第15話「エドザー王国第3騎士団 ハジメルド団長」
第15話
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騎士としての技術や規範を学ぶ騎士教育は、エドザー王国騎士団が教えてくれる。
今年の1年Aクラスは、エドザー王国第3騎士団が担当している。
団長のハジメルドは異国の特殊な剣を愛用しており、剣を抜いてから一瞬で敵を斬る技術で有名な剣豪である。
彼の独特なその剣技は、その速さと正確さで知られている。
最初の授業で、ハジメルド団長が見せてくれた剣技は圧巻だった。
一瞬で大木が真っ二つになり、多くの生徒たちは何が起きたのか理解できないまま驚愕の声を上げた。
「剣術の適性がなくても、訓練によりかなりのレベルまでは鍛えることができる。だから、気にするな。俺についてこい。」ハジメルド団長のその言葉に、私たちは目を輝かせた。
しかし、その後の授業・・・いや、訓練は苛烈を極めた。
毎回の訓練で、私たちは肉体も精神もボロボロに追い込まれ、筋肉痛に悩まされた。
しかし、1ヶ月後には各自が実力の向上を実感し、全員が訓練にのめり込んでいった。
実を言うと、私はその中でも特にのめり込んでいた一人だった。
剣のスキルを持つ生徒たちの上達ぶりは目覚ましく、特に剣スキルの生徒たちは盾スキルの私の2倍以上の速さで技術が向上していった。
才能、つまり生まれ持った剣術適性が飛び抜けた存在になるためには重要であることを痛感した。
父が剣スキルにこだわる理由も、このことを理解してのことだったのだろう
そこにはどうしても超えられない壁がある。
・・・・・・・・・・
王立学園に入学してからの半年間、みっちりと剣術の基礎を叩き込まれた。
そして、いよいよダンジョンでの実戦訓練が始まる。
2週間のダンジョン遠征である。
北方の魔王が統治する“冥界の大森林”に隣接した王領には、ダンジョン群が広がっている。
ダンジョンでは貴重な素材や武具が手に入るため、多くの冒険者や商人が集まる都市が形成されている。
私たち王立学園の1年生の目的は、初級ダンジョンでの実戦経験を積むことだ。
そのダンジョンの魔物はDランクがメインであり、10階層にいるダンジョンボスはCランクだと聞く。
エドザー王国第3騎士団も同伴するため、大きな危険はないだろう。
260年前からこの一帯には多くのダンジョンが存在していた。
私はこれまで何度か素材集めのために潜ったことがあるが、その時はどのダンジョンもCからAランクの魔物が出現し、ダンジョンボスはSランクだった。
魔物の強さは魔王の強さに比例すると言われている。
最近の魔王は弱体化しているのだろうか。
そうだとすると、ドロップアイテムにもあまり期待はできないかもしれない。
非常に残念である。
そんなことを考えていると、馬車が止まった。
ダンジョン群都市モーズに到着したようだ。
今日は王立学園所有の宿泊施設で長旅の疲れを癒し、明日からいよいよダンジョン探索が始まる。
「ダンジョン」という響きには、やはりワクワクせずにはいられない。
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