第54話「エドザー王国第2騎士団 シンリー団長」
第54話
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シンリ―と思われる騎士が、視線はケルベロスから外さずに話しかけてくる。
「私はエドザー王国第2騎士団長シンリー。助太刀、感謝する」
やはりシンリ―か、そうだと思った、ふふふ。
私は白銀メダルの白狼ガオンに目配せをする。
白銀メダルの白狼ガオンが、そうだよなといった顔で頷く。
白銀メダルの白狼ガオン:「ケルベロスの気を引いてくれ。俺が3つの頭を落とす」
シンリ―:「なんと・・・、それができるなら素晴らしいが、できるのか?」
白銀メダルの白狼ガオン:「信じないのか?」
シンリ―:「・・・。いや、信じる。あなたに賭ける。私の心が賭けろといっている」
白銀メダルの白狼ガオン:「むふふふ。良い判断だ。任せろ。いくぞーーー!」
私は、土魔法と火魔法を合成し、粉塵をたっぷりと含んだ火球をケルベロスの3つの頭それぞれに向かって飛ばす。
そして、頭の手前で爆発させ、煙幕をはり、目を眩ませる。
その瞬間に、私はケルベロスの背後へ回り込むために、大きく迂回をしはじめる。
ケルベロスは粉塵をかき分け前進してくる。
シンリ―は剣を高々と構え、全身にみなぎる気迫でその場の空気を震わせる。
シンリ―:「うぉぉぉぉーーー、さあ、来い!!!」
ケルベロスの3つの頭がそれぞれ異なる唸り声を上げ、獰猛な牙をむき出しにして迫りくる。
しかし、シンリーは怯まない。
彼は瞬時に動き、地面を強く蹴って一気に距離を詰めた。
右の頭が勢いよく噛みつこうとする。
シンリーは素早く剣を横に振り、防御と攻撃を兼ねた一閃を放つ。
金属が獣の牙と激しくぶつかり、火花が散った。
その間にも、中央の頭が咆哮しながら前脚を振り下ろそうとする。
シンリーはそれを見切り、横に転がってかわす。
転がりざまに剣を突き出し、ケルベロスの脚に浅い傷をつける。
怒りに燃えた左の頭が毒々しい息を吐き、シンリーを飲み込もうとする。
だが、彼はすでに次の動きを読んでいた。
低く身をかがめ、斜め後ろへ跳躍することで攻撃をかわす。
シンリーは、3つの頭それぞれの反応を計算しながら、絶え間なく動き続ける。
攻撃を仕掛けながらも、ケルベロスの注意を一身に引きつけることで、私のためにチャンスを作る。
その戦いはまるで舞踏のように流麗でありながら、一歩間違えれば命を落としかねない激闘だった。
さすがは、シンリ―。
しかし、これだけの激しい戦闘では体力と集中力が長くはもたないだろう。
ケルベロスの後ろに回り込んだ私はチャンスをうかがいつつも、若干の焦りも感じる。
次の瞬間、そのチャンスがきた。
ケルベロスの3つの頭が同時に上を向いたのだ。
シンリ―が強敵であることを認識したケルベロスは、3連火炎ブレスを放つためにそれぞれの口に火炎をためていく。
大技を繰り出すには一瞬とはいえ、この動作がはいる。
私の前で、この隙だらけの一瞬は命取りだ。
シンリ―は防御の姿勢をとっているが、その眼は「あとは頼む」と言っているかのような穏やかな眼をしている。
死を覚悟しているようだ。
ふふふ、死ぬのはまだはやいぞ、シンリ―。
私が手にしているのは鋼の剣ランク2。
鋼の剣ランク3はガオンとの闘いでボロボロでもう使い物にならない。
・種類:鋼の剣
・攻撃ランク:2 × 20(攻撃力強化)
・耐久ランク:2 × 20(耐久性強化)
そして、魔法属性として“氷結”を付加する。
鋼の剣が手の中で冷たく光る。
氷結の魔法が剣に宿り、蒼白な霧のような気が刀身を包み込む。
目の前のケルベロスは3つの頭を天に向け、火炎を溜め込んでいる。
爆炎を吐き出すまでの、ほんの一瞬——それが、決着の時。
心臓が激しく鼓動する。
白銀メダルの白狼ガオン:「シンリーーーーー、まだ死ぬには早いぞーーーーー!!!」
私は地を蹴る。
風が耳元を裂くように駆け抜け、視界が狭まる。
ケルベロスの首が一斉に降りてくる前に——その瞬間を狙う。
狙いを定め、全力の一閃——!
鋼の剣がいっきに3つの首を切り裂く。
氷結の力が奔流のごとく流れ込み、傷口を瞬時に凍らせる。
血飛沫が凍り付き、ケルベロスの動きが鈍る。
そして、巨体が揺らぎ、
ズドドドドドドーーーーーンンンンーーーーー
地面に沈む。
息を整える間もなく、緊張の余韻が全身を包む。
これで決着なのか?それとも——まだ何かがあるか?
私はシンリ―とケルベロスの間に着地し、すぐさまケルベロスに向き直り、鋼の剣を構え、力をいれる。
その瞬間、鋼の剣が砕け散り、塵となり崩壊してしまう。
シンリ―:「白銀の剣士ーーーーー!!!」
私は振り返ると、シンリ―が投げた剣が目の前に迫っている。
私はその剣を受け取ると、迫りくるドラゴンの尾を一刀両断する。
さすが業物の剣だ。
私のガオンによって強化されている力に耐える。
ケルベロスが動かなくなったことを確認すると、私はその場に
・シンリ―の剣
・青色の液体のエクスマジックポーション 5本
・黄色の液体のエクスポーション 5本
を置く。
白銀メダルの白狼ガオン:「遠慮せず使え!」
私はシンリ―の返事を待たずに、その場から急いで飛び去った。
もう夜だ。
急がないと、しびれを切らした侍女ジーンが夕食の準備ができたと部屋にやってきてしまう。
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