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「どうしよう、怜がいない!アランが帰ってから図書館に行ったんだけどいなくて、庭も見たけどいなくて、部屋で待ってたんだけど全然帰ってこないの!」

なんで怜をひとりにしちゃったんだろう!お城の中だしそんなに心配いらないかもしれないけど胸騒ぎがする。今まで熱心に本を読みすぎて帰って来なくて図書館で発見した時もあったけど、図書館にいないとなると…怜、どこにいるの?


「なんだって?おい、誰か見ていないのか?」

アランが周りの人に聞いてるけど、みんな首を横に振るばかり…

何人かの人で手分けして探してくれたけど、図書館には司書さんとかがいるわけじゃなくて、図書館に入った後の怜の姿を見た人は誰もいなかった。











朦朧とした意識が戻ってきて、自分の手足が何かで縛られているのを感じた。部屋は全部木製で、ベッドと机、椅子があり、どうやら小屋の一室のようだった。動こうとするが、縛られているためうまく動けず、這うようにして扉に近づいた。途端怜は息を潜めた。ギイという音がして外から隣の部屋に人が入ってきたのだ。


「本当に間違いないんだろうな?」

「ああ、アラン様は毎日のようにあいつの部屋に通っていた。相当熱をあげてるに違いねぇよ」

アランだって?アランが俺の部屋に来てるのは春に会う為だが…それがなんだって言うんだ?

「それにアラン様の部屋にあいつが入って行くのをみたからな、間違いないぜ」

俺はアランの部屋を訪ねたことがないが…春と俺を間違えたのか?ということはもとは春を狙って?


「フッハッハッハッ街中では謎めいたプリンスであらせられるアラン王子も城に入れば一発だな。弱みを握ることなど造作もないわ」

なるほど、アランの弱みを握るために春を拐おうとして、間違えて俺をさらったのか。にしてもアランが謎めいた…?性格は…まぁあんな感じでミステリアスとはいえないから、その存在自体ということか。そういえば街中を通る時、セドやルカは声をかけられていたが、アランはほとんどフードを被っていたし、被ってないときでも何も言われてなかったな。あの時は王族が民の前で顔を出すことが少ないからかと思っていたが、違うのだろうか…?


まぁ何であれ春が危険な目にあわなくてよかった。だか奴らが勘違いに気づいたらまずい。その前にここを逃げ出さなきゃ!でもここはどこなんだ?意識を失ってた時間がどのくらいか分からないから…もしお城から離れてたら逃げたとしてもすぐ捕まるかもしれないし…それにお城で俺がいないことに誰かが気付いてくれても俺を見つけることが出来ないかもしれない。


「それで、アラン王子のお姫様はまだ眠ってるのか?」

「結構強力なやつを使ったからまだかもしれないが…」

やばい、近づいてくる…!元の場所に戻らなきゃ!


ガチャ、ギイ

バタン


「まだ眠ってるようだぜ」

「そうか。まあそうそうここは見つからないだろうから眠らせといてやるか。他の仕事先に済ませるぞ」

「おう」


よ、よかった、、とにかくここから逃げ出す方法を考えなきゃな。このままだと春にもアランにも危険が迫ってるかもしれないって伝えないと…!

待ってろよ、春、アラン!

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