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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第十一章 新たな火種?

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第1話 やり残したことと新たな火種

 飯島女史の配信乱入という事件から数十分が経過し、切り捨てたドローンの前に立つ瑛士。焦げ臭い匂いが漂い、まだ燻っている残骸を睨みつけていると、落ち込んだ様子のルリが話しかけてきた。


「ご主人、申し訳ない……証拠となる音声も動画も全部消えてしまったのじゃ……」

「お前のせいじゃない。すべて想定済みだったからな」


 瑛士の言葉を聞いてルリが目を見開き、驚きの声を上げる。


「……すべてわかった上で行動しておったのか?」

「ああ、迷宮の件に関しては()()()()()()()()と踏んでいたからな。ヤツにしてみればこの程度のことは朝飯前だろう」

「じゃが……いくらスゴイ人間だとしても、さすがに警察が黙って……」


 ルリが焦ったように瑛士に詰め寄ろうとした時、黙って聞いていた音羽が右肩に手を置きながら話しかける。


「ルリちゃん、一度落ち着きましょうか?」

「音羽お姉ちゃん……」

「普通に考えればルリちゃんの言ったように警察が動いてもおかしくない。だけど、事件が起こっているのは迷宮内。あのアイツ《飯島女史》も言っていたけど、迷宮内で起こることは治外法権なの……これが何を意味しているかわかるかしら?」


 音羽から投げかけられた質問に腕を組み、頭をかしげながら考え込むルリ。しばらく唸り声をあげていたが、突然何かを思いついたように顔が明るくなる。


「わかったのじゃ! 迷宮内で起こったことは自己責任ということじゃな!」

「そういうこと。飯島女史の関与があったとしても、迷宮内の事件は警察も手出しができないの……」

「な……それではやりたい放題ではないか!」


 音羽の話を聞いたルリが驚愕の表情を浮かべて大声で叫ぶと、隣にいた瑛士が静かに語り始める。


「普通に考えればやりたい放題だ。だが、準備するための道具や薬を用意するのは迷宮内では不可能。ということはどういうことかわかるか?」

「迷宮内に外から持ち込む必要があるということじゃな……」

「そういうことだ。となると……()()()()で用意する研究所なりの拠点が必要となるな」

「迷宮の外にある拠点を探し当てればよいのじゃな!」


 瑛士の言葉を聞いたルリが目を見開き、勝ち誇ったような顔で声を上げる。


「だが、あの飯島女史があっさり尻尾を出すとは思えない。それならば、迷宮内におびき寄せて直接叩いてしまえばいいと思わないか?」


 口角を釣り上げ、不敵な笑みを浮かべながら話す瑛士。その言葉に同調するように、音羽がお面を外しながら話し始める。


「そうね。ヤツに直接聞かなければならないことがたくさんあるし……わざわざ出向いてくれるなら好都合ね。積年の恨みを晴らすときが来るなんて、ワクワクするわね、ふふふ……」

「うむ、わらわも少なからず因縁があるからのう。この手で終止符を打とうではないか」


 三人が顔を見合わせると、不敵な笑みを浮かべて不気味に笑い始める。すると、何かに気がついたルリが瑛士に向かって話しかける。


「ところでご主人、いつまでルナを()()()()()()()いるんじゃ?」


 ため息を吐くと、呆れたような表情で問いかけるルリ。


「いや、これは飯島女史を欺くためというか……おい! いい加減離れろ!」

「キュー! キュキュ!」

「あ? 『離してほしかったら早く負けを認めるんだな』だと? ふざけるな! まだ勝負はついてないだろうが!」

「キュキュ? キューキュキュキュ」

「『勝負はついていないという負け惜しみですか? はーやれやれ、この後に及んでまだ認めないとは』……このウサギめ、調子に乗るのもいいかげんにしろよ」


 顔に張り付いているルナの首根っこを掴み、無理やり剥がそうと試みる瑛士。しかし、まるで強力な接着剤でも塗られたかのようにびくともしない。


「この野郎……人が下手に出ていれば調子に乗りやがって!」

「キュー、キュキュ」

「『力が弱すぎワロタ。離せるもんなら本気出してみろ』だと? いいだろう……今日がお前の命日にしてやるよ」


 煽るルナに対し、怒りのボルテージが一気に吹き上がる瑛士。一触即発の空気がどんどん強くなり始めた時だった。


「こりゃ! ご主人も何をムキになっておるんじゃ」

「イテッ。槍で頭を叩くなよ、ルリ」

「何を言っておるのじゃ。そんなにじゃれ合いたいのであれば、後でゆっくりやればよいのじゃ。ルナもルナじゃ、遊んでないで早く離れるのじゃ」

「キュー」


 ルリの言葉を聞いたルナはあっさり瑛士の顔面から離れると、ルリの胸に向かって飛び込んでいく。


「まったく……二人とももう少し仲良くできんのか?」

「……俺は悪くねーし」

「キュー、キュキュ」

「まったくお主たちは……ご主人、あのまま喧嘩していたら足元で丸まっている翠を巻き込むことになっておったんじゃぞ?」

「え?」


 ルリの言葉を聞いて慌てて足元に視線を向けると、気持ちよさそうな顔をして丸まっている翠がいた。


「お前、いつからいたんだよ……」

「ご主人がドローンを破壊した時にはそばにいたぞ?」

「マジか……全然気が付かなかった」


 瑛士がゆっくり膝をつくと、翠が顔を上げて体を擦り付け始める。その様子を見て安心したルリが、腕の中にいるルナに向かって話しかける。


「ルナもじゃぞ。遊んでもらいたいのはわかるが、やり過ぎは禁物じゃよ」

「キュー」


 ルリに怒られて真っすぐ伸びた長い耳が、申し訳なさそうに少し垂れ下がる。


「ま、二人とも怪我とかなかったのじゃから良しとするか」


 ルリが小さく息を吐くと、優しくルナの頭を撫で始めた時だった。


「さて、みんなが落ち着いたところで申し訳ないんだけど……そのまま動かないでいてくれるかな?」


 真剣な表情をした音羽が二人に向かって話しかけると、一気に空気が張り詰める。


「……一つ、片づけておかなきゃいけないことがあるの」


 小さく息を吐くと、柄に手を伸ばした音羽の表情は――氷のように冷たかった。

 彼女が言う“やり残したこと”とは――?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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