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本日の『遭難者』（その六）

　おばけ屋敷（やしき）のモニタールームに、キョータローからの連絡（れんらく）がある。

「六番（ろくばん）です。七番（ななばん）と交替（こうたい）しました」

　兜（かぶと）をかぶったゾンビの「梅（ばい）雄（お）」は、

「こちら本部（ほんぶ）。了解（りょうかい）した」

　そのあと自分（じぶん）の正面（しょうめん）にあるモニターを見（み）ながら、

「本部（ほんぶ）から七番（ななばん）へ。『遭難者（そうなんしゃ）』がいるのは、【Ｃ－４区画（くかく）】だ。かなり危険（きけん）な状態（じょうたい）だと思（おも）われる」

　モニターには、おばけ屋敷（やしき）の地図（ちず）が表示（ひょうじ）されていた。【Ｃ－４区画（くかく）】の地図（ちず）だ。

　黄色（きいろ）く光（ひか）っている点（てん）が『遭難者（そうなんしゃ）』で、そこへと向（む）かう赤（あか）い線（せん）が「救助（きゅうじょ）ルート」である。

「七番（ななばん）は二番（にばん）と合流（ごうりゅう）して、『遭難者（そうなんしゃ）』の救助（きゅうじょ）をたのむ」

　それから「梅（ばい）雄（お）」は、あることに気（き）づく。

（いけない、いけない。これをするのを忘（わす）れていた）

　キーボードの横（よこ）には、いくつかのボタン。その中（なか）から、赤（あか）いボタンの一（ひと）つを押（お）した。