第31話「魔石ハウス」
第31話
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今日も、イネザベスとカコレットが準備してきた様々な武器を試していく。
といっても、2人は魔法/魔法陣研究者であり、発明家であり、戦士ではない。
好き放題ぶっ放し、その性能を確かめていく。
当然、半分の魔物は撃ちもらしているが、それは、ソリアムと私で仕留めていく。
ソリアムが「何も言うな」という顔を私に向けてくる。
ああ、ソリアムって何ていい人なのだろうか。
撃ちもらした魔物への対応、撃ち取った魔物の解体、テントや食事の用意・・・
それを文句も言わず、もくもくとこなす。
愛がゆえだが、愛は伝わっていない・・・
泣ける・・・
ソリアム:「近くにいれればいい・・・」
と隣で小さな声でつぶやいた。
トシード:「で、でも、それでいいのですか?」
ソリアム:「いいんだ」
私はいつの間にか、こぼれ落ちていた涙をぬぐった。
・・・・・・・・・・
夕飯の後、雲行きがあやしくなってきた。
そして、ポツポツと雨が降り出した。
ソリアム:「これは今夜は大雨になりそうですね。あの丘の上に移動しましょう」
カコレット:「この季節に大雨が降るなんて不思議ね~」
我々は急いで丘の上に移動した。
トシード:「魔石ハウスを使いましょうか。大雨ならテントよりも有用だと思います」
私はリュックの容量の大半を占めているキューブ状の魔道具を取り出した。
ここまでは毎日移動していたため、テントが最適で、一度しか使えない魔石ハウスを使うことができないでいた。
トシード:「みなさん、20歩ほど離れてください」
イネザベス、カコレットはワクワクしながら、ソリアムは意味も分からず後方へと下がっていく。
私はキューブ状の魔道具つまりは魔石ハウスであるが、それを地面に置き、上部のボタンを押した。
そして、私も3人のいるところまで急いで下がった。
数秒後。
地面から壁がせり上がり、三角の屋根と煙突のついた平屋建ての土の家が2棟並んだ。
材料として地面の土しか使えないので、入り口に扉はない。
3人が微動だにしないので、どうぞどうぞ、という仕草をしてみる。
はっとした3人が恐る恐る魔石ハウスの中に入る。
私は、ソリアムがもって来ていた魔石ランタンを天井にかけ、薪を暖炉に置き火をつける。
温かいオレンジの光で魔石ハウスの中は満たされる。
トシード:「いかがですか?」
イネザベス、カコレット、ソリアム:「「「・・・・・」」」
無言で私のことを見てくる。
トシード:「えっとー・・・、なにかダメなところあります?」
カコレット:「ない!それよりも、なんだこれは!ここまでとは思わなかったぞ!もう何があっても、絶対に驚かないと決めていたけど、驚いた!もう無理して我慢するのはやめるわ~」
イネザベス:「ありません!想像を遥かに超えています!どうなっているんですか、あなたの脳は!解体したい」
ソリアム:「・・・・・どういうこと???何ですか、この家は???」
3人が同時に声を上げる。
なんか物騒な言葉が聞こえたような気がしたが・・・
私はテントの布で入り口を覆い、扉の代わりにした。
これで完成だ。
トシード:「では、こちらの棟がイネザベス先生とカコレットさん、隣の棟がソリアムさんと私ですね」
そういうと、この状況で長居するのも面倒くさいことになりそうだったので、私は隣の棟に移り、早々に寝袋に入った。
・・・・・・・・・・
玉座に座るキヨフレッドとサリアらしきふたりの人物。
ふたりの瞳には生気がない。
私は目を見開き、ガバッと起き上がる。
息が荒い。
トシード:「夢・・・か・・・」
ソリアム:「どうしました?大丈夫ですか?」
入り口から外を見張りながら問いかけてくる。
トシード:「いえ、ちょっと夢をみまして・・・大丈夫です。見張り替わりましょうか」
ソリアム:「そうですね、そろそろ交代の時間でもありますね。では、お願いさせてもらおうかな、ふあー、少し寝かせてもらいます」
そういうと、ソリアムは寝袋に入った。
昨日はあまり寝れなかったようだから、眠いのだろう。
もう寝息が聞こえている。
暗闇のため、大粒とはいえ雨は見えない。
ザザザザーーーァという大雨の音だけが聞こえる。
こんな日は、魔物も雨の当たらないところで大人しくしているだろうと思う。
・・・・・・・・・・
朝陽が昇りはじめ、雨もやんだ。
丘の下には大きな湖ができている。
朝陽を反射し、湖面はキラキラと輝き、眩しい。
イネザベス:「トシード、おはよ~。さて、今日はいよいよ最終目的地であるセーリ大神殿よ。そこで見てもらいたいものがあるの。ふふふふ」
なんだろうか、気になる。
トシード:「どのようなものですか?」
イネザベス:「お・た・の・し・み~」
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