表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第十七章 動き始める思惑

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

205/223

第9話 明らかになる少年たちの異常さ

 瑛士と音羽が見守る中、腑に落ちない表情で再生ボタンを押すルリ。すると、ヤバターが少年たちに殴りかかろうとする瞬間だった。


「あ、危ないのじゃ!」


 思わずルリが叫び声をあげた次の瞬間、にわかには信じられない光景が映し出される。


「危険反応を感知、自動防衛プログラム発動します」


 地面に押し倒された少年が短く呟くと、殴りかかってきたヤバターの手を掴む。そのまま目にも止まらぬ速さで引き寄せると、体を反転させる。


「は? え?」


 何が起こっているのか理解する暇もなく、地面に押し倒されたヤバター。手に持っていたはずの自撮り棒付きカメラは、いつの間にか近くにいた少年の一人が持って撮影が続行されていた。


「あ! この野郎、俺のカメラを返せ!」


 カメラを取り返そうとヤバターが体を起こそうと試みるが、馬乗りになった少年に押さえつけられて身動きが取れない。


「ど、どういうことだよ! 何でこんなガキがわけわからない力を持ってるんだよ!」

「危険対象の制圧に成功しました。しかし、いまだに抵抗を続けている模様です。これより防御プログラムから排除プログラムへ移行を開始します」

「何をわけわからねーこと言ってるんだ! さっさと離せ!」


 暴れ狂って何とか拘束を解こうと試みるヤバターに対し、声色一つ変えず淡々と呟く少年。


「排除プログラムの承認認証まで残り十秒……」

「は? な、なんだよ排除プログラムって……」


 淡々と響く少年たちの声を聞き、ヤバターの顔からどんどん血の気が引いていく。


「お、おい……なんとか言えよ! 俺をこんな目に合わせてただで終わると思うなよ! クソっ……なんで振りほどけねーんだよ! 頼む、手だけでも離してくれよ」


 焦りと恐怖が臨界点を突破したのか、支離滅裂なことを言い始めるヤバター。しかし、少年の耳にその言葉が届くことはなく、無言で馬乗りのまま両手首を押さえつけたまま動かない。その様子を画面越しに見ていたルリが声を上げる。


「なんで下手な演技をしておるのじゃ? さっさと振りほどいて逃げるなり、反撃するなりすればよいのじゃろうに」

「ルリ、コイツがやってるのは()()()()()()()。本当に逃げられないんだ……」


 不機嫌そうにつぶやくルリに対し、険しい顔をした瑛士が背後から話しかける。


「なんでじゃ? 子供が馬乗りになっているだけじゃろ。体をのけ反らせた反動で上手く逃げられるじゃろうに」

「普通に考えたらな……こいつらが()()()()()なら良かったが」


 顔を背けながら大きくため息を吐く瑛士に対し、ルリが不思議そうに尋ねる。


「どこをどう見ても子供にしか見えんのじゃ。まあ、話し方とかを含めて機械っぽいところはあるのじゃが」


 顔をかしげながらルリが問いかけると、今度は音羽が答える。


「やっぱりルリちゃんも気が付いたのね…この子たちは……普通の人間ではないの」

「は? どういうことじゃ?」


 音羽の話を聞いたルリは、声を荒げると音羽に詰め寄っていく。


「音羽お姉ちゃん、いくら何でも言っていいことと悪いことがあるのじゃ! たしかに言動を含めておかしな点は結構あるのじゃが……」

「まあ、信じたくないわよね……でも、この映像を見たら嫌でも理解すると思うわ」

「全く言っている意味が分からないのじゃ……」


 言葉を聞いたルリが音羽から離れ、しぶしぶタブレットに向き直ろうとした時だった。画面の向こうから悲鳴のような声が響く。


「ギャー!」

「排除プログラムの実行を開始します。対象の攻撃力を無効化します」


 呟いた少年が押さえつけていた手を放し、横に振り払った時だった。一瞬景色が揺らいだように見えた後、ヤバターの左手首から上が霧散するように消失した。


「片手の排除を確認しました」

「俺の手が、左手が!」

「……まだ危険信号が消えておりません」


 少年の意識が一瞬だけ逸れた時、体を思いっきり捻って拘束から抜け出した。無残に消え去った左手を見つめ、ヤバターの顔が茹でだこのように真っ赤になる。


「おい! テメーら、よくも俺の手を消しやがったな! 許さねえぞ……ぶっ殺してやる!」

「対象の暴走を検知、これより迅速な削除を開始します」

「何を意味のわからねーことを言ってるんだ……ここまでされたんなら、正当防衛が成立するよな? 全員あの世で悔しがりやがれ!」


 首をかしげている少年たちを睨みつけたヤバターが声を荒げると、右手にはいつの間にかサバイバルナイフが握られていた。


「いくら何でもやりすぎじゃぞ!」

「あー武器を抜いたか……終わったな」

「そうね……左手が消えた時に逃げたら、まだ助かったのかもしれないわ」


 焦るルリとは対照的な反応を示す瑛士と音羽。


「ど、どういうことなのじゃ? 逃げていれば助かったとは……どう考えても、ヤバい状況にいるのは少年たちのほうじゃぞ?」


 振り向いたルリが慌てた様子で二人に抗議するように声を上げた時だった。口を開こうとした瑛士を制止するように手をかざすと、音羽がゆっくり話し始める。


「ルリちゃん、今から起こることは信じられないと思うけど……飯島女史の研究がいかに危険なものか良くわかると思うわ」

「……なんじゃと? ヤツの研究が関係しておるじゃと?」

「ええ、表には出ていない……水面下で進められている()()よ……」


 音羽が話し終えると、重苦しい空気がリビングを支配し始める。

 飯島が秘密裏に行っていた研究と少年たちとの関係とは?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ