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「こにょスコーン、おいひいね〜」
「春〜、食べながら喋るなよ」
「ごめんごめん、にしてもスレン遅いね」
スレンがどっか行ってからひたすらアフタヌーンティーを楽しんでいた俺たちは1番上のケーキを残して全て平らげていた。
「あ!スレン!」
と、そんなことを話してるとスレンがふらふらしながら戻ってきた。
「あ、ごめんね〜、お客様を放置してて」
「それは大丈夫だけど…スレンの方が大丈夫?」
「いつものことだから大丈夫だよ〜、それより土地神様から君たちのこと聞いてきたよ」
「ほんと!」
「てか土地神様と話すのってそんな疲れるのか…?」
「あ〜、まあほとんどは土地神様の近況報告とかだったからね!」
やっぱゆるいな土地神様。
「前のおにーさんにも加護を与えてたけど、君たちにも加護与えてくれるらしーよ!」
「加護!!ほんとに!!」
「春興奮しすぎだって、スレン引いてるぞ」
「あ…ごめんごめん、加護とか異世界転生とかの定番すぎてつい」
「いや、いいよ。まーその加護は後で祭壇に行ってもらうことになってるから!」
「祭壇があるんだ!」
「うん、そこで土地神様とお話しするんだよ」
「なるほど〜」
「で、僕から伝えることはもうひとつ!それぞれに土地神様からのお告げがあるんだ」
「お告げ!かっこいい〜!」
「土地神様からのアドバイスだったり予言だったりするんだよ!外に出ない僕には分かんないこともけっこうあるけど」
「へぇー!ね、僕にはなんて?」
「ごほんごほん、土地神様のお言葉伝えるの久しぶりだから緊張するな」
お、おおなんかこっちまで緊張する。
「いくよ?」
お前は謎のイケメンに狙われておる!
びしぃっと春に指をさしながらスレンはそう言い切った。
「へ?」
「ふぅ、緊張した〜」
「そ、それだけ?てか何それ!魔物を倒しに行け!とかじゃないの?」
「ん?うん、ちゃんと僕ポーズも言葉も完全再現したんだから!」
「そ、そうなんだ…ポーズは可愛いかったけど…
てゆーか僕命狙われてるの!?なんかしたのかな!?」
「いや、命かどうかは分からないだろ」
「で、でもそれ以外考えられないよ〜どうしよう!」
「春がいっつも考えてるやつの可能性もあるじゃんか」
「びーえるのこと?ないない、僕自分のカップリングはNGだから!」
「そういう問題じゃないだろ」
でも命を狙われてるのはあながち間違いでもないかもな。実際春の代わりに俺連れ去られたし、そいつらのボスっぽいあの人ってのがイケメンなら辻褄も合う。でもアランが春のことそういった意味で狙ってるってのもあり得るってか事実だよな。謎のってのがひっかかるけど、俺のこと連れ去った人はアランのこと謎めいたプリンスって言ってたし…分かんない内はまだ言わないでおくか。
「なんかこう、もうちょっと詳しく聞いたりすることできないの?」
「うーん、今教えられるのはここまでだよってゆうことだと思うんだ。あくまでアドバイスみたいな感じだから」
「そっか、そうだよね」
「では、次は怜だよ!」
お勉強頑張ってね♡
かわいい♡というか土地神様のキャラ変わりすぎだろ!!
てかそうじゃなくて!!
「それだけ!?俺は応援されただけ!?」
春と違いすぎない!?もう予言とか助言でも何でもないじゃないか
「きっと勉強したら何かこの先あるんじゃない?ね?そういうことだよね?」
「僕にはよく分からないけど…土地神様は意味のないことは言わないからそうだと思うよ」
「そう…」
うーん、あれかな、春はアランと結婚するからこの先も大丈夫だけど、俺はそうもいかないから学をつけて自力で生きるための術を身につけろってことかな…ということは将来的には城を追い出されてるのか…?あり得るよな、だっていつまでも置いといてもらえるとは限らないし…
「2人ともそう落ち込まないで!祭壇に加護もらいにいこうよ!」
「…!行く!」
春はぱっと元気になり、スレンと仲良く手を繋いで歩き出した。
「怜、行こう!」
「うん」
すごく先が怖くなってきたけど、今はとりあえず考えないでおこう!
あと勉強頑張ろ…




