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プロローグ
僕の兄は変わっています。
それも、町一番の変わり者です。
俗に言う、マッドサイエンティストです。
妙な薬を沢山作っては、よくわからない団体に売ったりして生活してます。
親は両方とも出張でいません。
僕は高校3年生で、兄は大学生なのですが、大学には通わず、家でずっと薬の開発をしています。
兄が家に篭もるようになったのは、僕が中学生の頃です。
僕が部活の遠征や、合宿などで二週間も家を開けていたら、兄は家に篭もるようになってました。
兄は、小学生の頃は僕のことを、ちゃんと名前で呼んでくれていたのに、僕が中学生の時にはいつの間にか"お前"になっていました。悲しいです。
いつか、もう一度兄ちゃんと仲の良い生活を送りたい。そう思っていた高校3年の夏休み。まさかあんなことになるとは思ってなかった。