リンリンさんのユニークが凄すぎた
今回少し短めです。
いつも短い?……それは言わないでください。
「ええええぇぇーーーー!?」
突然声を上げたリンリンさんに驚いた僕。
リンリンさんは驚きつつ僕に問う。
「な、なんでわかったんですか!?」
「うん。説明するから落ち着いてください。」
「……はぃ」
僕はリンリンさんに向き合いわかった理由を説明する。
「まず、生産Lvが異常に高いです」
「それは沢山ポーション作ったからで納得してれたと思ってました」
「それは生産に対して10倍もしくはそれ以上の経験値が貰えるというユニーク持ちだからだと思いました」
「な、なんでそうなるんですか!?」
納得しないリンリンさん。
これは僕の秘密を言うしかないかな。
「それは僕もユニークを持ってるからです。ユニーク称号【冒険者の起源】、戦闘経験値を10倍にするという壊れ称号です」
「え!?イチさんも持ってるんですね……そ、それなら分かってもおかしくはないです」
納得してくれでよかった。
これで、お互いの情報を交換できる。
「ま、まぁ、元々話すつもりではいたんです。」
「あれ?そうだったんですね」
「もちろん!私のパートナーですから!」
あ、やばい。嬉しい。
……いかんいかん。気を取り直さねば。
「それで、どんなユニークなんですか?」
「はっきり言いますと、イチさんが手に入れた称号の生産版です。ユニーク称号【生産者の起源】、生産経験値を10倍にしてくれます。取得条件は最初にこの群生地を発見する。です。」
なるほど。
確かに僕が一番最初にログインして【冒険者の起源】を手に入れたことを考えると妥当と言えば妥当だ。
「まさか、ここまで似てるユニークを持ってるだなんて……ほんとに運命的なものを感じますね」
「ふふ、そうですね」
リンリンさんは笑顔で答える。
そして、なにか言いたげに僕を見つめる。
「ん?どうかしましたか?」
「はい。実は私もう一つユニークを持っているんです。」
「え!?」
まさかユニークを既に二つも手にしてるなんて思いもしなかった。
「それで、ユニークの詳細は……」
「今説明しますね。私の使用している武器は生産職の限定武器で魔道弓なんです。このように弓の弦を引く動作をすると光の矢が現れます。この光の矢は攻撃力が微々たるものなので、【アイテムエンチャント】というスキルを使い所持している回復アイテムや攻撃アイテムを消費して、アイテムの効果1/2を光の矢に付与して使用します」
つまり、攻撃アイテムの爆弾を付与した光の矢が標的に当たれば、標的は爆弾の1/2のダメージを受けるということだ。
「アイテム効果1/2で付与……普通にアイテム使った方が早いですが補助としては優秀ですね」
「はい!そして私の手に入れた二つ目のユニークのスキルと合わせると……」
そう言うとリンリンさんは魔道弓の弦を引く。
すると魔道弓を中心に円を描くように光の矢が12本現れる。
「こ、これは……」
目の前の信じられない光景に、僕は言葉を失った。
「どうですか?私の二つ目のユニークスキル、【追撃せし十二光矢】は」
「……凄いですね」
「しかも、この光の矢は目視している任意の相手を追尾するんです。そして、極めつけなのは【アイテムエンチャント】で使用するアイテム一つで十二本の光の矢全てに効果が付与されるんです」
「無敵じゃないですか!?」
「ええ、全くです」
そう言ってリンリンさんは弓の弦をもどす。
光の矢はその場で消えた。
「取得条件を聞いてもいいですか?」
「はい。自分の意思で二本目の矢を具現化させるですね。ゴブリン二体同時に相手している時に矢が複数あればまとめて倒せるのになと思いながら弓を放ったら偶然出来てしまいました。因みに具現化させるほどの集中力と意志の強さがないと発動しない設定だそうです」
それを聞いて僕は言葉も出なかった。
矢を具現化させるのもやろうと思ってできることではないはずだ。これは多分、リンリンさんの天性の才能のものによるものだろう。
うかうかしてるとリンリンさんの足元にも及ばなくなってしまう。それはパートナーとして、男のプライドとして避けねばならい。
僕が更に強くなることを心に決める。
後に、この決心がBDOの世界を大きく変えることは今の僕には知る由もなかった。