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ステータスウインドウ無双。異世界で最もスマートな使い方  作者: うーぱー
第11章:世界の危機! 邪悪なる陰謀が進んでいた!
70/74

70話。地下通路を進んだ先の部屋に、悪の親玉がいた

 扉の先は、通路だった。

 レンガか陶器らしきタイルか石か分からないけど、舗装されている。

 随分と古いように見える。


 壁面には悪魔か何かをかたどった燭台があり、魔法道具らしきたいまつがある。常に明るいのだろうか?


(屋敷の地下室か?)


「ゲギャッ!」


 すぐ横にゴブリンがいた。俺に気づいて剣を構えようとしている。


「くっ! 気絶チョップ!」


 ドスッ!


 俺はモブキャラを物語から追放するための便利技を喰らわせた。


 しかし、扉の反対側にももうひとりゴブリンがいたらしい。

 そいつが槍で突いてきた。


「死ね!」


 シュッ!


 いきなり「死ね!」かよ。


 俺は槍を避けてそいつの背後に回りこむ。


「残像だ」


 一度は言ってみたい台詞を口にしながら気絶チョップを喰らわせた。


「なんでこんな所にゴブリンが……。扉の見張りか?」


 俺は改めて周囲を観察する。


 扉の位置関係と通路の長さから、かつての自宅の地下通路の構造を重ねていく。

 しかし、ここがどこかは分からない。


(うちの地下ではないのか? まあいい。適当に捜索するか。と、その前に)


 俺はまた地下通路の扉を軽くノックする。


「ちょっと戻るけど、驚かないでね」


「はい」


 俺は扉を開けて、そこにゴブリンふたりを放りこんでから自分も出る。


「ほんと、ごめん。すぐ帰ってきて、驚かせたかな」


「いえ」


 俺はまた壁に穴を掘ってゴブリンをはめた。


「こいつらが意識を取り戻して、もう悪さはしない出してくれとか苦しいとか言っても無視してね。出したら絶対に襲ってくるから、何があっても信じちゃ駄目」


「分かりました」


「ボコったり罵ったりしてもいいけど、世の中にはそれで喜ぶ変態もいるから気をつけてね」


「じゃあ、どうしたら……」


「いや、まあ、静かにしたりいきなり耳元で叫んだり、こいつらの見えないところで何かしらの音を鳴らしたりして恐怖を与えるといいかも」


「分かりましたワン!」


 この子はひとりにしても大丈夫。そう確信して俺は再び、地下室側の通路へと戻った。


 さて。どうすっか。


 正面は大きい扉があって、通路の長さを考慮すると、かなりデカい部屋かもしれない。

 なら後回しだ。右手側の行き止まりにある部屋から確かめよう。


 俺は通路の右奥に向かった。


 さて。どうやって入ろう。

 ゴロツキのフリしてノックする?

 いきなり開ける?


 向こうがどうなっているか分からないから、どうしたら良いか分からないな。


 現代知識に頼るか。

 アメリカの特殊部隊って突入するときってどうしているっけ。


 えーっと。

 閃光手榴弾フラッシュ・グレネードを投げて室内の敵を無力化してから突入だな。


 閃光手榴弾フラッシュ・グレネードなんてないが、俺には、これがある!


「一瞬…!!

 だけど…

 閃光のように……!!!」


 俺はドアの向こう側30センチくらいの位置に、ステータスウインドウボールを出力最大で出現させた。


「ぎゃああああああああああああああっ! 目が! 目がああああああああああああああっ!」


 屋内から男の悲鳴が聞こえる。数は少ない。というか、ひとりだけか?


 部屋の中にいるのが、捕まっているだけの無実の人の可能性もあるけど、まあ仕方ない。


 俺は扉を押して、室内に入る。


 室内は地下のわりに快適そうな空間だった。

 左手の壁はタペストリーが掛けられていて、地下らしさがない。

 右手の壁は見たことのないモンスターの頭部標本ハンティング・トロフィーが掛けてある。

 天井には空の絵が描いてある。

 正面側には暖炉がある。

 床には赤い絨毯が敷かれている。


 部屋の中央にはテーブルがあり、チェスボードや、ワインの瓶やグラスが置いてある。

 チェスボードにコマが置いてある。ひとりで遊んでいたのか?


 テーブルを挟んでソファがあり、その前にひとりの男が目を押さえてうずくまっている。


 人質部屋でも下っ端の部屋でもない。


 というか、倒れている男の高そうな服や、小太りな体格や、髪型や色に見覚えがある。


 まさか、いきなり、当たりを引いてしまったか?


「う、うぐぐ……。いったい、なにが……」


 さっきは部屋の外からだったから悲鳴を聞いても分からなかったが、声にも聞き覚えがある。


「お、親父なのか……?」


「……?! そ、その声、まっ、まさか、イーサー! お前なのか?! イーサー!」


「違う!」


「な、なら、ウーサー!」


「誰だよ! 浮気相手の子か?! 召使いを孕ませたのか?!」


「エーサー? オーサー?」


「どんだけいるんだよ!」


「ち、違うのか……。……ッ! ま、まさか……。お前なのか? 生きていたのか! あの、牛頭巨人(ミノタウロス)の襲撃から!」


「お前視点だと俺が食い殺されたことになっていたのか? そうだよ。そのまさかだよ」


「お、おお……。よくぞ生きていてくれた……」


「はっ。テメエからそんな言葉が聞けるとはな」


「カーサー、てっきり死んだとばかり……!」


「誰だよ!」


 男が立ち上がる。


 やはり、俺の親父、スボスラ・ザマーサレルクーズだ。


 扉の先は、通路だった。

 レンガか陶器らしきタイルか石か分からないけど、舗装されている。

 随分と古いように見える。


 壁面には悪魔か何かをかたどった燭台があり、魔法道具らしきたいまつがある。常に明るいのだろうか?


(屋敷の地下室か?)


「ゲギャッ!」


 すぐ横にゴブリンがいた。俺に気づいて剣を構えようとしている。


「くっ! 気絶チョップ!」


 ドスッ!


 俺はモブキャラを物語から追放するための便利技を喰らわせた。


 しかし、扉の反対側にももうひとりゴブリンがいたらしい。

 そいつが槍で突いてきた。


「死ね!」


 シュッ!


 いきなり「死ね!」かよ。


 俺は槍を避けてそいつの背後に回りこむ。


「残像だ」


 一度は言ってみたい台詞を口にしながら気絶チョップを喰らわせた。


「なんでこんな所にゴブリンが……。扉の見張りか?」


 俺は改めて周囲を観察する。


 扉の位置関係と通路の長さから、かつての自宅の地下通路の構造を重ねていく。

 しかし、ここがどこかは分からない。


(うちの地下ではないのか? まあいい。適当に捜索するか。と、その前に)


 俺はまた地下通路の扉を軽くノックする。


「ちょっと戻るけど、驚かないでね」


「はい」


 俺は扉を開けて、そこにゴブリンふたりを放りこんでから自分も出る。


「ほんと、ごめん。すぐ帰ってきて、驚かせたかな」


「いえ」


 俺はまた壁に穴を掘ってゴブリンをはめた。


「こいつらが意識を取り戻して、もう悪さはしない出してくれとか苦しいとか言っても無視してね。出したら絶対に襲ってくるから、何があっても信じちゃ駄目」


「分かりました」


「ボコったり罵ったりしてもいいけど、世の中にはそれで喜ぶ変態もいるから気をつけてね」


「じゃあ、どうしたら……」


「いや、まあ、静かにしたりいきなり耳元で叫んだり、こいつらの見えないところで何かしらの音を鳴らしたりして恐怖を与えるといいかも」


「分かりましたワン!」


 この子はひとりにしても大丈夫。そう確信して俺は再び、地下室側の通路へと戻った。


 さて。どうすっか。


 正面は大きい扉があって、通路の長さを考慮すると、かなりデカい部屋かもしれない。

 なら後回しだ。右手側の行き止まりにある部屋から確かめよう。


 俺は通路の右奥に向かった。


 さて。どうやって入ろう。

 ゴロツキのフリしてノックする?

 いきなり開ける?


 向こうがどうなっているか分からないから、どうしたら良いか分からないな。


 現代知識に頼るか。

 アメリカの特殊部隊って突入するときってどうしているっけ。


 えーっと。

 閃光手榴弾フラッシュ・グレネードを投げて室内の敵を無力化してから突入だな。


 閃光手榴弾フラッシュ・グレネードなんてないが、俺には、これがある!


「一瞬…!!

 だけど…

 閃光のように……!!!」


 俺はドアの向こう側30センチくらいの位置に、ステータスウインドウボールを出力最大で出現させた。


「ぎゃああああああああああああああっ! 目が! 目がああああああああああああああっ!」


 屋内から男の悲鳴が聞こえる。数は少ない。というか、ひとりだけか?


 部屋の中にいるのが、捕まっているだけの無実の人の可能性もあるけど、まあ仕方ない。


 俺は扉を押して、室内に入る。


 室内は地下のわりに快適そうな空間だった。

 左手の壁はタペストリーが掛けられていて、地下らしさがない。

 右手の壁は見たことのないモンスターの頭部標本ハンティング・トロフィーが掛けてある。

 天井には空の絵が描いてある。

 正面側には暖炉がある。

 床には赤い絨毯が敷かれている。


 部屋の中央にはテーブルがあり、チェスボードや、ワインの瓶やグラスが置いてある。

 チェスボードにコマが置いてある。ひとりで遊んでいたのか?


 テーブルを挟んでソファがあり、その前にひとりの男が目を押さえてうずくまっている。


 人質部屋でも下っ端の部屋でもない。


 というか、倒れている男の高そうな服や、小太りな体格や、髪型や色に見覚えがある。


 まさか、いきなり、当たりを引いてしまったか?


「う、うぐぐ……。いったい、なにが……」


 さっきは部屋の外からだったから悲鳴を聞いても分からなかったが、声にも聞き覚えがある。


「お、親父なのか……?」


「……?! そ、その声、まっ、まさか、イーサー! お前なのか?! イーサー!」


「違う!」


「な、なら、ウーサー!」


「誰だよ! 浮気相手の子か?! 召使いを孕ませたのか?!」


「エーサー? オーサー?」


「どんだけいるんだよ!」


「ち、違うのか……。……ッ! ま、まさか……。お前なのか? 生きていたのか! あの、牛頭巨人(ミノタウロス)の襲撃から!」


「お前視点だと俺が食い殺されたことになっていたのか? そうだよ。そのまさかだよ」


「お、おお……。よくぞ生きていてくれた……」


「はっ。テメエからそんな言葉が聞けるとはな」


「カーサー、てっきり死んだとばかり……!」


「誰だよ!」


 男が立ち上がる。


 やはり、俺の親父、スボスラ・ザマーサレルクーズだ。

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