第13話「五剣イトゥリアム・フォン・オルワン」
第13話
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・・・:「トシードさん、トシードさん」
トシード:「・・・ぁぁ、センナさん」
センナ:「どうかされましたか?」
トシード:「いっ、いえ、なんでもありません。少し考え事をですね、してました」
センナ:「そうでしたか、いつでも相談にのりますよ」
そういいながら微笑む。
トシード:「いえいえ、大したことではないのです。お腹空いたなぁ~とかそういうことです」
私も微笑み返す。
心なしか、センナが照れているようにも見える。
もう一度、微笑んで、じっとセンナを見つめてみた。
すると、満面の笑みで微笑み返されてしまった。
私はその見つめ合いに堪えられず、目を逸らしてしまう。
どうやら私の負けのようだ。。。
それにしても、あの映像はなんだったのだろうか。
260年前の記憶に、あのようなシーンはない。
私がこの世界に転生したことと関係があるのだろうか。
トシード:(なんだ!)
宮殿の広間に強い気配が現れた。
トシード:「ムネルダさん!次はどこへ向かうのですか?」
ムネルダ:「ちょっ、ちょっとびっくりするじゃないの、急に大きい声出して!」
トシード:「す、すみません。どこいくのかな~と思いまして」
ムネルダ:「広間ですわよ」
トシード:(やはりそうですよね・・・うーん、行かない方が無難だけど。メインの部屋なのだから行かない理由もないよな・・・)
トシード:「そうなのですね。私もはやくいきたいです」
そういうと、私は先頭に出て、広間へと歩き始めた。
ムネルダ:「ちょっ、ちょっとーーー、急にどうしたのよ。待ってよーーー」
・・・・・・・・・・
広間には銀髪の貴族っぽい服装の男性が立っていた。
私は剣の柄に手をあてて、距離を保つ。
少し遅れてきたセンナとムネルダが私の背中から顔を出す。
センナ:「えっ、イトゥリアム様!」
トシード:「イ・トゥ・リ・ア・ム?」
ムネルダが私の耳元で、小声で教えてくれる。
ムネルダ:「五剣のひとり、イトゥリアム・フォン・オルワン辺境伯様ですよ」
私も小声でかえす
トシード:「えっ、なんで、、、なんで、五剣の人がここにいるのですか?」
ムネルダ:「そんなの知らないわよー、イトゥリアム様に聞いてみてよ!私だって顔は知っているけど、話したことはないのですからね!」
トシード:「そ、そうですね・・・」
もはや小声でなくなっているムネルダに、ちょっと引いてしまう。。。
イトゥリアムは、貴族らしい優雅な動作で一礼し、紳士的な笑みを浮かべて口を開く。
イトゥリアム:「センナ様、ムネルダ様、お目にかかれて光栄です」
センナも深々と頭を下げて応じた。
センナ:「イトゥリアム様、お久しぶりです。こんな場所でお会いするとは思いませんでした」
ムネルダも軽くお辞儀をしながら、やや緊張した表情で応えた。
ムネルダ:「イトゥリアム様、いつもお噂を聞いております」
イトゥリアムは柔らかな声で答えた。
イトゥリアム:「ご丁寧なご挨拶をありがとうございます。こうしてお二人にお会いできたこと、大変嬉しく思います。それにしても、お二人がここにいらっしゃる理由を伺ってもよろしいでしょうか?」
センナ:「私たちは学園の古代都市遺跡見学でここに来ています。カンベルトゥス先生が引率してくださっています」
イトゥリアムは興味深そうに頷く。
イトゥリアム:「それは素晴らしいですね。古代都市の遺跡には貴重な歴史と知識が詰まっています。それに確か・・・、カンベルトゥス様は大聖女サリア様と大魔導士キヨフレッド様の研究の第一人者ですよね」
そういうと、イトゥリアムは私の方を見つめる。
私は、ドキッとしながら黙っていると
センナ:「これは失礼しました。ご紹介しますね。こちらはトシード・フォン・エチゼルトさんです。私たちの学友です」
イトゥリアム:「なんと、エチゼルト伯爵家の方でしたか。カフレッド伯爵様はお元気ですか?」
トシード:「は、はい!父は元気です」
そうだった、父カフレッドも、五剣のひとりである。
父とイトゥリアムは知り合いのはずである。
仲がいいかどうかは知らないが。
イトゥリアム:「そうですか、それはよかった」
イトゥリアムの優しい微笑みに一瞬見惚れるが、騙されてはいけない。
イトゥリアムは、絶対に魔族である。
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