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ステータスウインドウ無双。異世界で最もスマートな使い方  作者: うーぱー
第7章:近隣の村で悪徳商人をざまぁする
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39話。ステータスウインドウを工夫すれば双眼鏡になるのでは?

 さて。

 古物商ざまぁ計画のために俺はひとっ走りして村の外にいるサフィと交代だ。

 サフィに村に行ってもらい、俺が馬の面倒を見る。


 馬は賢いから、勝手にどこかに行かないとは思うが、野良モンスターに驚いてどこかに逃げしまうかもしれない。住み慣れた厩舎の近くなら帰ってくるが、初めての土地で主の元に帰ってこられるとは限らない。


 旅慣れたブランシュ・ネージュなら大丈夫だろうが、俺の馬、特にブヒブヒ鳴くようになってしまったメルディは、どこかに行ってしまいそうだ。


「さて。困った。ことの顛末(てんまつ)が分からないぞ。うーん。メルディ。ちょっと前に来てくれ。このちょっと高くなっているところ。うん。そこ。ストップ。動くなよ。ちょっと乗せてくれ」


 俺は馬に乗り、目線を高くする。


「1階建てしかないから視界を遮る物がないし、古物商はここからでも見えるっちゃ見えるけど、遠くてよく見えないなあ。うーん。双眼鏡があればなあ。双眼鏡っていうか望遠鏡か。この世界にあるはずだけど、この村にはないよなあ……。ん? あれ? 望遠鏡や虫眼鏡って、ようするに、曲面のレンズだよな? 光を屈折できればいいわけで……。ステータスオープン!」


 俺はステータスウインドウを開き、フレームを目元に当てて覗く。


「あっ。駄目だ上手くいかない。ぼやける。フレームが駄目だったら、0で……」


 数値の0部分を覗いてみる。


「お。いけるか。でも像がブレるし、ぐにゃぐにゃで何を見ているのか分からない。くそっ。ステータスウインドウを望遠レンズにできるかと思ったが、さすがにそう上手くいかないか……。球体が必要だよな……。ステータスの詳細を表示して、伏せ字の●でも探すか? ん?」


 名前:アーサー


「あれ。この区切り文字、なんていうんだっけ。これを拡大したら……」



 ●

 ●



「球体だ! よし! ステータスウインドウを横に倒して」



 ●  ●



「これを目に当てて覗く! でっ! できた! サイズを調整してピントを合わせて……。うおおおっ! 完璧だ! 遠くが見える! 双眼鏡の完成だ!」


 もしかしてと思ったけど、こんなにも上手くいくとは思わなかったぜえ。


 ちょうどシャルロットとの打ち合わせを終えたサフィが、海竜の鱗を手にして古物商に入っていくところだ。

 頑張れサフィ。初めてのお使いだ。


 俺は窓から古物商の中を覗く。

 口の動きを読むことはできないが、なんとなく、想像しよう。


『こんにちみゃ!』


『あ? なんだガキ』


『これを買ってほしいみゃ』


『あーん? なんだこりゃ? 使える物だったら、壊れた馬具だろうが、釘だろうが、野菜屑だろうが、なんだって買ってやる。だがな、俺たちみたいな商売人が買わないものが2つある』


『みゃ?』


『貝殻と人骨だ。使い道がねえ。捨てて埋めるしかねえんだ。お前みたいなガキに言ったって分からねえだろうが、貝塚(かいづか)って言ってな、ドラゴンがその辺をうろちょろ歩いていたような大昔から貝殻は使い道がなくて捨ててたんだよ!』


『みゃあ……。鑑定してほしいみゃ。これは海竜の鱗みゃ』


『はあ? このクソガキが。そんな嘘に騙されると思うなよ! スキルを使うまでもなく、それはただの貝殻だ! 海竜の鱗なんてものは、俺がニュールンベージュで下積み修行してた頃だって一度も見たことがねえ貴重品だ。お前のような獣人のガキが手にしていいのもじゃねえんだよ!』


『旅の騎士から貰ったみゃ……。本物みゃ』


『はっ! その騎士に騙されたんだろうさ』


『お願いみゃ……。鑑定してほしいみゃ』


『あーはいはい。鑑定、鑑定っと。ただの貝殻だ。ほら、帰れ』


 店主はサフィの手元に一瞬視線を送っただけだ。


 そのタイミングでシャルロットが店に入ってきた。


『主人よ。買い取りを頼みたい』


『ほう。綺麗なお方だ。げへへっ。身につけている物でしたら、お高く買い取りますよ。げへへっ! 臭いや汗の染み付いた下着なんて最高ですね。いひーひひひっ』


『この盾だ。5オールにならないだろうか?』


 シャルロットは王家の紋章が描かれた盾の裏側を店主に見せる。


『ああ? んー。木製のゴシック型かぁ。5オール? 馬鹿言っちゃいけねえ。1オールだな。あんたのパンツがセットなら10オールだがな。うひーひひひひっ。はあはあ』


『そうか。では他のところに見てもらおう。邪魔したな。……ん? そこの獣人の少女。その手にしている物は?』


『みゃ?』


『見せてくれ。……これは! 海竜の鱗ではないか! 触れただけでも魔力が伝わってくる! これをどこで? 譲ってくれないか! 1オール! 金貨を1枚出す!』


『みゃ! 売るみゃ!』


『ありがとう! 1個しかないのかい? たくさんほしいのだが』


『みゃあ。1個しか持ってないみゃ』


『そうか。それは残念。私はしばらく、村の教会堂で世話になるつもりだ。もし同じ物を見つけたら持ってきてくれ』


「みゃあ! 探してくるみゃ!」


 ふたりが古物商から出てきた。


 ふたりが店の前を離れると、小屋から店主がこっそりと顔を出した。

 周囲をキョロキョロした後、走りだす。

 手には革袋を持っている。

 村はずれのゴミ捨て場に貝殻を拾いに行くのだろう。

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