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第32話「セーリ大神殿」

第32話

ご愛読いただきありがとうございます。

すでに、ブックマーク/星評価をつけてくださった皆様ありがとうございます!

青空に映える白亜の大神殿が中心にそびえたつ小さな町セーリ。


セーリ大神殿は、この地域で古くから信仰されている大地の神を祀っている。

柱は高く天を突き、彫刻された装飾が柱頭を美しく飾る。

大理石の階段は幾段にもわたり、神殿へ向かう人々が自然とその威厳に敬意を表すように誘う。


ここも260年前と変わらないなーと感慨深く、しみじみとした気持ちになる。


カコレット:「どうした?トシード」

トシード:「いや、なんでもないですよ。素敵な町だなと思いまして」

イネザベス:「そうでしょ~。歴史ある大地神様の町ですからね。まずは、大地神様にご挨拶に向かいましょう」


大理石の階段を一歩一歩登っていくと、厳かな空気にどんどん包まれていく。

柱廊を抜け、広々とした神殿の中に足を踏み入れると、ほんのりと漂う香と微かな祈りの声が耳に届く。


中央には、崇高な佇まいの黄金の祭壇が設置され、その前で人々がひざまずいて祈りを捧げている。

静けさの中、蝋燭の揺らめく光が神殿全体を神秘的に照らし出し、空間に特別な温もりを加えている。


私も両手を合わせて静かに目を閉じる。


・・・・・・・・・・


カコレット:「トシード、すごく長い時間、祈ってたわね。何をお願いしたの?」

トシード:「それは・・・秘密です」

カコレット:「えーーー、気になるーーー」

イネザベス:「ふふふ。カコレット、それぐらいにしてあげなさい」


カコレットは、唇をとんがらせて、しぶしぶ頷いている。


イネザベス:「さて、では、そろそろ次へ行きましょう」

カコレット:「そうでした、あそこですね!」

トシード:「どこですか?」


カコレットが無言で悪戯な目で見つめてくる。


カコレット:「それは・・・秘密です」


・・・・・・・・・・


連れていかれたのは宝物殿。

大地神信仰について深く知ることができる。

単なる歴史的な遺物の展示ではなく、信仰や文化に触れることができる貴重な空間であり、過去と現在を結びつける面白い場所だ。


ゆっくりと見て回りたいところだが、先へ先へと急かされる。


突如、イネザベスとカコレットが立ち止まった。

そこにあったのは、大きな一枚岩に描かれた魔法陣だった。


カコレット:「じゃじゃーん!これだ!」


私は、カコレットの身長よりも直径が大きい円形の魔法陣を見上げる。

これはあれだなと思っていると、

イネザベス:「これはですね、キヨフレッド・フォン・ヒーゴが260年前に創ったと伝えられている魔法陣です」


そうですね、その通りですね、だから?と思っていると、沈黙が流れている。

そうか、私の反応待ちか!?


トシード:「えっ、えっ、えーと・・・ほんとですか!すごいですね!」

これでどうだ、正しい反応だろと2人を交互に見る。


カコレット:「そうだろう、そうだろう、凄いだろー」

腕を組んで、激しく何度も頷いている。


イネザベス:「まあ、言い伝えですが。でも、類を見ない複雑かつ美しい魔法陣のデザインなので、キヨフレッド・フォン・ヒーゴ本人の作品と思いたくなりますよね。ただ、何に使ったものなのかが、わかっていないのです」


そうか、記録は意図的に抹消されているということなのだろう。


カコレット:「トシード、どう?何かわかる?」


少し考えるふりをして

トシード:「そうですねー、複雑なので難しそうですねー」


カコレット:「だよね~、でもさ、ここが属性で、ここが形状で・・・」

と、カコレットとイネザベスの検討が始まった。


魔法陣の基礎知識をきっちりと学びなおしただけのことはある。

なかなかいい線を行っている。


私はフンフンと頷き、感心しながら聞いている。


トシード:「それで結局、何ができる魔法陣なのです?」


イネザベス:「それがわからないのです。火魔法と水魔法を組み合わせているのはわかります。何かしらのすごい攻撃魔法が発生すると思っているのですが」

カコレット:「そうですよね。大魔導士キヨフレッド・フォン・ヒーゴですからね~。すごい攻撃魔法に決まっていると思うんだけどなぁ~」


お二人とも、そこが固定観念ですね。

大魔導士キヨフレッド・フォン・ヒーゴといえば、強大な攻撃魔法という思い込み。

ちょっとヒントあげようかな。


トシード:「攻撃魔法とは限らないのでは?」


イネザベス、カコレット:「「えっ・・・」」

何言ってるの的な冷たい視線を向けられる。


長い沈黙が続く。

まだ続く。


この重い空気に、はじめに堪えられなくなったのはソリアムだった。


ソリアム:「そっ、それで・・・トシード君はなぜそう思うのかな?・・・」

ぎこちない笑顔でこっちを見てくる。


トシード:「うう・・・、そ、そうですね・・・。何となくですよ、何となく思ったのですが・・・」


イネザベス:「いいから、はやく言いなさい」


トシード:「は、はい。先ほど展示で見たのですが・・・、かつて、この町には温泉が湧いており、公衆大浴場があったと。そして、突如、温泉が枯れたと・・・」


カコレット:「それで?」


つ、冷たい。

イネザベスもカコレットも、言葉も視線も冷たい。


トシード:「い、いえ。違うかもしれませんよ・・・」


イネザベス:「いいから、続けなさい」


トシード:「は、はい。火魔法と水魔法を組み合わせるということなので、お湯が出るのかなと思いまして・・・。そして、もしかしたら水温調節もできるのかな・・・と・・・」


カコレット:「ははは、なるほど」

棒読みだ・・・絶対に信じてないよな、本当なのに・・・

魔法を使える人がいなくなって、この魔法陣を起動できなくなって、公衆大浴場は取り壊されたんだろうなと思うのだけれども・・・


イネザベス:「なるほど、面白い推理ですね、ふふふふ」

ああー、こちらも棒読み・・・絶対に信じてないよな、本当なのに・・・


トシード:「すっ、すみません」


イネザベス:「いいのよ、推理は自由ですから」

カコレット:「ただ、大魔導士キヨフレッド・フォン・ヒーゴですからね、そこは忘れないでね」


どうやらこの2人は、私が思っているよりも、かなりコアなキヨフレッド・フォン・ヒーゴのファンであるようだ。

そして、もっているイメージにだいぶ偏りがある。

今後、キヨフレッドに関する発言には気をつけようと思った。

最後までお読みいただきありがとうございました。

気に入っていただけた方は、ぜひ、

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・下の評価で5つ星

よろしくお願いいたしますm(__)m

とても嬉しいです。

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