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第38話「サマヴァー獣人王国第1王子シンエ・ツー・カンコ」

第38話

ご愛読いただきありがとうございます。

すでに、ブックマーク/星評価をつけてくださった皆様ありがとうございます!

太陽が徐々に傾き、森を彩る木漏れ日が柔らかく地面を照らしていた。

そんな中、森の奥からかすかに地を踏みしめる足音が響いてくる。

その音は徐々に近づき、やがて背筋が伸びたチョエイと、頼りがいのある5名の猪族が姿を現した。


彼らは、シンエの前で一糸乱れぬ動きで跪き、チョエイが木箱を差し出した。

その動作は、忠誠と鍛錬が生み出したものに違いない。


シンエは木箱を受け取り、蓋を開けてその中を確認する。

そして、彼は木箱を閉じ、まっすぐな眼差しで私にそれを差し出す。


シンエ:「ここにグリーン・ドラゴンの鱗が5枚ある。これで足りるかな?」


トシード:「ありがと。でも、1枚で十分なんだけど・・・5枚ももらっていいの?」


彼は微笑みながら首を横に振る。


シンエ:「よい。この程度では礼としては足りないぐらいだ。何かあれば、我を訪ねてくるがよい。我はサマヴァー獣人王国、第1王子、シンエ・ツー・カンコである」


トシード:「王子様なのか~。びっくり。でも、ありがと。そういう時は、遠慮なく訪ねるね」


シンエ:「ふははははー、全然驚いているようには見えないけどな。まあ、気軽に遊びに来い。待っておるぞ」


私は苦笑しながら、頷く。

それにしても、陽気で親しみやすい王子様だ。


これをきっかけに、獣人王国の歴史についても詳しく調べておこうと思った。

260年前の獣人は、種族ごとに分かれた小さな国がいくつかあった。

いまは、獅子族によって統一された巨大なサマヴァー獣人王国が大陸の西方を支配している。

滅んだ旧ヒーゴ魔法王国領は、現サマヴァー獣人王国の一部となっている。

いちど訪ねてみたいと思っていたが、これまでは獣人王国に安全に入国する手段がなかった。

いまここで、第1王子シンエと知り合いになれたことは、良い機会を手に入れたことになる。

利用しない手はない。


・・・・・・・・・・


私は、シンエ達に別れを告げ、東の方へ1時間ほど歩いた。

そして、近くに人気がないことを確認し、風魔法を使い、空を高速でかっ飛ばしてエチゼルト領へと戻った。


シンエのおかげで、家族水入らずの夕食に余裕で間に合った。


・・・・・・・・・・


ミレノア:「今日は、一角鶏のソテーなのね。私、だーーーい好き♡」

ウティルダ:「ふふふ、ミレノアの大好物ですもんね」

ミレノア:「私、毎日でも食べれる~」


私も、一角鶏は大好物だ。

毎日でも食べたいその気持ち、わかる、よーくわかる。


ソウミリアン:「その一角鶏は、兄さんが仕留めたヤツかもしれないぞ、ふふふ」

イサルト:「今日は、一角鶏をたくさん仕留めたので、騎士団たちの家でも食べていることでしょう」


熱々の鉄皿の上で、ジュウジュウと弾ける音が響き、鶏肉の表面の黄金色が眩しい。

バターとハーブとニンニクの香ばしい香りが広がる。

その脇には色鮮やかなグリル野菜が添えられている。


パリッと焼き上がった皮が香ばしく、ナイフを入れると、ジューシーな肉汁があふれ出してくる。

視覚、嗅覚、そして味覚が期待に胸を膨らませる。


大きな一切れを一口でほおばる。

うまい!、としか言いようがない。

みんなが笑顔だ。


ウティルダ:「あなた。冥界の大森林の見回りはどのような状況ですの?」

カフレッド:「うむ。問題はない。ただ・・・」

ウティルダ:「ただ?」

カフレッド:「この一週間で、出現する魔物のランクがさがっているのだ」


母が首をかしげる。


カフレッド:「つまりだな。Cランクの魔物が出るようになったから、危険度が上がり、騎士団を派遣していたのだが、この一週間は、Dランクの魔物しかおらず、もともとの状態に戻ったようだ。理由は不明だが・・・」

ウティルダ:「それは良いことですが、理由がわからないことが困りましたね」

カフレッド:「そうなのだ。理由がわからないから、騎士団の見回りをやめることもいまはまだできないしのを」


父は腕を組み何やら考えている。


ウティルダ:「そうですね~。この一週間の変化点といったら・・・、トシードが帰ってきたぐらいしか思いつきませんわ、ふふふ」


私はビクっとし、ゴホゴホと咳き込んでしまう。

いきなりぶっこんでくるなぁ~。

やはり、母は要注意人物だ。


父は私のことを見ながら

カフレッド:「確かにそうだな、ははは。でも、無関係だろう」

イサルト:「そうですよ。トシードは見回りに参加していませんし」

ソウミリアン:「そうですよ。たまたまです」


ナイスだ、兄達よ!


母が私を見て微笑んでいる・・・


トシード:「・・・、そっ、そうです。私は・・・無関係です」

いっ、いったい、何を知っているというのだ。

私がこの一週間で何をしていたか、知っているはずはないんだけどなぁ。

冷汗が背中をつたう。


もしかしたらだが、私が森の奥でBランクやAランクの魔物をそれなりの数を討伐したから、Cランクの魔物たちが森の奥へ戻っていったのかもしれない。

森の奥地で何かが発生し、魔物たちが外へと押し出されてきていたのかもしれない。


エドザー王国の中でも、最強騎士団のひとつに数えられるエチゼルト騎士団であるから、Bランク魔物ぐらいまでなら対処にまったくの問題はないだろうけど、Aランク魔物が同時に複数現れたら、そうそう何回も持ちこたえることはできないだろう。


明日はもう、キーバッハ領に向けて旅立たないといけないので、時間がないが、次回のエチゼルト領帰省のときには、森の奥地を調べに行くことに決めた。

最後までお読みいただきありがとうございました。

気に入っていただけた方は、ぜひ、

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よろしくお願いいたしますm(__)m

とても嬉しいです。

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