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自覚


 その後は、皆で適当に店などを見て回った後、宿に戻ってから男女それぞれに分かれ、寝る前にもう一度温泉に入った。


「…………」


 すっかり暗くなってから露天風呂から夜景を見ると、先刻橋の上から見た光景が思い出されて、それに伴って背中に感じた一哉の体温まで脳裏によみがえってきて、思わず顔が熱くなるが、のぼせそうになってしまって慌てて湯から上がる。


 部屋に戻ると、一哉からもらったクマのぬいぐるみがちょこんとバッグの上に鎮座しているのが目に入って、つい手に取ったところで、脇からかけられる声。


「そのクマ、ずいぶん気に入ったみたいね?」


 何となく楽しそうに見える真央だった。


「あ、うん…だってほら、可愛いじゃない?」


「まあねー」


 何となく意味深な物言いだったが、それは気にしないことにして、唯はぬいぐるみをそっと枕元に置いた。


「ああもう、眠くなってきちゃった。歯磨いてきて寝ようーっと」


 ごまかすように言いながら、洗面道具を持って部屋にある洗面所へと向かう。真央の言いたいことはわかっている気がするが、いまはまだ、そっとしておいてほしかった。何故なのかは、自分でもわからないけれど。


 だからだろうか。唯はその晩、またしても懐かしい夢を見た。


 高校時代────例の臨時マネージャーをしていた頃だ────帰る支度もほぼ済ませて、真央と共にゴミを捨てるために焼却炉に行った時のことだった。何しろ、サッカー部員たちは食べ盛り伸び盛りの少年たちなのだ、練習の後に食べるパンや菓子から出るゴミがたまってしまうので、そうして定期的に捨てに行かなければならなかったのだ。いつもと違うルートを通って校門へと向かっていたので、普段は通らない体育館の裏手のほうを通ったその時、意外な言葉が聞こえてきて二人揃って思わず足を止める。


「……小林と大槻ってさあ、二人並んで歩くとホント親子だよなあ」


 体育館で活動している運動部の男子生徒たちだった。恐らくは二人が偶然近くを通りかかっていることに気付いていないのだろう。


「とくに最近は、小林がマネージャーの手伝いやってていままで以上に一緒にいるから、よけい目につくんだよな」


「…………」


 唯も真央も、そんなことはいつも言われている言葉だから、もはや傷つきもしない。もっともそんな言葉を口にする相手に好意を持てるかというと、無理な相談だが。


「けどよー、大槻みたくちっちゃいのはまだ『可愛い』と思えるけど、小林くらいデカいと女としては見られないよなあ」


「確かに。男としては、やっぱ彼女にするなら小さいコだよなあ」


 その後続いた言葉に、唯の胸の奥がずきりと痛む。この身長では仕方ないと自分でもわかっているけれど、さすがにこの手の言葉にだけは慣れることはできない。けれど、そんな傷心に浸る間もなく、自分の横から飛び出しかけた存在に気付いて、とっさにその腕を掴んだ。


「ま、真央っ!」


「ふざけたことぬかしてんじゃないわよ、このアホンダラがっ!!」


 真央の鋭い叫びが、だいぶ暗くなってきた空の下で響き渡った。二人のことを話していた男子生徒たちがギョッとした顔でこちらを向くのが目に入る。


「げっ 大槻っ!?」


「小林も…!」


「唯のこと何にも知らないくせに、勝手なことばっか言って……あいつら絶対許せない、一発ぶん殴ってやる!!」


「真央、やめて!」


 唯の全身の力を振り絞って、ようやく止められるほどの力だった。こんな小さな身体のどこに、これだけのパワーが詰まっていたのだろう? 唯に止められている真央を見て、我に返ったらしい男子が開き直った態度で再び口を開く。


「だ、だってよ、言っちゃ悪いけどホントのことじゃん」


「そ、そうだよな、何食ってそんなにデカくなったんだか知らねえけど、悪いけど男としてはちょっと…パスしたいよな」


「まだ言うか、このヤローどもっ 唯、放してよっ あんなこと言われて、唯は悔しくないのっ!?」


「だって、事実だもの、仕方ないわ」


「本人だって認めてんじゃん」


「な、なあ」


 自分でも認めている事実だからといって、傷つかないはずがないということに、彼らは気付いていないらしい。唯の胸に、見えない刃が何度も突き刺さる。


「唯、放せっ あんな奴ら、ギッタギタにしてやるんだからっ!」


「おいおい、何物騒なこと言ってるんだ? 真央」


「あ」


 声のした方向を見た唯は、そこに天の助けともいえる存在を見い出して、ホッと息をついた。


「一哉さん、真央を止めるの手伝ってくださいっ!」


「了解」


 言うと同時に大股で近付いてきて、一哉はひょいっと真央の身体を肩に担ぎ上げた。肩の上で真央がどれだけ暴れようが、お構いなしだ。


「いち兄、下ろせーっ! あいつら、一発でもぶん殴ってやらなきゃ気が済まないっ!!」


「落ち着けって。いったい、何があったんだ?」


「あ、えと……」


 自分の口からはとても言えなくて、唯は口ごもる。ホッとしたような表情を浮かべる男子たちにキッとキツい一瞥をくれてから、一哉の肩の上で真央が叫んだ。


「あいつら、唯のこと身長が高いってだけで、女の子として全否定するようなこと言いやがったのよっ 唯が怒らないから、あたしがやるしかないのっ あんな男のクズ共、かばってやる義理なんかないでしょ!? だから、いち兄、下ろしてっ!!」


 真央は、半ば涙声になっている。自分のことでなく、唯のためだけに真央はこんなに怒っていたのか? その心に、唯の目頭も熱くなる。そんな気持ちも、一哉に投げかけられた問いのおかげで、たちまち現実に引き戻されてしまったが。


「唯ちゃん、それホント?」


「あ、いえ、その……」


 いくらよく言われることとはいえ、そんなことを言われたと何も知らない一哉に告げることはどうしてもできなくて。何も答えられないまま、俯いてしまう。だから、それを見た一哉がどんな表情を浮かべたのか唯は知らない。


「─────確かに、あそこにいる男どもの誰よりも大きいかもな、唯ちゃんは」


 その言葉が、いままでのどんなものよりも深く大きく唯の心を抉った。


「いち兄っ!?」


 真央の、信じられない言葉を聞いたとでも言いたそうな声。けれど、その直後続いた言葉に、真央は動きを止め、唯は思わず顔を上げていた。


「身長じゃないよ。人間としての器の話」


「え……」


「なっ!?」


 一哉の言葉の意味を理解したらしい男子たちも、驚いたように一哉を見た。


「女の子を外見でしか判断できないような男は、自分もそう扱われても文句は言えないって言ってるんだよ。仮に彼女ができたとしても、まともな神経を持っている女の子ならそんな男にはまず寄ってこないから、ろくな性格の相手じゃないだろうな」


 「そう思えば、溜飲も下がるだろ、真央?」と続けながら、すっかりおとなしくなった真央を下ろして、一哉は唯に微笑んで見せた。その微笑みとたったいま言われた言葉で、ついさっき心についたすべての傷が既に跡形もなくなっていることに、唯は驚いてしまった。そんな、ただ一哉に告げられた言葉だけで。


「という訳で、すっきりしたところで帰るか、真央、唯ちゃん」


「うんっ!」


 すっかり機嫌を直した真央とは対照的に、男子生徒たちは悔しそうだったが、どう見ても大人で男として体格も立派な一哉に睨みをきかせられては、もう何も言えないらしい。そんな彼らに何となく気まずい思いをしながらも、真央と共にとっさに放り出したままだった荷物を拾い上げて、一哉の後に続く。車の後部座席に一緒に乗り込むと同時に、真央がほんとうに晴れ晴れとした表情と声で笑った。


「あー、さすがいち兄、初めは『絶対許さない、後で急所に飛び蹴りかましてやる』と思ったけど、カッコよく締めてくれてスッキリした!」


「お前、そんなこと思ってたのか」


 バックミラーに映る一哉はすっかり呆れ顔だ。


「…唯ちゃん? どうかした?」


 バックミラー越しに見たのか、一哉は振り向かないで運転しながら、声をかけてくる。


「あ、いえ……何だか、怒涛の勢いですべてが通り過ぎていった気分で、何が起こったのか把握しきれない感じで……」


 ついでにいうと、いまごろになって涙がこぼれそうになっていたけれど、二人の前で泣く訳にはいかないと思い────きっと必要以上に心配をかけてしまうから────必死にこらえる。そんな中、一哉がふいにいつもは曲がらない角で曲がって、手近なコンビニの駐車場で車を停めたので、びっくりしてしまう。


「どしたの、いち兄」


「俺、何か喉渇いちまった。真央、適当に三人分の飲み物買ってこいよ」


 そう言って、真央に財布ごとぽんと放ってきた。


「最近はいろいろ新商品も出てるしな、ゆっくり見てきな」


 一哉の言葉に真央は何か通じるものがあったのか、「了ー解っ」と言ってさっさと車から出て行った。


「あっ じゃあ、私も…」


 遅れて後に続こうとした唯は、片腕をふいに掴まれて止められて、驚いてしまった。


「え……」


 困惑した思いをそのまま表情に出してそちらを見ると、一哉がどことなく優しい瞳でこちらを見返していて……唯の動きが止まると同時に、その手を放してそのままぽんぽんと唯の頭を軽くたたく。


「……あんなひどいこと言われたの、初めてじゃないんだろ? で、唯ちゃんのことだからそのたびに怒りもしないで、ずっと我慢してたんだろ。もう、いいから。俺の前でまで、我慢しなくていいから」


「な…何言って……わ、わたしは別に…」


「泣きたい時に泣いとかないと、心に悪いよ?」


 その言葉が、唯の心の最後の壁を打ち崩した。


「……っ!」


 あんなことくらいで、泣きたくなんてなかったのに。気付いたら、涙があとからあとからこぼれ始めて……慌てて出したハンカチが、見る見るうちに湿っていく。俯いて何も言えないまま涙を流す唯を、一哉がどんな顔で見ていたのかわからない。けれど、運転席に座ったまま、ずっと唯の頭を撫でてくれていた一哉の大きい手は、どこまでも温かくて優しくて。この人の前では、もう虚勢を張らなくてよいのだと、心の底から安心できて…………。


 気を利かせてくれたのだろう真央がしばらく戻ってこない間────唯が泣きやんだ頃に戻ってきた時も、「遅くなってごめんね~」としか言わないで、何も訊かないでいてくれたことが嬉しかった────唯は、一哉の優しさにただ甘えていた………………。




           *     *      *




「…………」


 早朝の布団の中。目を覚ました唯は、ただ茫然と天井の木目を見つめていた。


 何で、このことを忘れていたのだろう。例の加藤との決着の時のあれが、一哉の前で泣いた最初で最後の出来事だと思っていたのに。


 ……違う。多分、自分は無意識にどこかでブレーキをかけていたのだ。一哉にとっては、誰に対しても同じようにしていたことだろうから、「自分だけに優しい」と勘違いしないように────決して好きにならないように、自分で自分の心に目隠しをしたのだ。妹の友人にちょっと優しくしただけで好きになられていたら、一哉が困るだろうと思ったから。だけど。


 ふと、視線を動かして枕元に置いたままのクマのぬいぐるみを見やる。それに伴って、思い出されるのは、昨日の一哉の笑顔や態度……。思い出すだけで、顔が熱くなってくる。


 ……どうしよう。もう、自分で自分を騙せないよ。私…自分の気持ちを止められなくなっちゃう。


 あの頃ならば、まだよかったと思う。仮に告白してフラレたとしても、臨時マネージャーの仕事さえ終われば、一哉との接点はなくなって、この春同じように再会していたとしても、いまならきっと普通に接することができたと思うから…………。


 もしかしたらいまも、あの頃と同じように真央と同じように妹のようにしか思われていないかも知れない。そんな自分に告白されたところで、迷惑に思うかも……困惑されて、いままでのよい関係まで壊してしまったら? それどころか、これから気まずくなってしまったら、どうすればいいのか。もしもここで藤子や大崎に相談していれば、そんな心配は杞憂だとすぐに笑い飛ばしてくれただろうが────さすがに一哉の妹の真央には話すことはできないと思ったのだ。最悪の場合、真央との友情まで失ってしまうと思ったから────夢のせいもあって悲観的になりかけているいまの唯には、そこまで考えられる余裕はなかった。


「…………」


 ゆっくりと起き上がり、そっとぬいぐるみを抱き締める。


「…あれ…? 唯ちゃん、早いわね……」


「あっ 起こしちゃいました? ごめんなさい」


「ううん、もう目が覚めかけてたの。えっと…七時前かあ」


「…え~…七時前~? も一回温泉入りたい……」


 半ば寝ぼけたような声で発言したのは、真央。真央も目覚めかけていたところのようだ。


「じゃ、朝食前にもう一度入りに行こうかー。この時間なら、きっと空いてるわよ」


「そですね~…」


 言いながら、まるで昔テレビで見た怪獣の幼虫のように真央が布団から這い出てくるのを見て、唯は思わず笑ってしまった。


「ほら真央、ちゃんと起きて。寝起きが悪いのは相変わらずなのね」


 その手をつかんで起き上がらせてやると、真央はようやく本格的に覚醒を始めたようで、少しずつ瞳に現実的な光が宿り始める。寝ぼけている真央も可愛いけれど、やはり真央は元気なほうがいいなと思う。


「もう男どもも起きてるかしらね」


「さあ~。いち兄も昔は寝起きそんなによくなかったけど、一人暮らし始めたらさすがに頑張って起きられるようになったみたいですよ」


「まあ、男は女ほど支度に時間がかからないから、ほっといても大丈夫でしょうけど」


「それは確かにありますね。私や妹より遅く起きてきた弟のほうが、あっという間に支度を済ませてた、なんてことよくありますし」


「ホント、男は楽でいいわよねー」


 そんなことを話しながら、タオルその他を持って大浴場に向かう。確かに藤子の言う通り、時間が早いからか昨日よりかなり人が少ない。昨日より更に広く感じる屋内の温泉を堪能してから、三人揃って露天風呂へと出て行くと、朝陽で水面が輝いて眩しくて思わず目を細めてしまった。


「やっぱり夜とはずいぶん違って見えるわね」


「でも夜景とはまた違う感じで、これはこれで綺麗ですよね」


「あ」


 唯と藤子とは違う方向を見ていた真央が、振り返って唯に向かって手招きをしてきたので、不思議に思いながらも近付いていく。


「どうしたの?」


「唯、ちょっとそこ見てみて、面白いものが見えるから」


「面白いもの?」


 などと、真央の視線の先を追って覗き込んだ唯が見たものは。約半階分下の露天風呂で、ひとり優雅に寛ぐ男性の姿…。唯の頭の中が、一瞬にして真っ白になった。


「いち兄ーっ!」


 真央の声に反応して、顔を上げたその男性の顔は。つい先刻夢に見た男性の、更に大人っぽくなった現在の顔で…………。


「─────っ!!」


 唯の喉から、声にならない悲鳴が迸って、唯は湯の中だというのにすさまじい勢いで反対側の端へと走り抜いてしまった。一哉の顔以外はほとんど認識できなかったが、あれでは痴女と言われても否定できないではないか! ほんのわずか前に想いを自覚してしまった相手を前に、これは酷い、酷過ぎる。親友に悪感情を抱いてしまう自分も嫌だったけれど、あまりにも酷い仕打ちに、涙がこぼれそうになってくる。


「真央っ! 唯ちゃんまで巻き込んで、変なことするなっ!!」


「えー、減るもんじゃなし、いいじゃーん♪」


「ちゃんと唯ちゃんに謝れっ!」


「いち兄にはいいのー?」


「────いい加減にしておかないと、俺も本気で怒るぞ…?」


 一哉はかなり怒っている、と顔を見なくても感じ取れる声だった。


「わ、わかったわよ、悪かったわよっっ 唯にもちゃんと謝るからっっ」


 反対側でうずくまったままの唯の背後に、真央が歩み寄ってくる気配。


「ゆーい、ごめんねー。唯は弟さんもいるから平気かなーと思って、悪ノリしちゃった」


 真面目に謝っている声だったけれど、唯は後ろを向けない。


「いくら弟さんがいるからって、赤の他人の異性の裸が平気な訳ないでしょうに」


 藤子もこれには完全に呆れているようだ。


「反省してます~っ 唯、ホントごめーん、ご機嫌直してー?」


 裸の背中に、ぴたりと抱きついてくるやわらかな素肌。まるで妹の芽衣子にそうされているようで、唯は不覚にもほだされてしまった。自分でも、甘いと思うけれど。


「……ホントに反省してる…?」


「してる、してますっ もう絶対あんなことしませんっっ」


「今度やったら、もう永遠に絶交だからね…?」


 八割方本気で言うと、真央がとたんに半泣きの声で答えを返してきた。


「ホントもうしませんっ だから、許して~っっ」


「…本気で反省してるなら、許すけど。もう絶対、あんなことしちゃダメよ? あたしならまだしも、会社の人にやったりしたら、下手したら訴えられたりするんだからね?」


「はあい…」


 真央はすっかりしょげ返っている。そんな顔を見せられてしまったら、もう怒れないではないか。


「なら、許してあげる」


「わあん、唯、大好きーっ!!」


 真央がガバッと抱きついてきたので、唯は危うく後ろ側に倒れ込むところだった。けれど、これだけ素直で感情豊かで可愛いから、何度迷惑をかけられても憎めないのである。自分でも、ほんっとうに甘いと思うけれど。


「ホント、姉妹みたいねえ」


 一部始終を見ていてくすくすと笑っている藤子に、唯は思わず苦笑してしまう。その半階下部分で、一哉がホッとしたように笑みを浮かべていることも、まるで気付かないままで。



 そして。


「何だ、露天風呂のほうで何か騒がしいと思ったら、そんなことになってたのか」


 朝食も木内の伯父夫婦への挨拶も済ませ────ちなみに一哉には、朝食の席につく前に謝罪済みだ。一哉も真央の仕業だということはわかっていたらしく、逆に労わられてしまったが────再び車に乗り込んでから藤子が朝の顛末を話したところ、そう答えたのは運転席に座る大崎だった。


「真央ちゃん、いくら兄貴とはいえ、それはちょっと悪ノリし過ぎだったね」


 苦笑いしながら優しく諭すように言うのは、昨日と同じように後部座席に座る木内。


「反省してマス……」


「で、小林さん、こいつのブツは見たの?」


「大崎っ!」


「見てませんっ 顔しか見えませんでしたっっ」


 ふたりして、もう顔が真っ赤になってしまう。


「何だ。見ちゃってたんなら、責任とって婿にもらえばよかったのに」


「大崎っ!!」


 そんなやりとりに、唯と一哉以外の全員が爆笑に包まれた…………。

ついに自分の気持ちに気付いた唯。ふたりの関係は、この先どう変わっていくのか。

そして真央、実の兄相手といえどセクハラはいけません(苦笑)

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