表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第十八章 再オープンと不穏な影

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

222/230

第8話 ルリのお説教とある意味神回?

「ミルキー先輩、すごく楽しそうなのじゃが……今度は何を思いついたのじゃ?」

「ふふふ……瑛士くんが固まっている今がチャンスなのよ」


 音羽が不敵な笑い声をあげる中、不思議そうな顔をしたルリが聞き返す。


「たしかにご主人が固まっておるのじゃが……この状態を解除できる()()はあるのじゃろうな?」


 ルリの鋭い指摘を受け、楽しそうに笑っていた音羽の動きが一瞬で固まる。そして、露骨に顔を背けながら自信なさげに答える。


「ま、まあ……解除方法は知っているわ……うん、きっと大丈夫よ。たぶん……」

「その様子じゃと試したことはなさそうじゃのう?」

「いや、その……」


 言い淀む音羽を見て、深くため息を吐くと腕を組んで向き直るルリ。すると満面の笑みを浮かべて、声のトーンを一定に保ったまま話しかける。


「ミルキー先輩、ちゃんと解除できるんじゃな?」

「……たぶん……」

「よく聞こえなかったのじゃ。まさか『たぶん大丈夫』なんて、曖昧なことは言わないじゃろ?」

「あのね、ルリちゃん……話を聞いてほしいの……」


 必死に言い訳をしようとする音羽。腕を組んで彼女の様子をまっすぐ見つめていたルリが、今まで聞いたことのないような低い声を発する。


「ミルキー先輩、そこに正座するのじゃ」

「え? ルリちゃん……ものすごく怖いというか……」

「言われたらすぐにやるのじゃ。はい、正座するのじゃ」

「……はい」


 有無を言わせない圧を感じた音羽は、返事をするとその場に座り込む。


「まったく……新しいことを知って、試したくなるのはすごくわかるのじゃ。しかし、失敗しようものなら、取り返しのつかない事態もあり得るのう」

「おっしゃる通りでございます……」


 珍しくルリに説教される様子ももちろんライブ配信されており、リスナーたちもいつもと違う光景に盛り上がり始める。


 《チャットコメント》


『ルリ様のお怒りモード半端ねぇ……』

『こ、この圧は……我々信者にとってはご褒美です!』

『なんか普段のミルキーさんらしくないよね』

『ドジっ子なミルキーさん可愛すぎる!』


 次々とコメントが流れる中、ルリは大きなため息を吐いて音羽に話しかける。


「まあ、ミルキー先輩も十分反省しているようじゃし……さっさとご主人の拘束を解くとするかのう」

「ほんとごめんなさい……って、ルリちゃんは解き方を知っていたの?」


 落ち込んでいた音羽が驚いて顔を上げると、腕を組んだまま自信たっぷりに答えるルリ。


「ふふふ、当たり前じゃろうが! わらわに不可能などないのじゃ!」


 ルリの高笑いが玄関に響くと、リスナーたちのコメントも一層盛り上がり始める。


 《チャットコメント》


『さすがルリ様だ! 不可能を可能にするなんてすごすぎる!』

『神回確定じゃん!』

『うおぉぉ! 仕事さぼって見ていた甲斐があったw』

『ルリ様最高すぎる!』

『あれ? ご主人さんが固まっているのって演技じゃなくて、ガチなん?』


 次々とコメントが流れる中、いつの間にかスマホを取り出した音羽がルリに小声で問いかける。


「ルリちゃん……瑛士くんの異変に気が付いて視聴者がいるみたいよ……」

「なんじゃと? わらわの下僕に、鋭い観察眼の持ち主がおったのか!」


 言葉を聞いて感心したような声を上げるルリに対し、焦った顔で音羽が耳打ちをする。


「感心している場合じゃないわ……ルリちゃんが魔法を使えるってばれちゃうし、私も怪しまれちゃったら今後の活動に支障が出るわよ。しかも、この配信って飯島女史も見ているかもしれないし……」

「ふむ、たしかにアヤツが()()()()()()()はあるかもしれないのう」

 音羽の話を聞いていたルリが顎に手を当て、何かを考えるようなしぐさを見せる。

「のんきに考えている時間はないわ……何か手を打ったほうがいいんじゃない?」

「うーん、下手に何かをするというのはわざとらしいのじゃ。逆に堂々としていたほうが怪しまれないというものじゃ」

「で、でも……」


 返答を聞いて困惑する音羽に対し、右手を優しく肩に添えるルリ。そして、先ほどとは違い諭すように語り掛ける。


「ミルキー先輩、落ち着くのじゃ。いくら何でも何も考えず、大勢の前で魔法を披露するようなバカな真似をするわけがないのじゃ」

「へ? そうなの? だって、堂々としていれば問題ないって言っていなかった?」


 言っている意味が分からず、目を丸くして金魚のように口を動かしている音羽。彼女の様子を見ていたルリは、笑みを浮かべながら答える。


「あはは、音……いや、ミルキー先輩らしくないのう。良いか? わらわたちが何かを隠そうと取り繕うほうが怪しく見えるのじゃ。それならば、堂々と魔法を使った演出のようにしてしまえばいいのじゃよ」

「うん、まあ、言っている意味は理解できるけど……どうやって演出に見せるの?」

「そんなの簡単じゃぞ。ちょうど動かないご主人がいるではないか」


 ルリが視線を向けた先にいたのは、魔法によって固まって動かない瑛士。二人を交互に見て、ようやくその意図に気が付いた音羽が声を上げた。


「あー! そういうことね!」

「やっとわかってもらえたのじゃ。ご主人は下僕どもにとってもおもちゃみたいなもんじゃからな」


 ルリの意図に気が付いた音羽が急に笑い出した様子に、異変を感じ取ったリスナーのコメントが次々と書き込まれる。


 《チャットコメント》


『ミルキーさん、どうしちゃったんだろ?』

『さっきまでルリ様に怒られて落ち込んでいなかったっけ?』

『あの笑い方……何か仕掛けてくる気がするわ』

『ミルキーさんの復活祭が始まるぞ!』


 どんどん盛り上がり始めるリスナーたちの様子を見て、ルリと音羽が不敵な笑みを浮かべ始める。

 この後、拘束を解かれた瑛士が『みんなのおもちゃ』として末永く扱われることになるとは――まだ知る由もなかった。

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ