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恋です。

恋です。10話

作者: 新垣新太

急ピッチに飯塚は愛の告白を畳み掛けていた。今日は学校休みの日曜日。藤川と京王線の鶴ヶ丘駅のホームで待ち合わせをしていた。


藤川「京王線の車体はいつ見ても美しい。しかも鶴ヶ丘駅はホームが綺麗でデザインも格好良いな~。、、もしかして飯塚君も電車の魅力に気付いたのかなー?」


だが、待ち合わせの時間になっても飯塚は現れない。少し飯塚の事が心配になり始めた頃。駅のホームにアナウンス音が流れ始めた。


♪~♪~♪~♪~

飯塚「これ、もう喋って大丈夫ですか?あ、音入ってる!、よし、藤川由衣さん!、飯塚正次郎はあなたの事が好きです。大好きです!その、電車に対する情熱は、純粋な心があるからこそ熱中出来ている事だし。内から出る藤川の美しさは、カメラのレンズ越しからでも十分に伝わるほど綺麗なんだ!、だから、俺と付き合ってくれないか!!、、あ、もう時間ですか?すいませんありがとうございました。」


藤川「え?あ?、、今の声飯塚君。、、え?すごい。駅のアナウンスやってる。、、やだ、恥ずかしい、こんな沢山人がいる前でそんな事言うなんて。、、でも、、好き」


飯塚は、駅の車掌さんに深くお辞儀をすると、藤川と待ち合わせのホームへダッシュで向かった。


飯塚「ごめん、遅くなって!、!?ぉおっ!」


藤川は飯塚を見つけると、すぐに飯塚に駆け寄り強いハグをした。飯塚は藤川とぶつかるようなハグにより、呼吸困難に陥ったが、藤川の胸が思い切り自分の身体にくっついた為に口からよだれを出していた。


・・・


その2日後。学校終わりに近くにある市民体育館で飯塚は、藤川と1対1のバスケットボールをしていた。3ゴール先取で勝利なのだが、飯塚は既に藤川に20ゴールは決められていた。


藤川「自分から挑んできた割には、しょぼいなぁ飯塚」

飯塚「ハァ、ハァハァ、ハァ。しんどい、けど、、勝たないと」


次は、飯塚が攻めの番だった。ゆっくりとドリブルをして、藤川の動きを見る。藤川はディフェンスの構えで飯塚を低い視線から動きを見る。そこで、飯塚は靴紐がほどけたので結び直す、と言うフリで隙を作り、一気にドリブルで藤川の左側に切り込んだ。


藤川「せこい男だな、バレバレ」


藤川は飯塚に体を寄せてディフェンスを続ける。だが、飯塚は負けじと右手でレイアップシュートを強行する。飯塚の強引な突破が藤川にも影響し、2人共に体育館の床に倒れこんだ。すると、藤川が仰向けに倒れたのに対して、飯塚が藤川の上にうつ伏せで倒れかかる。飯塚はすかさず両手を突き出し、壁ドンならぬ床ドンをした。


飯塚「ハァ、ハァ、ハァ」

藤川「ハァ、ハァ、ハァ」

飯塚「ごめん、強行突破だった、怪我は?」


近距離で顔を向き合わせた2人。飯塚は、藤川に勝ってから言おうとしていた事を伝える。


飯塚「藤川、、俺、藤川の事が好きなんだ。、まだ、バスケじゃ弱っちい男だけど、他にも沢山弱い部分がある俺だけど。でも、藤川の事が一番好きだって言う気持ちは、誰よりも強いって言い切れる」


飯塚と藤川は、お互いを真っ直ぐに見つめ合っていた。


藤川「、、私も、、飯塚が、好き」


藤川は飯塚の背中に腕を回し、寝ころんだままハグをした。

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