第6話「目立つ4人の貴族」
第6話
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入学式が終わり、クラスへと移動する。
AとBの2クラスがある。
基本的には能力でクラス分けされている。
Aクラスのほとんどは貴族だが、少しは平民がいる。
ちなみに、貴族には家柄でAクラスになっている者もいるが、平民は確実に実力でAクラスになっている。
Aクラスの平民は侮れない存在なのである。
さて、このクラスで、突出した能力を持っているのは・・・5人。
うち一人は平民である。
(よし!この人たちとは関わるのは、やめておこう!)
そう思った矢先、その中のひとりが近づいてくる。
エチュアート侯爵家の長男である。
エチュアート侯爵領は、エチゼルト伯爵領と接している。
そのため、パーティーで数回、年齢が同じということもあり、父に連れられて挨拶したことがある。
ただ、その程度である。
エチュアート侯爵家の長男は、私の前で止まった。
あっちゃー、はやり私が目的だったか・・・。
通り過ぎてほしかった・・・。
エチュアート侯爵家の長男:「久しぶりだな。トシード・フォン・エチゼルト」
トシード:「はい。お久しぶりです。トベルト・フォン・エチュアート様」
トベルト:「ここは学園だ。身分は関係ない。トベルトと呼んでくれ」
トシード:「・・・はい。トベルト君、よろしくお願いします」
トベルト:「それにしても、トシード君はBクラスかと思ったけどね」
そういいながら、ニタニタと見下したような視線を私に向けてくる。
ああ、そうだった。
トベルト・フォン・エチュアートは、むかつく奴なんだよね・・・
エドザー王家第3王女:「トベルトさん。どうなさいましたか?」
トベルト:「いっ、いえ。センナ王女。ご、ご紹介します、幼馴染のトシード君です」
センナ:「あら、そうでしたか。初めましてトシードさん。私はセンナ・フォン・エドザーです。センナとお呼びくださいね。それと、こちらはムネルダ・フォン・キーバッハ」
ムネルダ:「初めましてトシードさん。私のことはムネルダとお呼びくださいね」
トシード:「は、はじめまして。トシード・フォン・エチゼルトです。よろしくお願いします」
ヒノーヴァー公爵家の次男:「あれれ、みなさん集まってどうされたのですか?」
センナ:「あら。こちらはミツルク・フォン・ヒノーヴァーです。仲良くしてあげてくださいね、ふふふ」
ミツルク:「もうっ、センナ様ったら。僕のことを弟のように扱うのはやめてほしいな~。同い年なんだからね」
センナ:「あら、いいじゃないですか。私の方が少しお姉さんなのだから、ふふふ」
ミツルク:「トシード君、よろしく~。ミツルク・フォン・ヒノーヴァーです」
やれやれ、何ということか、いきなり目立つ5人中4人に絡まれてしまった・・・。
トシード:「はははっ、ふぅ・・・。よろしくお願いします」
私の顔は少し引きつっていたと思う。
ミツルク:「そんなに緊張しなくていいからね~」
そういうわけじゃないんだけどね・・・まあ、そういうことにしておこう。
教室のドアが開き、先生が入ってきたのを合図に、
エドザー王家 第3王女 センナ・フォン・エドザー
キーバッハ公爵家 次女 ムネルダ・フォン・キーバッハ
ヒノーヴァー公爵家 次男 ミツルク・フォン・ヒノーヴァー
エチュアート侯爵家 長男 トベルト・フォン・エチュアート
は、それぞれ自席へと戻っていった。
(トベルト・フォン・エチュアートのバカヤローーーー!)
私は心の中で叫んだ。
普通に無難な学園生活を過ごそうと思っていたのに、いきなりクラスの他の生徒から注目を浴びてしまったじゃないか・・・。
この先が思いやられる・・・。
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