第28話「セーリ大草原」
第28話
ご愛読いただきありがとうございます。
すでに、ブックマーク/星評価をつけてくださった皆様ありがとうございます!
王都の北門。
美女2人と美男子1人が見えてきた。
美女2人は皮の軽装防具に身を包み、小さなバッグを肩からかけている。
美男子1人は鉄の軽装防具に身を包み、ロングソードを腰にぶら下げている。
美女のひとりが大きくブンブンと手を振ってくる。
私は駆け足で3人の方へ向かう。
カコレット:「トシ~ド~、待っていたよ~」
トシード:「ハア、ハア・・・す、すみません」
イネザベス:「いえ、遅れてないから大丈夫よ」
カコレット:「それで、トシードの魔道具はそのリュックの中か?」
トシード:「はい、そうですが、お二人の魔道具はどこですか?」
カコレットとイネザベスが、肩からかけている小さなバッグを持ち上げてみせる。
トシード:「・・・えーと、そのー、つまり、その小さなバッグの中ということですか?」
カコレット:「Yes!そう、正解!」
トシード:(いつになくテンション高いな~)
イネザベス:「このバッグはアイテムボックスなのです。たくさん入りますよ。ふふふ」
トシード:「そうなのですね。いいですね~」
カコレット:「いいでしょ~、それよりも早く行きましょう!もう、待ちきれません。私は昨晩なかなか寝れなくて、今朝もかなり早く起きましたし、今日をどれだけ楽しみにしていたか、わかるでしょっ!」
トシード:(いや、わからないけど・・・)
イネザベス:「ふふふ、そうよね。私も待ち遠しかったです。では、行きましょうか。ソリアム、お願いね」
トシード:(イネザベスもそうなのか・・・)
イネザベスが美男子に向かってウインクすると、美男子は頷いた。
トシード:「・・・ソリアム?・・・疾風の剣士ソリアム??」
美男子:「どうも、はじめまして。ソリアムです。よくその通り名をご存じで」
トシード:「???えっ、えっ、えええーーー、なんで、なんで、エドザー王国第1騎士団の団長がここに!?」
ソリアムが苦笑いをしている。
イネザベス:「魔道具お試し遠征のときは、いつもついてきてくれるのですよ。いい人でしょ」
ソリアム:「まったく困った人だ、イネザベスは。トシード君、気にしなくていいですからね。私が好きで一緒に行くのですから、ハハハ」
そういいながら、ソリアムがイネザベスを優しい目で見つめる。
イネザベスは気づいているのかどうかわからないけど。
カコレットは気づいていないだろうし、興味もないのだろうな。
もう馬車に乗りこもうとしている。
そして、イネザベスと私も馬車に乗り込んだ。
御者はソリアムである。
ソリアム:「では、行きますよ~」
イネザベス:「よろしく~」
馬車がゆっくりと動き始めた。
これは、報われない恋なんだろうな・・・相手が悪い・・・と、ソリアムのことが少し可哀そうに思えてきた。
・・・・・・・・・・
セーリ大草原。
この1週間は、魔道具のお試しのため、セーリ大草原でキャンプである。
セーリ大草原はエドザー王国のど真ん中にある広大な草原であり、エドザー五岳といわれる5つの山々が連なっている地域にある。
緑の絨毯のような広大な草原からは、雄大な五岳の山々が遠くにそびえ立ち、青空の下、風が草を揺らす音が耳に響く。
空気は清らかで、深呼吸するたびに体中に自然のエネルギーが満ちるような感覚に包まれる。
その広がる風景に心を奪われ、時間を忘れて見惚れてしまう。
この場所は、王都の喧騒から逃れ、自然の壮大さと静寂に身を委ねるのにぴったりの場所だ。
なんとも気持ちの良いことだ。
チラホラと見える草を食べている魔物はCランクのブラウン・ホーン・バッファローやブラウン・メイン・ホースだ。
刺激しなければ、襲ってくることもなさそうだ。
とわいえ、魔物であることに変わりはない。
疾風の剣士ソリアムが心配でついてくるのもわかる。
ソリアムがテントを張り始めた。
今日は、ここで一泊のようだ。
カコレット:「では、始めましょうか、イネザベス先生」
イネザベス:「そうですね」
というと2人がアイテムボックスであるバッグから、改良品の魔道具や新開発の魔道具を取り出し、並べ始めた。
カコレット:「トシードのおかげで、魔法陣の基礎知識の修正ができたので、既存魔道具の改良や、新魔道具を創ることができたわ。どれも自信作よ」
トシード:「そうですか。それはよかったです」
私が2人からそれぞれの魔道具の説明を受けていると、いい匂いがしてきた。
テントを張り終わったソリアムが、鼻歌を歌いながら夕食の準備を始めている。
見ている私に気づいたソリアムが、微笑み返してくれる。
美しい顔をした中性的な美男子が私だけに向ける笑顔に、ドキッとしてしまう。
私は自分に(女性が好き、女性が好き、女性が好き)と再認識をするように、心の中で繰り返し呪文のように唱え続けている。
カコレット:「ちょっと、トシード!ちゃんと聞いて!」
トシード:「は、はい。聞いてます!」
カコレット:「うそ~、ほんと?ちゃんとしてよね」
私は激しく何回も頷いた。
最後までお読みいただきありがとうございました。
気に入っていただけた方は、ぜひ、
・ブックマーク
・下の評価で5つ星
よろしくお願いいたしますm(__)m




