第52話「Sランク魔獣”白狼ガオン”」
第52話
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トシード:「ふんんんんんぬぬぬぬぬーーーー!!!!!」
全力で押し続ける。
圧倒的な重厚感を放つ扉が、かすかに軋む音を立てる。
まるで長い眠りから目覚めた巨人が、その身体を動かし始めたかのようだ。
私は息を荒くしながら、さらに力を込める。
低く響く轟音。
石と金属が押し合うような音が空気を切り裂き、床を震わせる。
わずかな隙間から漏れ出す光が、目の前の闇を薄く切り裂き、かすかな風が流れ込む音が混じる。
これらの音は、ただの物理現象ではなく、何か未知なる力が解放される瞬間のような緊張感を伴っている。
扉の向こうの空間に巨大な白狼が姿を現す。
トシード:(戻っていてくれたか)
その体は異様に大きく、鋼のごとき筋肉が張り詰めた体躯を覆う白銀の毛並みは、美しい輝きを放っている。
金色の目は深い知性を宿しており、見る者の心を見透かすような鋭さを持つ。
その牙は鋭利な剣のように長く、恐ろしいまでの力強さを感じさせる。
足元の巨大な爪は岩をも砕くほど鋭く、歩くたびに深い轍を残す。
鼻息は地を揺るがし、低いうなり声は遠くの獲物にも恐怖を刻み込む。
その姿はただの獣ではなく、神秘的で禍々しい存在を彷彿とさせる。
これが“白狼のダンジョン”の主であるSランク魔獣”白狼ガオン”である。
・・・・・・・・・・
白狼ガオンが低くうなり声をあげ、足元の鋭い爪で石畳を削りながら前進してくる。
私が剣を構えると、白狼は動きを止めた。
白狼ガオン:「勇気ある者よ。力を示せ」
低く大きな声が響き渡り、空気をビリビリと震わせる。
私が頷くと同時に、白狼が地を蹴り飛びかかってくる。
驚異的な速度で迫るその巨体をかわし、私は咄嗟に剣を振り下ろす。
しかし、その鋭い毛皮はまるで盾のようで、剣の刃が弾かれる。
白狼の牙がかすかに私の肩を掠め、痛みとともに血が滲む。
闘いは全身全霊、そして、一瞬の判断を要求してくる。
白狼はその巨体を巧みに操り、私を追い詰める。
私は斬撃を繰り返しながら、防御と回避を交互に展開する。
闘いは続く。
私の息は荒く、疲労が迫る中で最後の力を振り絞り、決死の一撃を狙う。
その瞬間、白狼が咆哮をあげ、周囲の空間が震える。
私の剣はわずかな隙を見逃さず、白狼の右足に深く食い込む。
しかし、白狼もその牙で私を激しく襲う。
白狼はその状態のまま、私を睨みつける。
私も睨みかえす。
白狼ガオン:「よかろう。そなたの力を認めよう」
私は警戒をしながらも、ホッと一息つき、表情がやわらぎ頬がゆるむ。
白狼ガオン:「・・・・・、そなたは昔の友人に似ておる。太刀筋も笑顔も。不思議じゃ」
トシード:「ふふふ。それは、キヨフレッドのことかな」
白狼ガオン:「!!!。なぜ、それを・・・。もしかして・・・」
トシード:「ふふふ。私はトシード・フォン・エチゼルトだが、キヨフレッド・フォン・ヒーゴの転生体でもある」
白狼ガオン:「なっ、なんと!!!」
白狼の目から大粒の涙が溢れ出す。
白狼ガオン:「うえーーーん。キヨーーー。さみしかったよーーー。会いたかったよーーー」
私は、ヨシヨシと白狼を撫でる。
そして、剣を抜き、回復魔法で白狼の治療を行う。
白狼は気持ちよさそうに目を閉じている。
完治した巨大な白狼は、子供の白狼へと姿を変えていく。
子白狼ガオン:「これで、また一緒に暮らせるおん」
トシード:「そうだな。私も嬉しい」
ヨシヨシヨシヨシとガオンを撫でまわす。
子白狼ガオン:「おん。おん。うれしいおん。キヨがだいすきおん」
トシード:「ふふふ。かわいいなぁ。でも、キヨと呼んではダメだぞ」
子白狼ガオン:「おん?」
トシード:「私がキヨフレッドであることは秘密なのだ。トシードと呼んでほしい」
子白狼ガオン:「わかったおん。トシって呼ぶおん」
トシード:「ありがとっ」
ヨシヨシヨシヨシヨシヨシとガオンを撫でまわす。
ガオンは気持ちよさそうに、嬉しそうにしている。
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