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恋愛生活  作者: 夢見
6/6

映画と買い物っはデートの定番です


 とある日曜の昼。

 駅前の広場は日曜といえども、行き交う人であふれていた。

 

 四月。春と言ってもまだまだ肌寒い。

 行き交う人の中には、コートの前を抱いて、せかせかと先を急ぐ人も見受けられた。


 駅舎の柱によりかかっていると、


「悠也~!」


 待ち人来たり。


 美優は少し小走り気味にこちらに駆け寄ってくる。

 今日は、以前美優と約束した、映画と買い物の日。


 家が近いのだから、別に近くで待ち合わせてもよかったのだが、美優の強い希望によってここでの待ち合わせになった。


「おう。美優、おはよ……」


 振り返って挨拶しようとした俺は思わず言葉を切って、美優をじーっと凝視してしまう。


「………? 悠也?」

「……! ああ、ごめんごめん。おはよう美優」


 びっくりした。今日の美優は白いワンピースに赤いリボンをつけて、なんか……似合ってるってのもあるけど………すっごく可愛い。


 思っても言えないけど、美優は一年前よりずっと可愛く、綺麗になった。

 嵐山さんたちの話では学校でもかなり告白されているようだ。


 いつか、美優も誰かと付き合うんだろうか?

 それは………寂しいものがあるな。


「えっと……待った? 悠也。ごめんね」

「いや、全然。今来たとこ」


 本当は15分前には着いていたのだが、まあわざわざそれを言うこともない。


「……ふふっ、ありがと」


 ………美優には見抜かれてるっぽいけど。



 







 美優と並んで駅から歩いて20分ほどの大きなショッピングモール内にある映画館は、日曜と言うこともあって結構な人であふれていた。


 薄暗い、ちょっと変わったにおいがする映画館のロビーに入っていくと、


「見る映画って決めてるの?」


 美優がそう聞いてきた。


「いや、当日美優の希望を聞いて決めようと思って」

「う~ん。でも………」


 俺と美優が好む映画のジャンルはかなり異なる。

 俺はアクション系

 美優はファンタジー系が好きだ。


 どうしようか………

 そんなことを考えていると、ふとある看板広告が目に入った。


『遂に日本上陸! 米で一大旋風を巻き起こしたファンタジーサスペンスアクションラブストーリー!』


「ねえ美優………」

「ん?」


 俺の視線の先を美優も追っかけてその広告を見つける。

 そして、2人してきっと微妙な表情になっているだろう。


「…………」

「…………」


 言いたいことは色々あるが、とりあえず面白いのだろうか。


「どうする? 美優」

「う~ん………他に面白そうなのもないし、あれにしよっか」


 まあ、ひょっとしたら当たりかもだしな。


「高校生2枚下さい」

「2400円になります」


 チケットを2枚受け取って1枚を美優に渡す。


「奢り?」

「当然」


 こういう時ぐらいは格好付けたいしな。


 













 映画の上映場は少し肌寒かった。軽く冷房が効いてるかもしれない。少し厚着気味の俺で肌寒いんだから、美優は……


 と思って隣を見ると、予想通り肩を抱くようにしていた。


 俺は自分のコートを脱いで、美優の肩にかぶせる。


「!」


 少し驚いたような顔をした美優も次にはコートの袖に腕を通していた。


「……ありがと」


 消え入りそうな声だったがそう言ったのは間違いなかった。
















 「面白かった」

「ああ。ちょっと想定外に面白かった」


 ショッピングモールの一角。喫茶店に俺と美優は着いていた。なお、美優は俺のコートが気に入ったらしく、顔をうずめるようにして着ている。


 映画はそれぞれの要素が互いに良さを出し合い、思いの外面白い仕上がりとなっていた。

 大当たりである。


 「ホットサンド、お待たせいたしました」


 店員さんが料理を運んで来てくれる。

 



 「………美優。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「………? 何?」


 俺はずっと気になっていた先日の保健室エスケープ事件を美優に説明した。



「はぁ。なんであんたはそんなトラブルに巻き込まれやすいのよ」

「うっ………そんなこと言われても」


 美優は俺の話を聞くと、苦笑いしながらそんな事を言った。

 

 そして、ふぅと一つため息をつくと、少し真剣な顔になって言った。


「中島綾乃さん。2年C組。私たちと同じ学年よ。」

「同じ学年………」


「うん。それでね………中島さん、私たちより一つ年上なんだよ」

「……え、留年してるってこと?」

「そう。彼女、あんな感じで病気がちでしょ。出席足りなかったみたい」


 そうか。そんな事情があったのか。


「それで、どうやら中島さん。あんまりクラスに馴染めてないみたい」


 分かる気がするな。クラスの人は自分より1個年上の人との接し方に戸惑っているのだろう。

 でも、まだ4月だし、これから状況はいくらでも改善されるだろう。




「ん……ありがと、美優」

 

 俺は美優にお礼を言うと、立ち上がった。


「じゃ、買い物に行くか!」

「うん!」


 

 

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