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もしかして
短いです。
町で一番大きな商店街。僕たちはそこの少し手前の駐輪場に自転車を止めた。
「じゃ、兄ちゃん、行こっか。」
僕が自ら先導しようとすると、兄ちゃんがいきなり僕の手を掴んできた。
「な、何、兄ちゃん!?」
「いや、お前可愛いからさ、ひとりで行かせるのは不安だ。」
「えぇっ!?……いや、大丈夫だよ。それに、恥ずかしいよ……。」
ごもっともである。兄弟で手を繋ぐなんて、恥ずかしいに決まって―――
「何言ってんだ。嬉しい癖に。」
え?今、なんて?
「な、何言ってるの!そんなわけっ……」
言葉が詰まった。反論できない。
身体が全く恥じらいを感じていない。
この感じ、まるで―――
「……まぁ、そこら辺は後で説明してやる。」
兄ちゃんは、僕の思考を遮るように答えると、そのまま僕を引っ張って歩き出した――。
支離滅裂もいいとこ。