最強の裏ボス(予定)が、Luck1のせいで地域密着型の超ホワイトレジャー施設を経営する羽目になった件
春のチャレンジとして短編を1つ投稿します!
裏ボスに憧れる中2病な男が主人公です。
諸君、ご機嫌よう。
私の名は「ラヴォ・スー」。将来この国の裏ボスとなる存在だ。
以前の私は日本に住むRPGオタクだった。
最後のファンタジー、ドラゴンの問題、テイルーズオブシリーズ……近年だとメガミの仮面も初代〜5までやり込んでいる。
やり込み……ああ何て素晴らしい響きだろうか!
私が特に好きなのは『裏ボス』攻略だった。
理不尽なダンジョンの仕掛け、即死トラップ、ボスの異常なステータス……。
エリザーベスとかエースタークとかアイテムなんぞ使ってんじゃねぇオジサンとか……。理不尽ともいえる設定に心を打たれたものだ。
だがある日、異世界転生あるあるの死に方(ゲーム攻略に寝る間も惜しんでエナドリがぶ飲み)をしてしまい、気がついたらあるあるな神様が眼の前に立っていた。
そこで私は神へこう頼んだのだ。
『神よ!私は世界を救う勇者にはならず、世界を救った勇者のやり込み要素となる裏ボスとなりたい!そのため、「最強に近いけどちゃんと倒せるくらいのステータス」、「理不尽な威力の初期魔法」、「ダンジョンマスターとしての資格」を与えてほしい!』
と。
私の熱いプレゼンに、神様は半ば呆れた顔で指をパチンと鳴らし天恵を授けたのだ。
「……わかったわかった。君の言う『裏ボスの適正』、すべて授けよう。存分に勇者を絶望させなさい」
そうして私は異世界へ送り出された。
そして脳内に響くシステムメッセージ。
【スキル:初級魔法(威力900固定)を習得しました】
【スキル:ダンジョントラップ作成を習得しました】
【称号:秘密基地作り……あ、間違えた。裏ボス(予定)を授与しました】
ククク……勝った!これで私は、歴史に名を刻む「最凶の裏ボス」となるのだ。
……と、この時の私は勝ち誇っていたのである。
――――
だが、現実というのはそれほど甘くはなかった。
魔法は「理不尽な威力」で固定されているから火力調整が難しい(一応トラップとの組み合わせで調整可)。
ダンジョントラップ作成は一通り作れるが妙に「私が生きていた頃を思い出す」というかなんというか……。
ステータスは……まぁ及第点だな。Luck1なのが気になるが。
……というかLuckの低さはありえないだろうが!せめてあと10は欲しかったぞ!神様バグってんじゃねーのか!?
……ふぅ、失礼。取り乱した。裏ボスたるもの、常に冷静沈着、優雅であるべきだったな。Luckが1なのもきっと私への試練。神が与えたハードモードなのだろう。……ククク、望むところだ。
「いいだろう、私は勇者を苦しめる隠しダンジョンを作り、裏ボスとして世界を掌握しようではないか!フフフ……フハハハ……ハーッハッハッハ!!」
こうして、私の『華麗なる裏ボス計画』が始まったのである。
――――
裏ボスとしてのステータスは完成されているから隠しダンジョンだな。
私の美学として、隠しダンジョンというものは、
①序盤の町から少し行った場所にある
②ひっそりと佇んでおり、序盤は近づいてはいけない雰囲気
③トラップは理不尽な物が多く、即死トラップが必ず設置してある
を信条としている。
ということで、まずは場所決めだな。
「空き家探しはニミニミへ」ってやつだ。
――色々旅をした結果、モチモチしたスライムやぷぅぷぅ鳴く一角兎がたくさん居る森にひっそりとあった廃墟に決定した。
この世界の下級魔物って……何か、かわいいな。フフ。玉座で飼おうっと。
「……さて。隠しダンジョンとはいえ、誰にも見つからなければただの『空き家』だ。勇者が気づき、かつ恐怖を覚える……そんな高貴な入り口を作らねばならぬ」
そうして出来上がったのが、『7色に輝くゲートアーチ』と『ド派手な回転看板』である。
本来は隠密魔法をかけるつもりだったのだが、Luckの低さゆえか、魔法回路が逆流して『全方位への発光』仕様になってしまったのだ。
遠目から見れば愛を育みそうな施設の入口、近くで見ればジャンジャンバリバリと玉を出しそうな施設だが……それを見て私は満足げに口角を上げた。
「……完璧だ。これならば、どれほど愚鈍な勇者でも、この『深淵への入り口』に気づかぬはずがなかろう。自分自身の才に惚れ惚れしてしまうな……!」
「わぁー! 見て見て! 森の中に新しい遊園地ができてる!」
「おーい! おじちゃーん! ここ、何時から開くのー?」
……絶句。
私の『深淵への入り口』を指さし、泥だらけの手を振るガキ共。
違う。そこは勇者が絶望と共に足を踏み入れる死の門だ。
順番待ちの列を作るんじゃない。あと私はお兄さんだ!
一応まだ準備中であること、完成したら改めて告知することを伝えた。
工事中だからな。勝手に入って怪我されたらたまったもんじゃない。……夜も光っているからせめて工事中は光を抑えておこう……。あと騒音対策の魔法もかけておこう。
裏ボスたるものご近所付き合いは大切にせねばな!
とりあえず手持ちの回復アイテム(HP微回復)を詫びとして渡しておこう。
――――
さて、中の方に取り掛かるとするか。
実は理想の構造は決めている。4つのエリアで石版を集め、エントランスにあるくぼみに正しい位置で石版をはめることで玉座の間に着ける、という構造だ。(毎回正解位置はランダムにしておこう)
「フッ、石版を4つ集めねばならぬという絶望。……だが、それを抱えて徒歩で戻らせるのは、流石に『お使いゲー』が過ぎる。そんなものはただの苦行、エンターテインメントではないからな」
私は漆黒のマントを翻し、複雑な魔法陣を床に刻み込む。
「……良し。石版を入手した瞬間、エントランスへ直通する帰還魔法が自動発動するようにしたぞ。タイパは大事だからな。フッ、裏ボスの慈悲に咽び泣くがいい!」
――――
いよいよダンジョンのメインである4つのエリアに取り掛かるぞ。
まずは1つ目。『煉獄の火柱 (バーニングストーム)』だ。
侵入者を一瞬で炭化させる火柱……を設置するはずだったが。
「……いや待て。あいつら(ガキ共)、工事中って伝えたけど絶対あとで勝手に忍び込んでくるぞ。あんな落ち着きのない動きでここを通ったら、マジで落ちる。死なれたら、私の『裏ボスとして君臨する計画』が、ただの『近所の事故物件オーナー』に成り下がってしまうではないか!」
私は渋々、ダンジョントラップのスキルを発動させる。
「……チッ、仕方ない。万が一のために、下に威力を殺す衝撃吸収ネットを敷いておくか。……ついでに、火柱の温度も『マシュマロがちょうど良く焼ける程度』に調整しておくか。……火傷されたら、親がうるさいからな……!」
――――
2つ目は『氷冥の激流迷路 (アビス・フロウ)』。複雑に絡み合う水流に、侵入者は抗う術もなく溺れ、絶望の中で迷い続けるのだ……!
……だが、私は設計図を引き直す。
待てよ……?もし勇者や仲間の中に泳げないやつがいたらどうする……?しかもあいつらが侵入して誤って溺死なんてさせたら……。平穏な裏ボス生活は破綻する!
「ここは裏ボスの情けだ、外に飛び出さないように半透明の魔法パイプで全体を覆っておきつつ、少しだけ隙間を作ってRTA走者にも優しい仕様にしてやるか。……ついでに、水流の勢いも控えめにしておこう。その分、高低差をガッツリつけて、『死の落下感』だけは味わわせてやる……! 泣いて命乞いをするがいい!」
――――
3つ目は『虚無を呼ぶ嵐 (ヴォイド・テンペスト)』。風に触れた瞬間、出口の見えない暴風の渦に巻き込まれ、永遠に彷徨い続けるのだ……!
……いや待て?あいつら、暴風に巻き込まれて迷子になったら、夕飯の時間までに家に帰れなくなるではないか!?それでもし夕飯抜きとかになったら……!私のダンジョンのせいと言われ石を投げつけられるかもしれない……。
「フン、仕方ない。裏ボスの温情だ、確実に入口まで戻れる『安全な風の道』を整備してやろう。……だが、ただ戻すだけでは裏ボスの名が廃る。ここは1つ、知恵を絞らせよう。……近くに『特殊な重り(石ころ)』を置いておいてやる。……これを持って歩けば風に飛ばされない、という単純な謎解きだ。一応少し色を変えてっと……。フッ、私の用意したこの高度なギミック、果たして見抜けるかな……?」
――――
そして4つ目!雷魔法の仕掛けがメインとなる『雷鳴の迷宮 (サンダー・ラビリンス)』……通称、『極限のイライラ棒』である! 石版が入っている宝箱の鍵を壁に触れさせず、最深部まで運んでみせろ。1度でも触れれば、天からの裁きが貴様を焼く……!
——だが、私は再び魔法の回路をいじり始めた。
……もし勇者一行が来る前にガチの落雷を落としたら、それこそ明日の朝刊に『不審な男の私有地で……』と社会問題になってしまう。転生者として、BPOやコンプラには屈したくないが、『コンプラー!』と叫ばれて追放されるのはもっと嫌だな……
「……裏ボスの最後の情けだ。雷の威力は……そうだな、某朝のバラエティ番組で芸人が椅子から転げ落ちる程度の、『リアクションは取れるが怪我はしないビリビリ』に設定しておいてやろう。……さあ、悶絶するがいい!」
――――
4つのエリア、その最深部には私の眷属……中ボスを配置せねばならぬ。
本来なら侵入者の肉を食らい、魂を削る凶悪な魔獣を置くべきだが……。
……いや待て。あいつら、最近『おっきなワンワン(※ケルベロス)に吠えられて泣いちゃった』とか言ってたな。……飼い主である私がしっかりと飼わなければ、近所の主婦層から『治安が悪い』と署名活動が始まりかねんな。
私は頭を抱え、魔物たちに厳命を下した。
「……いいか、貴様ら。今からお前たちは『試練の番人』だ。侵入者が来たら、まずは威厳たっぷりに『ここを通りたくば、我を倒してみせよ』と告げるのだ。……いいな、その後は一切の武力を禁ずる!」
それを聞いた魔物たちは一瞬「えー……」と声に出した。
だが私の魔法「支配の目」で反逆を許さない。
「……代わりに、『死の運試し(ジャンケン三本勝負)』や『運命の選択』など『運』が絡む勝負で勝敗を決めるのだ!負けたら素直に石版を渡せ。……あ、お菓子を詰めた袋も一緒に渡してやるのを忘れるな!……フッ、勝負の後の甘い罠……これぞ裏ボスの狡猾な策略よ!」
――――
「……ふむ。外観を整え、中身も(安全面に)万全を期した。だが、万が一これを見つけた勇者が『無許可の不法建築だ!』と騒ぎ出し、国家権力によって取り壊されては目も当てられん」
私は漆黒のローブを纏い、威厳たっぷりに(ただし書類の不備がないよう3回チェックして)地元の役場へと向かった。
「……役人よ、聞け。街外れの森に『遊戯施設』を建設した。その名も……『深淵の審判』! ……あ、種別は『体験型アスレチック兼・簡易保養所』で登録しておいてくれ」
……フフ、これで法的な隙もなくなったぞ!
さらに私は、街の掲示板に宣伝ポスターを貼り出した。最初に「改めて告知を出す」とガキ共に伝えているからな。
正体がバレぬよう、文言は徹底的にぼかしたつもりだ。
【 ★☆ 勇者求む! ☆★ 】
『君の勇気が試される! 4つの石版を集め、伝説の魔物へ挑戦しろ!豪華景品が君を待っている』
『※無料送迎(帰還魔法)あり / お子様連れ大歓迎 / マシュマロ焼き体験実施中』
「……ククク、完璧だ。これなら『裏ボスを倒して最強の武器を手に入れたい』という血気盛んな勇者が、涎を垂らして食いつくはずだ……!」
念のためチラシも私手ずから渡しオープンまで宣伝を続けた。当然だ。私の顔は人間態のモブ魔物だからな!警戒されることなく受け取っていたぞ!
――――
オープン前夜。私はダンジョン最深部の広間に全従業員を集め、最後の訓示を行った。
「いいか、明日からは実戦だ。一瞬の油断も許されぬ。……特にお菓子袋の詰め忘れは死罪に値すると思え! ――全力で、遊んでやれ!!」
私の眼が紅く輝き、魔法『支配の目』が場を支配する。
「「「イエス! ユア・ラヴォ・スー!!」」」
「「「わんわん!」」」
完璧な規律だ。これならどんな熟練の勇者が来ても、最高級の絶望でもてなせる。
――――
そして当日。
私は玉座の間で遠隔投影魔法を発動させた。
「……おお! 何だこの人だかりは……! 素晴らしいではないか! 私の『深淵の審判』をこれほど多くの者が待ち望んでいたとは!」
モニターに映るのは、森を埋め尽くさんばかりの行列。
「おじちゃーん! 約束通り来たよー!」
「ほら、あんたたち大人しく並びなさい! ラヴォさんの迷惑になるでしょ!」
「ねえ、あそこで焼けるマシュマロ、最高級のギルド認定品なんですって?」
宣伝の効果が出ているではないか!素晴らしい!
「カタカタ(こちら最後尾でーす)」
「カタカタカタカ(順番待ちの方のトイレはあちらでーす)」
骸骨人間共の動きも見事だ。腕利きの魔物使いに「接客や順番捌きの教育を依頼するにはどうしたら良いか」訊いておいてよかった。変な顔をされたが親身になってアドバイスしてくれたしな。
「うわー可愛い!アルちゃんシールだー!」
私の呪い(ノベルティ)も効いているな!マスコットのアルちゃん(飼い始めた一角兎)はゆるゆるキャラ総選挙でも上位にランキングするぞ……!
私は遠隔投影魔法のチャンネルを切り替え、各エリアの戦況(満足度)を確認する。
「……良し。マシュマロは3個制限で正解だった。欲張ったガキが喉を詰まらせては、私の『華麗なる裏ボス計画』に傷がつくからな。……ふむ、次は地元の製菓ギルドと提携して、専用のクッキーを卸しスモアを作らせるか。……ククク、地域経済まで私の支配下に置いてくれるわ!!」
モニターの中では、火柱の横でマシュマロを突き出し、「アチチッ、でも美味しい!」と燥ぐ子どもたちの姿が見えた。
「……ほう。『氷冥の激流迷路』で濡れた服を、『虚無を呼ぶ嵐』の心地よい送風で乾かすとは。……まさか私のトラップが『衣類乾燥機』として活用されるとはな。裏ボスである私にこれほどの連携を見せつけるとは、あのアマチュア勇者(主婦層)、侮れん……!」
モニターの端では、雷のビリビリに悶絶しながらも笑顔でピースサインを出すガキ共が映っている。
「……良し。リアクションも上々。怪我人もゼロ。……ふむ、ショトカ(ショートカット)を見抜くとは、なかなかのゲーマーがいるようだな。……さあ、いよいよ本丸だ。私の待つ玉座まで、その『タイパ至上主義』を貫いてみせよ!!」
――――
……そして、ついに私の元へ勇者が現れた。
ズゴゴゴ……と、重厚な石の扉がゆっくりと開く。
私は玉座に深く沈み込み、逆光の中でアセロラジュースが入ったワイングラスを傾けた。
「ククク……よくぞここまで辿り着いたな、小さき勇者ども。我が深淵の迷宮を突破し、この玉座の間に足を踏み入れるとは……。褒めてつかわ――」
「あ! おじちゃーん! きたよー!」
「マシュマロ、おかわりないのー?」
私は盛大にズッコケそうになったが、何とか踏ん張った。
「……ぐっ。……いいか、貴様ら。私はおじちゃんではない! 『お兄さん』だ! 前世……いや、現世でもまだ心は20代のピチピチなのだぞ! 二度と間違えるな!」
「えー、だっておじちゃん、いつも酸っぱいジュース飲んで健康に気をつけてるじゃん」
「腰痛いって言ってたもんねー」
「……そ、それは低周波マッサージ(イライラ棒)のデバッグをしすぎただけで……! ええい、問答無用! 私を倒したくば、この最終審判を手に取るがいい!」
私は禍々しい(けど叩くと『キュッ!』と鳴る)ハンマーを差し出し、不敵に笑う。
「……さあ、私を思いっきり叩くがいい! その一撃が、私の数千年の野望を打ち砕くのだ!」
――パコーン!! パコーン!!
「やったー! お兄ちゃん(棒読み)倒したー!」
「僕も! おりゃー!」
次々と頭に振り下ろされる、容赦のない勇者のフルスイング。
「……ぐはぁっ!? な、なんと凄まじい一撃だ……。私の鉄壁の防御を貫き、魂にまで響くとは……。ああ……これが、これが『討伐される』ということか……!」
――――
「……ふぅ。さらばだ、小さき勇者たちよ。明日はさらなる『絶望』を用意して待っているぞ……」
嵐のような「討伐」が終わり、夕暮れ時の玉座の間。
私はボコボコに凹んだ兜を傍らに置き、疲れ果てた体を玉座に預けた。
「……あいたた。ステータスはほぼカンストしているが、自動回復がなければ今頃肉の塊になっていたな。……だが、それでいい。私はこの世界の『裏ボス』。……誰よりも体を張り、誰よりも強固な壁として立ちはだかるのが、私の『お仕事』なのだからな」
私は震える手で羊皮紙でできた収支報告書を引き寄せた。
「……さて。今日の収支の確認をするとしよう……どれどれ」
■本日の収支報告
・総売上:+12,500ゴールド
(※お土産のアルちゃんキーホルダー完売、ワンデー保険加入率98%、追加マシュマロ販売による利益)
・営業利益:+5,800ゴールド
(広告宣伝費、維持費を差し引いても大幅な黒字を達成)
■エリア別 突破率(集客データ)
『煉獄の火柱』:突破率100%
(※全員がマシュマロの誘惑に屈し、滞留時間が想定の3倍に。次エリアの混雑緩和に大きく貢献)
『氷冥の激流迷路』:突破率100%
(※スライダーの爽快感が好評。主婦層から「洗濯物の予洗いにいいわね」との謎の評価)
『虚無を呼ぶ嵐』:突破率100%
(※水の間とのコンボ成功。待ち時間ゼロで衣類乾燥を完遂。顧客満足度NO.1)
『雷鳴の迷宮』:突破率85%
(※あまりの心地よさに、3名ほどが「動きたくない」と停滞。要・時間制限の導入)
■損傷箇所・修繕計画
・玉座の間: 私の兜がピコハンにより著しく変形。要・新調。
・備品: ピコハン3本が激戦により「キュッ!」と鳴らなくなる。廃棄。
・精神面: 私への「おじちゃん」という呼称ダメージ。……要・メンタルケア(アセロラジュースの増量)。
「……ククク、悪くない。未就学児無料の撒き餌が効いて、お土産コーナーへの誘導も完璧だ。……明日はさらに『焼き菓子』を追加し、客単価を20%向上させてくれるわ!!」
私は満足げに鼻を鳴らし、ようやく最後の一口となったぬるいジュースを飲み干した。
――――
――その様子を、雲の上から眺めている存在がいた。
「……あ」
ポテチを片手に下界を覗き見していた神様が、ふと操作パネルの手元を見て固まる。
「……やべ。あいつのLuck値、設定ミスって1にしちゃってた。他のステータスは『最強の裏ボス』として完璧に振ったのに。……これじゃ、まともに認識魔法も発動しないし、全部裏目に出ちゃうじゃん……。あちゃー、悪いことしちゃったかなぁ」
神様は申し訳なさそうに頭を掻いたが、画面の中で満足気にアセロラジュース(完飲)を掲げるラヴォと、笑顔で帰る子どもたちの姿を見て、ふっと表情を緩めた。
「……ま、いっか。あいつ、前世じゃエナドリ片手に眉間にシワ寄せてゲームしてたし。あんなに楽しそうに笑ってるなら、これが正解ってことで!」
神様はポテチの粉を払い、設定画面を閉じた。
「オール・ハイル・ラヴォ・スー! ……なんてね」
いかがでしたかー?
序盤のパロディ元の作品はみんなわかる……わかるよね!?大丈夫だよね!
あと、ラヴォ・スーは「裏ボス」です。まんまですね。
キャラ付けはどこかの反逆しそうな主人公です。
というか、魔法とかセリフがね、パロディ元をね。
普段は
「氷の令嬢は超がつくほどお人好し」を毎日12時に
「万物の聴手と異世界のガラクタ」を1日おきの18時に
投稿しています!
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