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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第十八章 再オープンと不穏な影

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第1話 謎の特別イベント招待状

 迷宮の再オープンの前日、朝日が差し込むリビングで荷物の最終確認をしていた瑛士。すると、普段なら絶対起きてこない人物が姿を現した。


「ご主人、おはようなのじゃ。早起きすると気持ちがいいのう」


 リビングの扉を開けて入ってきたのは、既に普段着に着替えてタブレットを持ったルリだった。


「ああ、おはよう……ってどういう風の吹き回しだよ? お前が早起きするなんて――明日は雪でも降るんじゃないか?」

「む? 失礼なことを言うのじゃな! わらわほど規則正しい生活をおくる人物はおらんのじゃ」

「……どの口が言っているんだよ」


 テーブルにタブレットを置くと胸を張って話すルリに対し、額に手を当てて大きなため息を吐く瑛士。


「なんじゃ? 文句があるのであれば言ってみるのじゃ」


 瑛士の様子を見て、ルリが不機嫌そうに聞き返すと彼は呆れた顔で話しかける。


「お前さ、規則正しい生活って意味をちゃんと理解しているのか?」

「当たり前じゃろう。よく食べ、よく遊び、よく寝る。これが基本なのじゃ」

「……間違ってないな……」

「うむ。自分の生活リズムを確立させ、同じルーティンをこなすことが重要なのじゃ」


 どや顔で返答するルリを見て、瑛士は大きく口を開けたまま固まってしまう。その様子を見て首をかしげながら彼女が聞き返す。


「なんで固まっておるのじゃ? こんなことは基本中の基本じゃぞ」

「あのさ……同じルーティンならなんでいつも寝る時間や起きる時間がバラバラなんだよ」

「わかっておらんのう。誰が決めたかわからん時間という概念に囚われているから、ダメなのじゃ」

「は? ちょっと言っている意味が分からないのですが?」

「やれやれ、困ったご主人じゃのう。良いか? 唯一無二の存在であるわらわを縛ろうなどできないのじゃ」


 豆鉄砲を食った鳩のような顔をしている瑛士を見て、呆れたように話を続けるルリ。


「やれやれ、もう数日前のことすら忘れてしまったのかのう」

「本当に何のことを言っているんだ?」

「わらわの下僕からご主人にも連絡がきたじゃろう。アーメドとかいうやつから」

「……ああ、来たな。どこかの国の王族とか言っていたヤツだろ……」

「うむ、ヤツが言っておったじゃろ? わらわはこの世界に誕生した新たな神じゃと」

「ちょっとまてー! それとこれとは違うだろうが!」


 言葉を聞いた瑛士の絶叫がリビングに響き渡る。しかし、その程度のツッコミでルリがひるむはずもなく、深く頷くと腕を組んで諭すように話し始める。


「ご主人が現実を受け入れられないのも、無理はないのじゃ。わらわが神となったのであれば、この先いろいろ大変じゃからのう」

「ちがーう! 少なくとも日本では神じゃないからな!」

「ふふふ、認めたくないとはまだまだじゃのう……よいか? 神という高貴な存在に国境など存在せんのじゃ」

「だーかーら、ルリはルリだろうが!」

「むう、なかなか強情じゃのう。早く認めたほうが楽になるぞ?」


 まったく話が通じないルリに頭を抱える瑛士だったが、ふとある考えに行き着く。そして口元を吊り上げると、胸を張っている彼女に話しかける。


「そうか、ルリは神様になったんだよな?」

「ふふふ、ようやく認める気になったのか。まったく困ったご主人なのじゃからのう」


 彼の言葉を聞いて深く頷きながら、答えるルリ。


「ああ、認めないといけないな。知らない間にそんな大変な称号を授かっていたなんて……俺もうれしいよ」

「そうじゃろ、そうじゃろ。これからはもっとわらわを褒め称えるがよいぞ」

「そうだな。これからは神様ということで、特別な食事を用意しないといけないな」

「うん……ん? それはどういうことじゃ?」


 急に奇妙なことを言い出した瑛士に対し、不思議そうに聞き返すルリ。


「いやいや。神様という存在になったのであれば、それなりの物を用意しないといけないと思ってな。ジャンクフードや甘味料たっぷりの食べ物なんてもってのほかだろ?」

「え……いや、それはなんか違うと思うのじゃが……」


 困惑するルリを無視するように瑛士はどんどん話を続ける。


「日本では神様にお供えするのは水とお米が多いからな。ちゃんと素材の味を生かしたものを用意しないといけない。そうなると、冷蔵庫の中にあるアイスは……どうしようか」

「ちょ、ちょっと待つのじゃ! アイスはわらわの宝物なのじゃ! 誰にも渡さないのじゃ」

「どうしたんだ? まさか……神というお方がアイスを独り占めするなんて言わないよな」

「そ、それは……で、でもわらわが購入したものじゃし……」


 涙目になり始めたルリが困惑している様子を見て、瑛士が助け舟を出そうとした時だった。リビングの扉が開くとパジャマ姿の音羽が現れる。口に手を当てると悲痛な表情で声を上げる。


「瑛士くん、見損なったわ……まさか神様と言われるルリちゃんを脅迫するなんて」

「げっ、音羽……ちょっと待て! なんで俺が脅迫していることになっているんだよ!」

「ルリちゃんのお供え物でもあるアイスを取り上げ、自分の思うとおりにコントロールしようなんて……まさか……世界を掌握しようとたくらんでるのね!」

「何をどう聞いたらその結論にたどり着くんだよ!」


 必死に反論する瑛士を無視して、目に涙をためるルリに優しく語り掛ける音羽。


「ルリちゃん、私が来たからには大丈夫よ。神を脅す不届き者を成敗しちゃいましょう」

「音羽お姉ちゃん……心強いのじゃ。きっとご主人は悪いやつらに洗脳されておると思うのじゃ! 何とか助け出さないといけないのじゃ」

「そうね、私たちが力を合わせれば、きっと目を覚ましてくれると思うわ」

「ちょっとまてー! 俺はいたって正常だっての!」


 おかしな方向に話が進み始め、瑛士が必死に訴える。しかし、彼女たちの耳に届く気配はなかった。


「ルリちゃん、聞いた? 妙に必死なところが怪しくない?」

「うむ、これは早急に手を打たねばならぬ」


 ルリと音羽が顔を見合わせて頷く様子を見て、瑛士が必死に声を上げる。


「頼むから俺の話を聞いてくれ!」


 この直後、瑛士の訴えは聞き入れられることなく二人に物理的な制裁を受ける。そんな中、テーブルの上に置かれたルリのタブレットに奇妙なお知らせが届いた。


「エリアボス撃破者様に()()()()()()のご招待状です。お伝えしたいことがございます。一階層の迷宮登録カウンターまで、必ずお越しください」

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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