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破滅の王 : 第1巻 覚醒  作者: モーゼス・オノジェグウォ
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慈悲の代償

静寂に包まれ、空気は語られざる歴史で満ちていた。コルはジェイコブをソファに横たえ、ゆっくりと上下する彼の胸を見つめてから、リサの父親の方を振り返った。


男はすでにテーブルに着き、腕を組んで待っていた。


コルは鋭く息を吐いた。「なぜ僕を助けるんだ?」


返事は即座に返ってきた。「君を助けているんじゃない。娘を助けているんだ。」


コルは硬直した。その答えは予想していたはずだった。しかし、それは真実の全てではなかった。彼はそれを感じていた。


リサの父親は身を乗り出し、彼を観察した。「これを慈悲と勘違いするな。お前の首を狙うハンターは、お前が思っている以上にたくさんいる。だが、彼らは行動を起こさない。」


コルは目を細めた。「なぜ?」


しばらくの間、リサの父親は何も言わなかった。彼の視線は遠くを見つめ、まるで現在と、長く埋もれた記憶の間に挟まれているようだった。


そして、彼は息を吐いた。


「お姉ちゃんのせいだ」


コルは胸が肋骨にぶつかるのを感じた。エリザベス。


リサの父の声は落ち着いていたが、その奥に何か暗いものが潜んでいた。「200年以上前、お前を追い詰めろと命令された。お前がより大きな脅威になる前に殺せと。当時私は若く、ハンターの階級を駆け上がっている最中だった。そしてお前を憎んでいた。お前の全てを憎んでいた」


コルは何も言わなかったが、その言葉の重みが自分にのしかかるのを感じた。


リサの父は続けた。「我々は何ヶ月もお前を追跡した。お前の動きを追って、お前の弱点を研究した。お前は無謀で、疲れ果てていた。隙を見つけた瞬間、我々はそれを掴んだ」


彼の指が木のテーブルを軽く叩いた。


「戦場でお前を包囲した。お前は既に半死半生で、悪魔、魔女、そして狩人の屍の中に立っていた。最初は抵抗すらしなかった。簡単なことだったはずだ。あっさりと仕留め、きれいに処刑できただろうに。」


彼は顎を噛み締めた。


「だがその時、彼女が来た。」


コルは息を呑んだ。


エリザベス。


リサの父親の声は低く落ちた。「彼女は我々を止めるどころか、皆殺しにしたのだ。」


コルの耳の中で脈が激しく鼓動した。


「彼女は今まで見たことのない存在だった。彼女が現れた瞬間、空気が重くなった。狩人たち――私が知る限り最強の者たち――が一瞬にして死んだ。武器を抜く前に、彼らの体は塵と化した。彼女の力の重みに押し潰された者もいた。私は、同胞がこれほど無力な姿を見たことがなかった。長老たちの目に恐怖を見たことがなかった――あの夜までは。」


コルは息を呑んだ。妹の記憶が脳裏をよぎった。彼女の持つ力、いつも誰よりも強く、速く、規律正しく振る舞っていたこと。しかし、これは…


彼は知らなかった。


リサの父親は指を握りしめた。「あの夜、私は死ぬべきだった。でも、彼女は私を殺さなかった。」


コルは眉をひそめた。「なぜ?」


リサの父親は息を吐いた。「彼女は私に思い出させておきたかったから。」


コルの背筋に寒気が走った。


「彼女が私の額に指を当てた。すると突然、すべてが目の前に現れた。子供の頃のあなたが、もがき、より良いものを求めて戦っていたのを見た。魔女たちの前にひざまずき、権力に飢えていたのを見た。魔王の宮殿に立って、自分が正しいことをしていると信じていたのを見た。あなたの弟が自分の手で死ぬのを見た。あなたの両親が処刑されるのを見た。あなたの兄弟があなたを裏切るのを見た。」


彼の声は硬くなった。


「そして、リサが死ぬのを見た。」


コルの喉が詰まった。


「君が彼女に転生の呪文を授けるのを見た。君が彼女に手を伸ばしたが、実の兄弟たちに阻まれたのを見た。デインが君の目の前で彼女を引き裂くのを見た。」


コルは息も絶え絶えだった。


「彼女が私を手放した時」とリサの父は続けた。「私は倒れた。そして彼女は去る前に、ただ一つだけ言った。」


コルの手は握りしめた。「彼女は何と言ったんだ?」


リサの父は彼の視線を見つめた。


「彼女は言った。私が十分に強くなったら、彼女を助けに行く。そして、もしコルが死ぬとしても、それは彼女の手によるものだと。」


二人の間に沈黙が訪れた。


コルはその言葉の重みをほとんど理解できなかった。


二世紀以上もの間、リサの父はその瞬間を握りしめていた。訓練を重ね、エリザベスと再び対峙できる日のために備えてきた。それでも…


「ついにそこまで辿り着いた時」リサの父親は認めた。「彼女は最初から私の敵ではなかったと気づいたんだ」


コルは鋭く息を吐いた。


ハンターたちについて、彼らが自分を追いかけていると信じていたことはすべて嘘だった。


彼らが彼を追いかけることに飽きたわけでも、ただ立ち去ったわけでもなかった。


そうだったのはエリザベスだった。


彼女は彼を守ってくれた。


あれだけの出来事があっても、彼女は彼に背を向けることはなかった。


リサの父親は立ち上がり、テーブルに両手を置いた。


「お前はまだ悪魔だ」と彼は言った。「私はあなたを信用していない。でも、娘は信用している」


コルは父親の視線を受け止めた。


「今夜はここにいろ」リサの父親は言った。「だが、朝になったら、お前とジェイコブは出て行け」


コルは反論しなかった。


リサは彼の手に手を伸ばし、指を絡ませた。


ついに過去が明らかになった。


しかし、未来はまだ不確かだった。

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