あっちゃんは、小学校の低学年でした。
あっちゃんは、大好きなお母さんに心配かけたくないから学校のことは一切、話しませんでした。
あっちゃんが家に帰るとお母さんが内職をしていたので学校から帰ると、ランドセルを置いて、学童保育へ通っていました。甘えたくても甘えられませんでした。
その当時、お母さんが家で内職するのは珍しくありませんでした。
コードを巻いたり電子部品を組み立てたり、子供ながらに手伝うつもりが、ただじゃましていました。
学童保育は、あっちゃんの住んでいる団地の中の集会所にありました。
学校が終わった小学生の子供を夕方まで、預かってくれるところです。女の先生が2人いて、二人とも近所の団地に住んでいて、とても優しい先生で大好きでした。先生の小学生のお子さんも通っていました。そこで、年が違うけれどみんなと仲良くなりました。
あっちゃんは、そこで初めて絵本を読みました。
今までみたことのない、かわいい外国の絵は、いっばい夢を見せてくれました。辛いことや嫌なことを少しだけ忘れさせてくれます。
あっちゃんは、何度も何度も絵本を読みかえしました。たくさんの夢を膨らませていました。当時では珍しい小さなトランポリンがありました。
その当時は、とてもとても貴重なものでした。
みんなで順番に遊びました。
17時を過ぎると、みんなおうちに帰っていきます。
お母ちゃんは、夕はんの支度を始めています。
お母ちゃんの煮物の匂いが、家に近づくにつれしてきます。お母ちゃん、ただいま。




