第60話「門の封印」
第60話
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魔族は個体として強い。
そして、好戦的だ。
自分自身の強さに自信があり、人間を侮っている。
絶対に負けるわけがないと思っている。
ボルゼブはその最たる魔族だ。
それは、今も昔も変わらないようだ。
・・・・・・・・・・
私の2本の剣とボルゼブの黒く鋭い爪とがぶつかり合う。
そして、そのまま攻防は高速で展開される。
速度は徐々に上がっていく。
もはや人知の領域を超えている。
剣と爪が交錯するたび、空気が震え、宙を舞う火花が闇を照らす。
――キィーーーンッ!
鋭い金属音が闇を切り裂き、両者の動きが一瞬交錯する。
ボルゼブの口元に浮かぶのは、嗤うような笑み。
ボルゼブ:「ひっひっひっ、・・・いいぞ、白銀の剣士ブロン。どこまでついてこれるかな?ひっひっひっ」
しかし、トシードの眼差しは変わらない。
研ぎ澄まされた集中力が途切れることはない。
トシード:「お前が、なっ!」
その一言とともに、剣の軌道を変える。
守りから攻めへ。
まるで新たな刃が生まれたかのように、滑らかで、正確で、超高速。
ボルゼブの爪が追いつけず、わずかに体勢が乱れる。
その隙を、見逃すはずがない。
一瞬の沈黙。
時が止まったかのような空白を、私の一閃が切り裂く。
――ズバーーーッ!!
蒼白い閃光が闇を貫き、ボルゼブの胸元をえぐった。
2本の剣はそこで崩壊する。
ボルゼブの傷は深くはない。
しかし、ボルゼブの笑みは凍りついている。
私はアイテムボックスからさらに2本の剣を抜き出し、攻めの手を止めない。
剣が崩壊するたびに、アイテムボックスから取り出し、攻撃の手は止めない。
ボルゼブはどんどん後手へとまわっていく。
ボルゼブ:「ぐぬぬぬぬーーー、なぜだ!!!なぜだーーー!!!復活とともにパワーアップしたというのにぃぃぃぃ!!!!!」
トシード:「そうなのか?そのようには感じないがな」
本当は余裕なんてないが、余裕そうに振舞う。
ボルゼブ:「くそくそくそくそーーー!!!負けるわけがないんだぁぁぁぁーーー!!!!!」
私は最後の1本の剣を取り出す。
この一撃で仕留めるために剣に魔力を詰め込み、身体強化をスピードに大きく振る。
私の姿がフッと消える。
次の瞬間、蒼白い輝きを放つ剣がボルゼブの心臓へと突き刺さる。
ボルゼブは何が起きているのか把握できていないようだ。
驚きの表情で固まっている。
私はさらに剣に魔力を流し込む。
剣は凄まじい蒼白い輝きを放つ。
魔の力が揺らぎ、暗紫のオーラが弾けるように拡散する。
ボルゼブ:「・・・バカな、貴様ごときに……このボルゼブが……ッ!」
声が消えていく。
そして、ボルゼブの躰は崩れるように瓦解し、やがて闇へと溶けていった。
残されたのは、風に舞う黒い灰と、輝く“銀の魔石”のみ。
火花の舞っていた空間には、静寂が戻っていた。
・・・・・・・・・・
巨大で重厚で黒く鈍い光を帯びた門。
魔界公爵ボルゼブが守っていた門。
魔界とつながる門で間違いないだろう。
ただ、確かめるために開ける気は、まったくしないが。
私は、封印の魔法陣を門に描き、ありったけの魔力を流し込む。
これでひとまずは安心できるだろう。
トシード:「はぁ~、今日はもうクタクタだよ」
白銀メダルの白狼ガオン:「俺もだ。早く帰ろう」
トシード:「そうだな、帰ろうか」
白銀メダルの白狼ガオン:「濃厚で美味しいあのミルクが飲みたいぞ」
トシード:「ははは、そうだな。たっぷり用意させるよ」
白銀メダルの白狼ガオン:「それとデザートもなっ!」
トシード:「ははは、そうだよね。今夜はどんなデザートが出てくるかな」
白銀メダルの白狼ガオン:「甘いのがいいぞ!」
トシード:「わかったよ。とっても甘いのね」
白銀メダルの白狼ガオン:「そうだ。とっても甘いのだ!よくわかっているじゃないか」
2人で帰路を急ぐ。
今夜は、夕食の前にまずはデザートだな。
もうデザートの口になってしまっているのだから、しょうがないことだ。
執事セバスに小言をいわれるのは想像にかたいが、こればかりは譲れない。
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