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「失礼致します!至急お伝えしたいことが!」

…なんかいつも邪魔が入るなぁ。

「ここにいる者には聞かれてもいい。話してくれ」

「はい。どうやら今回の件は王子まで繋がってるということが分かりました。」

「フィリップか?」

「はい、そうです。さらに悪いことに、こちらの探りに気づかれたようでして」

「なんだと!?」

「アイサの完成形はすでに作られ、挙兵の準備をしていて近々攻めてくるようです。」

「もう完成してしまったのか…!」

「そんな…!」

完成形がどのようなものかは分からないけど、執着するものを操作できるなら人を自分の思い通りに動かすことも簡単になってしまうだろう。

「こちらも構えなくてはならないな。すぐに兵をこちらに寄越せと城に伝えろ!」

伝令役の人はバタバタと出て行った。戦争とかになってしまうんだろうか…

「あ、でも元々イレドに攻めようとしてたんだよね?」

「そうだが?」

「それって土地神様が先手必勝!って言ってたやつじゃないかな?」

「あ!たしかに!偵察とかして先手必勝って言ってた!先制攻撃しろってことかな?」

「そうか…考えてみよう」

「ますます話しておいた方が良さそうだな」

「イレドとの戦いに関係あるの?」

「まぁ、個人的なことになってしまうがな。」





「俺はイレドの第五王子として生まれた。」

「イレドってあのイレド!?」

「そうだ」

「え、嘘でしょ!?でも、どうして…」

アランがアルシュタルの王子じゃなくてイレドの王子だって!?俺も春も動揺が隠せない。危うく春は持っていたティーカップを落としそうになってアランに支えられていた。

「続きを聞いてくれ。お父様はフィリップや第二王子には目をかけていたが、第五王子である俺のことは何とも思っていなかった。そうだ、当時アルシュタルとは友好的で、俺はセドとよく遊んでいた。」

「じゃあセドとは幼なじみだったの?」

「そんな感じだな。」

アランとセドは王子と近衛隊長という立場なのに敬語は使ってないし仲よかったのはそのせいなのか。

「じゃあセドは貴族の子息とかなの?」

「いや、そうではないが」

「そこがややこしいんだ。少し待ってくれ。イレドではお父様は圧政を敷いていて貴族とともに民から税を搾り取っていて、民は困窮していた。お父様はとにかく情報通で、弱みを握ったりして無理矢理従わせていた。そして外交においてもそれは同じだった。ある日お父様はアルシュタルにおけるある情報を掴んだ。」

「ある情報?」

「それが俺についてのことだ。俺が実はアルシュタルの第二王子なんだ。」

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