第36話「ポーションを作る」
第36話
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最後の材料を探して、森を彷徨っている。
イネザベスが、Aランク魔物“グリーン・ドラゴン”の鱗が欲しいそうだ。
何に使うんだろうか。
といっても、エチゼルト領隣接の“冥界の大森林”に現われることは稀である。
ドラゴンの生息地は北西の方向、サマヴァー獣人王国に隣接する“冥界の大森林”である。
やはり行くしかないか。
頑張れば日帰りできる距離だ。
であれば、今日は魔力回復薬を作るために、少女と出会った草花が生い茂る美しい場所へ向かう。
ここは薬草の宝庫だ。
本当にいろいろな薬草が揃っている。
必要な5種の薬草を集め、火魔法で丁寧に水分だけを飛ばし乾燥させる。
そして、乳鉢で個別に粉砕し、きれいなサラサラの粉にする。
錬金スキルを使い、それぞれの粉のエキス含有量を正確に把握し、正しいエキス比率で混ぜ合わせる。
鍋のお湯にダマができないように少しずつ混合粉を入れながら、優しく混ぜる。
沸騰しないように火魔法で火力を調整しつつ、ドンピシャの出来上がりを見極める。
エキスは各粉から水に移っていくが、やりすぎるとエキスは別の粉に吸い取られ、お湯の中のエキス比率が正しくなくなってしまう。
熟練の技が必要な作業なのだ。
サリアが厳しく教えてくれたおかげで、私は得意だ。
お湯の色の微妙な変化で見極めるのだ。
多少、見極めタイミングがずれても、効果が落ちるだけで、使えないわけではないが、ドンピシャで作られた薬の効果は劇的に優れているのだ。
一度、この成功を体験すると、もう戻れない。
必ず成功させたくなる。
この思いが錬金の技術力をどんどん上げてくれる。
私はここしかないというタイミングで、いっきに濾過し、粉を取り除くと、美しい青の液体が抽出された。
錬金スキルで鑑定すると、最高級の魔力回復薬である“エクスマジックポーション”が完成していた。
260年前に鍛え上げた腕は落ちていないようだ。
ついつい笑顔になってしまう。
ついでに、別の薬草を5種集め、同様の手順で、最高級の体力回復薬である“エクスポーション”も作った。
これは怪我も治してくれるので持っていると、いざという時に便利だ。
今日の成果は
青色の液体 エクスマジックポーション 10本
黄色の液体 エクスポーション 10本
これだけあれば、明日のドラゴン生息地への遠征は安心だろう。
・・・・・・・・・・
翌朝、早い朝食を一人でとると、「夜まで部屋に籠る。覗くなよ」と侍女ジーンに強く伝えると、屋敷を抜け出した。
いま、風魔法で空を高速でかっ飛ばしている。
空気抵抗に負けないように、身体強化魔法を2重でかけてある。
このペースなら1時間ぐらいでドラゴン生息地付近に到着できるはずだ。
風を切り裂きながら、空を駆ける感覚は何ものにも代えがたい自由だ。
身体を包む魔力の煌めきが、陽光を反射してキラキラと輝いている。
目の前には青く澄んだ空が無限に広がり、下には森や川が広がっている。
風魔法の渦が翼のように背中にまとわりつき、滑らかな流線形の空気が身体を包む。
雲を切り裂きながらひたすら前進する。
心が高鳴り、胸の奥から歓喜が沸き上がる。
爽快だ、ともかく気持ちがいい。
意味はないが、両手を羽のように広げ、グルグルと回転してみる。
そして、イエェーーーーィと叫び、ワッハッハーーーーと声を出して笑う。
本当に気持ちがいい。
最高だ。
・・・・・・・・・・
だいぶ、ドラゴン生息地に近づいてきたので、低空飛行に移り、速度を下げる。
そして、地上を観察しながら飛ぶ。
できることなら、グリーン・ドラゴンが単体でいてくれると助かる。
そんなことを考えていると、人が数名倒れているのが目に入った。
見てしまったからには助けに行かないわけにもいかない。
地上に降り、細心の注意を払いながら、ゆっくりと近づいていく。
倒れているのは獣人が3名。
大怪我をしているようだ。
私は、周りに魔物がいないことを確認すると、3人のもとへと急いだ。
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