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折れた牙

「ごめんなさい。好きな人が出来たの」


その一言で少年は自分の人生が終わったような錯覚を感じた。

その後も何か少女が言ってる気がするが何も聞こえなかった。


目の前の少女とは幼馴染で中学卒業を機に交際がスタートした。

同じ高校に入学し、桜の木の下で制服姿で微笑む彼女にドキドキした

色んな所にデートに行ったし、クリスマスにキスもした。

幸せだった。

この幸せな時間が一生続くと思っていた。



ただ、最近非常に忙しくて彼女と一緒にいれる時間が少なくなっていたのも事実だ。

だけど、こんな簡単に破綻が来るとは思わなかった。

少年は自分と少女との絆を非常に強固なものと考えていたのだから。



更に大きなショックを与えたのが彼女が好きになったという人物の名を告げられた時だった。

その人物の事は少年もよく知っていた。


誰もを魅了する美貌と強さを兼ね備えたカリスマ。


「君はこの場に相応しくない」

屈辱の言葉を自分に向けて言い放った者。

忘れたくても忘れられない人物だった。



少女が立ち去った後、少年は膝を落として泣いた。


「こんなのってないよ・・・」


とにかく泣いた。

口から目から鼻から体液が枯れ果てるとばかりに泣きぬいた。


ふと、自分の腕に填めてあるブレスレットを見る。

綺麗な銀細工を施したブレスレットだった。


「ただ守りたかっただけなのに」


そう。

少女を置いて動き回らなければならない状況に陥ったのは、ある決心を固めたからだった。

町内に突然出現した悪の秘密結社。

出没しては暴れまわる怪人達はとても強く、警察などでは歯が立たなかった。


大好きな彼女を守る。

ただそれだけのために、手に取った力。



少年はただそれだけのために、ヒーローとして悪と戦った。

遥か昔に妖魔と戦った英雄の力が宿る腕輪。

その腕輪を偶然見つけた少年は、力を駆使して少女を守ってきたはずだった。


戦いが怖くなった事があった。

圧倒的に不利な状況に陥った事もあった。


それでも少女の顔を思い浮かべれば何でも出来る気がした。

勇気がわいた。


後もう少しでその脅威も取り払えるはずだった。


しかし、現実は残酷で結果はもっと残酷だった。

守るために戦ってきた事で、少女と離れる結果になるとは考えもしなかった。


何度正体を明かそうと考えた事か。

しかし、正体を明かす事で危険が及ぶかもしれないと考えると出来なかった。


「もう戦える気がしないよ・・・」


力なく立ち上がる少年。

受けた心の傷は深く、どこまでも彼を苦しめる。


そして、気力を失った少年からは快活さがなくなった。

周囲が心配する中、少年は引きこもりになった。

飯屋の息抜きに書いてみました。

ノリで書いてるため文字数が少なくなる可能性もあります。


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