転生と異世界と大きなお城
とあるデザイン企業で働く23歳の女性デザイナー「天魔 愛生」(てんま あおい)
彼女は事件に巻き込まれ、異世界に転生してしまう。
気がつくと、眼の前には大きな城?があった。
中には誰もいない。
鏡に映る自分の姿はまるでルシファーのよう。
しかし、その姿に妙に親近感が湧いた。
生前にデザインしたゲームキャラと瓜二つだったのだ。
こうして彼女は第二の生を歩みだすことにしたのである。
天魔てんま 愛生あおいは有名デザイン会社で働いているデザイナーだ。
ある日、彼女のもとに一つの依頼が入ってきた。
ゲーム原作のアニメを制作するため、原作ゲームのキャラデザインをアニメ風
に作ってもらいたいとのこと。
先方から提示されたキャラデザインに関する設定は四つ。
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1, 女性キャラ(人外可)
2, ラスボス感を目一杯引き出した風貌
3, 絶対的な強者であること
4, 悪女っぽく(ビッチ寄りに)
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4つもあるのか..
ていうか、4つ目の設定....??
まぁ、先方からの提示だ。
設定があるならそれに従う他あるまい。
そういう経緯で私、天魔 愛生てんま あおいは言われた通りの設定に従ってキャラデザインに取り掛かったのだが...
うん。
とんでもない悪女っぽくなってしまった。
まぁ、設定が設定だから....しょうがないか。
(4つ目の設定は無視するとしても...)
「とりあえず、こんな感じかな」
下絵を完成させた後は一度、担当にチェック入れて貰わないといけない。
(まぁ、私が受けた依頼だし、すんなり通るだろう)
結果.
「もう少し盛り気味でいいかな」
とのアドバイスを貰った。
流石にどこを?
とは思ったが、担当の視線がキャラデザの胸部に向けられていたのは言うまでもない。
(でもなぁ、盛り過ぎたら逆に先方から違うって言われるかもだし)
どうしようかなぁ.....
まぁ、でも盛れるだけ盛り込んでおくか。
下絵をデザインスキャナーでパソコンへと取り込む。
ここからは地道なレイヤー作業になる。
この作業、効率は良いんだけど手書きにほとんど大差ない。
パソコンに取り込んだほうが処理しやすいというのが実際のところである。
この会社では一人につき、1キャラのデザインを任されることが多々ある。
その場合、複数人で行う作業を一人ですることも出てくるのだ。
「あぁ....疲れたぁ」
なんとかレイヤー作業を終わらせた私だったがかなりのハードワークになってしまった。
今、何時だろう?
壁掛け時計を見ると、短針は2・を指していた。
「やっば!もうこんな時間、終電はもうないかな」
都内住みだからそこまでの距離はないのだが、今日は色々疲れた。
早く帰って寝よう...
有給はまだ残ってたはず..
私は明日休んで何をしようかと考えつつ、会社を後にしたのだった。
帰宅途中.
背後に何やら気配を感じる。
気のせいだろう。
しかし、その気配に警戒しているには理由があった。
最近、帰宅途中の女性を刃物で襲う事件が都内で相次いで発生している。
流石に私は狙われないだろう...
という他人行儀さは置いておいて、かなり危険なのだ。
つい数日前にもこの通りで女性が....
数日前.....?
「痛っ!」
背中の強烈な痛みが迸ほとばしった。
眼の前が急にぼやけて見える。
背中に明らかな違和感があった。
違和感の正体を探るため、背中に手を回す。
「こ...れって、血?」
背中から出血していた。
その量から察するに人体の3割ほどの血液が背中から溢れていたのだ。
だんだんと意識が遠のいていく。
「私...死ぬの?」
「せっかく....デザインが完成したのに...」
悲痛な思いも虚しく、私の意識は暗闇の中へ消えてゆくのだった。
<現在までの情報>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
天魔 愛生てんま あおい:有名デザイン企業で働く女性デザイナー
インストラルRPG:天魔 愛生に依頼されたキャラデザの原作となったゲーム
デザインスキャナ:下絵をパソコンに取り込むために用いられる光学式の
スキャニング機器
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