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冒険者の起源

後悔しないように公開してみた。

僕の名前はイチ。

とは言っても、この名前は仮の名前です。


どういう事か説明すると、僕がVRゲームで使用しているアカウントの名前がイチということ。ただそれだけなのです。


本名?

それは秘密。

なぜなら、これは僕が今からプレイするBalance Delete Onlineのいちプレイヤーとしての物語なのだから。



Balance Delete Online。

略してBDOは最近世間を騒がせているMMORPGというジャンルの最新作VRゲームだ。


世間で騒がれている理由は沢山あるが、一番大きい理由は、やはり、VRゲーム初のMMORPGというジャンルだということ。


とは言え、それだけでは精精、発売日三日前くらいから店の前に行列ができる程度に収まる。


だが、BDO購入者が並んだのは一週間前からである。

何故、そんなにも前から並んだのかだが、VR初のMMORPGという理由もあるが、それ以外にも大きな魅力あったからだ。


例えば、VR特有の現実世界と見分けがつかないほどのフルダイブ性。さらに全NPCに人工知能搭載によりNPCとの冒険、恋愛、結婚が可能になった。


そして、一番の魅力はゲームの仕様だ。


このゲーム。BDOにはユニークと言われる称号やスキル、装備などが数々存在する。しかも、ユニークは一人のプレイヤーが所得してしまうとほかのプレイヤーはまず手に入れることが出来なってしまうのだ。とは言え、これくらいの事ならほかのMMORPGにも存在するだろう。だがBDOでは訳が違う。


何故なら、ユニークの一つ一つがチート並みの能力や性能が秘められているからだ。更に一人のプレイヤーが所得出来るユニークの数に制限はない。

つまり、手に入れたもの勝ちの弱肉強食の世界となっているのだ。

因みにbalance deleteというのはゲームバランスを削除したという意味あいがあったりする。



彼がVRを起動し目を開けると、そこには真っ白な空間に一人の女性。金髪ゆるふわロングで高身長に受付嬢のような制服がとても似合う大人の女性という感じだろうか。


女性は彼と目が合うと笑顔で……。


「balance delete onlineへようこそ!ここはBDOキャラクター設定の間です。私はキャラ設定のヘルパーとして作られたNPCのキャサリンと申します!まず初めに、この世界での貴方様のお名前を決めてもらいますね!」


彼はいきなりキャラクター設定が始まったことに戸惑いつつも、予め決めておいた名前をキャサリンに伝える。


「僕の名前はイチです」

「イチさんですか。いいお名前ですね!さて、お名前もきまりましたので早速ではありますが見た目の設定から入りましょう!」


相変わらずハイペースなキャサリンにイチは苦笑いを浮かべた後、気になることを質問する。


「見た目の設定は……もしかして手動ですか?」

「いえ、自分が思い描いた姿形がそのまま反映されますよ!」


キャサリンの言葉にイチは驚いた顔をして。


「へぇ、簡単なんですね!じゃあ、姿形はリアルのままで髪は白髪で……完成!」


イチがアバター作成を完了させ舞い上がっているとキャサリンは不安な様子で言った。


「リアルの姿形でよろしいのですか?一応個人情報ですので忠告しておきますが……」

「大丈夫!自己責任だったよね?利用規約はきちんと読む人なんです!」

「そうですか。分かりました!では、次に職業選択ですね。リストを開示しますのでその中から選んでください!」


次の瞬間、イチの目の前に職業が表示されているメニューが現れる。


「ふむ。メインとサブがあるのですか……となると、メインが剣士でサブは遠距離がいいのんですかね?なら、魔法使い……いや、この組み合わせを使っている人は多そう。とは言え弓使い……を選ぶなら魔法使い方が圧倒的に魅力的。うーん、一旦遠距離から離れて補助系なんてどうだろう。僧侶……回復系は性にあわないしな。あ、補助魔法使いなんてものがあるんですね!これなら魔法使いよりは少ないはずだし、自分にバフをかけながら戦えるソロ向きです!よし!これに決めました!!」


職業選択に夢中になる余りに独り言の耐えないイチを笑顔で見守るキャサリン。

それに気づいたイチは頭を掻きながら赤面した。


「ふふ、楽しそうでなによりです」

「恥ずかしいところを見られてしまいました」

「いえいえ、見てて微笑ましい限りでしたよ?」

「尚更、恥ずかしいです」


そんなやり取りした後、キャサリンは最後の設定であるステータス振り分けの説明をイチする。

ステータスの割り振りによるステータス上昇数値は以下の通り。


攻撃力:SPステータスポイント1につきATK5上昇。

魔法力:SP1につきMP3、MATK5上昇。

防御力:SP1につきHP10、DFE3、MDFE3上昇。

回転力:SP1につきSPEEDが0.1上昇。


初期の基本ステータスはHP50、MP25、その他はオール5。

レベルが上がるごとに基本ステータスHP10上昇、MP5上昇、SPEED0.1上昇、その他1上昇。


初期SPは40。

レベルが上がるごとにSPが4P取得となっている。


因みに初期ステータスは現実世界リアルの身体能力と同じだ。そしてステータスの数値が初期ステータスの倍になればもちろん現実世界リアルの倍、強くになるという仕組みだ。




ステ振りを終えたイチのステータスは以下の通り。


イチ Lv.1 称号なし

職業:Mメイン剣士、Sサブ補助魔導師


HP 50+0

MP 25+0

ATK 5+0

MATK 5+0

DFE 5+0

MDFE 5+0

SPEED 5+0


残りSP:40





「ほんとに良かったのですか?」


そう問うのはキャサリンだ。

イチがSPステータスポイントの振り分けをしなかったことに対しての問いだ。


「はい。現実世界リアルでの僕の身体能力がこの世界で通用するかどうかの実験がしてみたいんです。」

「そうですか。では、初期設定も終わった事ですし、お別れの時間がやって来ましたね」

「まぁ、初期設定ヘルパーって聞いた時点でここでしか会えないキャラだって事は薄々気づいてたのですが悲しいものですね……」

「ええ、とても残念です。ですが、そう落ち込まないでください。イチさんの冒険の始まりはここからなのですから。……いつか、イチさんが強くなって原点を思い出す時、私の顔が頭に浮かぶことを願っていますね」


キャサリンの最後の言葉と共に辺り一帯を白の光が埋め尽くす。

イチはキャサリンの言葉に感動しつつも、あまりの眩しさに思わず目を閉じるのであった。



目を開けるとそこはイギリスのカンタベリーを思わせるような街並みだった。

キャサリンとの別れによる心の穴を埋めるには十分と言えるほど完璧なグラフィックに胸を打たれるイチ。


そんなとき……。


『ピローン♪』


イチの耳に場にそぐわない機械音が鳴り響く。


「なんだろう?……ってGMからメッセージ!!しかも個人あて!?」


いきなりのGMからのメッセージに対し驚くイチ。

そして、メッセージの内容を見て更に驚くことになることはいざ知らずに内容を確認する。


『イチさんへ


どうもこんにちは!

私はGMゲームマスターだよ!

どう?驚いた?驚いたよね!?


とまぁ、本題にはいるけど、まずはじめに。


一等賞ログインおめでとう。


君はこの世界《BDO》に一番最初にログインした。

よって!!ユニーク称号 【冒険者の起源】をプレゼントしちゃうよ!


それにしても発売開始からまだ一〇分も経ってないというのにログインしちゃうだなんてねw

ぶっちゃけるとね、ここまで早くログインしてくるなんて予想してなかったんだよ。だから特別にユニーク称号の能力をすこーしだけいじって色つけておいたから期待してね!


今後ともBDOをご贔屓に♡


by.GM』



GMからのメッセージを一通り目を通したイチは静かにメッセージタブを閉じた。


そして、声を震わせながら。


「ステータスオープン、称号設定」


そして、目の前に現れた称号一覧にある、ユニーク称号である 【冒険者の起源】の能力を見て驚愕した。


「ぼ、冒険者の起源……取得経験値一〇倍……!?」


イチが声に出した通り 【冒険者の起源】は称号にセット時、取得経験値が一〇倍になるというゲームバランスを一切感じさせないほどのものであった。


故に驚きを隠せなかった。

そして、興奮を抑えきれなかった。


「ユニーク、きたぁあああ!!!!」


イチが声を上げた瞬間。

周りの人々(NPC)からの目線がイチに集中する。


「あう……」


周りの目線が痛かった。

何より自分がイタかった。


「……うん。いい経験になりました。冷静で平常心を心がけましょう。そうしましょう」


そう呟き、街の散策を始めるのであった。


一週間に2〜3話公開して行きたいです!

BDOをご贔屓に!

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