第55話「イネザベスとカコレットの訪問」
第55話
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翌朝、親方マサムニルのもとを訪れ、魔物からとった素材を大量に渡す。
親方マサムニル:「ほほほ、これはまたすごいのじゃ。腕が鳴るわい」
大きく手を振りながら笑顔で走ってくるマーインが見える。
マーイン:「トーーーシーーーーードーーーーー」
そういって、私の胸に飛び込んでくる。
トシード:「おっ、おう。修行は順調か?」
マーインは、私の胸にギュッと抱き着いたまま、私のことを見上げながら、うんうんと嬉しそうに頷いている。
子白狼ガオンに気づくとパッと私を軽く突き飛ばし、バッとしゃがんでガオンをナデナデし始める。
マーイン:「この子犬さん、かわいいーーーーー」
子犬じゃなくて、子狼だけどなと心の中でつぶやく。
ガオンも同じことをつぶやいていそうな顔をしている。
マーインが子白狼ガオンをギュッと抱きしめる。
子白狼ガオン:「オンオンオーーーン」
嬉しそうに甘えている。
どうやら、ガオンもマーインを気に入ったようだ。
ガオンは気に入らないとすぐ顔に出て、暴れることがあるけど、大丈夫そうでよかった。
1か月後に、
・親方マサムニルはランク3の鋼の剣を10本
・私は供給魔力量リミット機能付き起動魔道具を10個
の約束をした。
・・・・・・・・・・
それからというもの、私は本邸の魔道具工作室に籠って、起動魔道具の製作に没頭している。
没頭し始めて3週間後。
工作室のドアがノックされたと思ったら、速攻でドガッンという音とともにドアが開き、2人の人物が満面の笑みで入ってくる。
その後ろにいる侍女ジーンの顔は引きつっている。
イネザベス:「来たわよー、トシード!」
カコレット:「私もいるわよ!」
ジーンが恐々と私の顔を見てくる。
私は左手でいいからいいからという素振りをし、ジーンを下がらせる。
少しホッとした顔のジーンが印象的だ。
トシード:「どうしたんですか?」
イネザベス:「連射タイプの魔石砲が完成したから持ってきた」
カコレットは満足げに頷いている。
トシード:「それはよかったです。どこにあるんですか?」
イネザベス:「馬車の中よ。このままエチゼルト伯爵の元まで届けるつもりだ」
カコレット:「魔法属性エンチャントバングルも40個持ってきたわよ」
トシード:「そうですが、私も届けたいものがあるので一緒に連れて行ってください」
イネザベス:「そうだと思っていたわ。もともとそのつもりよ」
トシード:「ありがとうございます。しばらく待っていてください。準備をしますので」
侍女ジーンに2人を応接室に通し、軽食を出すように指示する。
そして、私は親方マサムニルのもとへと向かう。
・・・・・・・・・・
私はイネザベスとカコレットが見守る中、
・親方マサムニルから受け取ったランク3の鋼の剣を7本
・供給魔力量リミット機能付き起動魔道具を6個
・魔法属性を付加するためのエンチャント魔道具を1個
・中サイズの赤魔石3個/青魔石3個
・大サイズの赤魔石3個/青魔石3個
を馬車に積む。
カコレット:「トシーーードーーー。またなんかすごそうな魔道具を作ったのね」
トシード:「えっ、そうですか?魔法属性エンチャントバングルの上位魔道具ですよ」
カコレット:「またまた、簡単そうにいってーーー」
イネザベス:「ふふふ。さすがは天才児。馬車の中でじーーーっくりと説明してもらいましょう」
2人からすごい圧がくる。
凄すぎて空気が震えている。
侍女ジーンも震えている。
トシード:「・・・、はぃ」
馬車に揺られながら、時間はたっぷりあるので、
・魔法属性エンチャントバングル
・魔法属性を付加するためのエンチャント魔道具
・供給魔力量リミット機能付き起動魔道具
について、どこがどう違うのかをわかりやすく比較しながら説明している。
子白狼ガオンはイネザベスの膝の上で気持ちよさそうに居眠りしている。
イネザベスもカコレットも、子犬だと思っている。
・・・・・・・・・・
ほぼまる一日の馬車の旅が終わり、馬車から降りて縮こまってしまった体を大きく伸ばす。
うーーーん、ああーーー、気持ちいいーーー。
イネザベスもカコレットも背伸びしている。
そして、子白狼ガオンも背伸びしている。
ソリアムが嬉しそうな笑顔で駆けてくるのが見える。
そして、その後ろには、父カフレッドと長兄イサルトも見える。
ソリアムが「みなさ~~~ん」と大きく手を振ってくる。
イネザベスとカコレットが手を振り返す。
特にイネザベスでしょと思いながら、私も手を振る。
父カフレッド:「イネザベス殿、わざわざありがとうございます。お茶の準備をしてありますので、まずは本陣へどうぞ」
イネザベス:「エチゼルト伯爵、お心遣いありがとうございます。しかし、魔物の件もありますし、先に魔道具の確認をお願いしたいのですが」
父カフレッド:「それがですね。3週間ほど前から魔物の勢いが大きく下がっていまして、緊急事態は脱しています。もちろん、厳重警戒態勢は維持していますが」
イネザベス:「えっ・・・、どういうことでしょうか?」
これは、圧縮技術を追加した高威力の連射タイプの魔石砲を使う機会がすぐにこなさそうでショックを受けているな。
イネザベスとカコレットの顔が歪んでいる。
父カフレッドが
「魔物発生の根本原因が取り除かれたとは考えていないのですが・・・」
と苦笑しながらイネザベスの顔色を伺いながら答える。
父カフレッド:「ケルベロスの討伐後、魔物の数が大幅に減少し、ここ数日はDランクの魔物のみになっており、もともとの状態に戻ったようなのです」
イネザベス、カコレット:「「ケルベロス!!!」」
父カフレッド:「そうなのです。ケルベロスです」
といいながら私の顔も見てくる。
私はとっさに驚いた表情に切り替える。
やばいやばい気づかれないように演技しないと。
トシード:「ケルベロスって・・・、あのケルベロスですか?頭が3つの?」
父カフレッド:「そうだ、そのケルベロスだ。第2騎士団長シンリ―殿が対処したのだが、そのときに白銀の剣士が現れたそうで、そのことで皆さんに伺いたいことがあるのです」
えっーーー、どういうこと???
私だってバレていることはないとは思うけど・・・
なになに疑いをかけられているのか???
私の背中に冷汗が流れるのがわかる。
きっと顔も引きつっていることだろう。
イネザベス:「私たちにですか?なんだか興味深い話のようですね。伺いましょう」
長兄イサルト:「どうした、トシード。体調でも悪いのか?」
トシード:「いっ、いや。馬車で少し酔っただけです」
長兄イサルト:「なんだそれは。困ったものだな。しっかりしろよ」
トシード:「はぃ・・・。申し訳ないです」
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