見つめた。魔女たちは彼を出し抜いたと思っていた。
勝ったと思っていた。
しかし、それは間違っていた。
コルは廃墟となった屋敷の麓に立っていた。
辺りは重苦しい夜で、空気は魔力で満ちていた。そびえ立つ建物は、影に朽ち果てた死体のようにそびえ立ち、窓は空洞で何もなかった。魔女たちが隠れるには絶好の場所だった。
コルは指を曲げた。彼の力は皮膚の下で響き渡り、抑制されながらも解き放たれることを切望していた。彼の隣には、エリザベスがいつもと変わらない冷徹な自信に満ちて立っていた。
魔女たちは見守っていた。コルはそれを感じ取ることができた。
魔女たちは、彼とエリザベスだけが来たと思っていた。
しかし、それは間違っていた。
コルとエリザベスが正面玄関へ向かう間、ジェイコブとブラッドはすでに暗闇の中へと潜り込み、建物の側面をこっそりと回っていた。
ジェイコブは動きながら心臓がドキドキと高鳴った。傷はまだ完全には癒えていなかったが、そんなことは気にしていなかった。
リサここにいた。
そして彼は彼女を取り戻そうとしていた。




