15. 異星人 №2
この島の北に我々の街、アルカディアがある。しかしここは、安住の地ではない。
外部との情報交換は、この石のわずかなクラックにより可能だった。
君たちは、UFOと呼んで騒いでいるようだが、我々の仲間だ。
ただ残念なことに通信はできても、仲間たちには、この石の場所が特定できないのだ。
「ちょっといいかな」
源さんが口を挟む。
「あんたらは何年前から、ここに居るんじゃ?」
——君たちには、理解できないだろう。そもそも寿命が数十倍も違うのだ。
我々の知能は君たちより遥かに進んでいる。
レーダーに映らないことなど簡単だ。君たちのステルスについての知識や機器などは初歩的なものだ。
もし、仲間たちが本気でやれば、人間なんてひとたまりもない。
ただ我々が脱出するまでは、仲間たちは攻撃しないで待っている。
長い歴史の中で、地球上でいらないものは明白だ。
環境を破壊し、大気を汚染する。憎しみあって、創造と破壊を繰り返す。
愚かな人間によって、最適の環境だと思っていた地球は、今は見る影もない。
人間がいなくなった世界を想像したまえ。
地球はどうなると思う?
簡単な質問だ。
平和が訪れるのだ。
——まあ、慌てなくても、一年後には、この石は割れるのだが。
「メノウが⁈ それは間違いない話かね!!」
源さんは、かなり驚いていた。
——ああ、事実だ。そして、我々がこの石から脱出した時、ゲームはスタートする。