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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第十章 三人に迫る因縁

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第8話 もう一つのバトルも勃発?

 三人が作戦会議を進めている中、飯島はルリのリスナーたちとレスバを繰り広げていた。


「なんなのよ、コイツらは! 私を誰だと思っているのよ!」


 未だ配信画面は真っ暗なままだが、コメントは見ることができるので好き勝手に書きこまれていく。


 《チャットコメント》


『博士キレてて草w』

『ミルキーが名前出してたのマジ? 詰んでね?』

『これ飯島博士って人? ガチ本人?』

『特定班はよww』

『ババアの逆ギレは地獄www』

『声だけで酒臭そうなの草』

『博士、沸点低すぎて可愛いw』


 次々と流れるコメントに対し、飯島の怒りはどんどん加速していく。


「きー! 誰が年増ババアよ! 私は()()()だって言ってるでしょ! ロリコン野郎どもに言われたくないわ!」


 顔も見えない相手に向かって怒号を飛ばす飯島。その様子を聞いていた三人は、呆れたように話し出す。


「な、なあ……飯島女史ってこんなヒステリックだったのか?」

「うーん……器の小さい外道のことなど覚えておらん」

「相変わらずお前は容赦ないな……」


 あっけらかんと毒を吐くルリに対し、小さく息を吐く瑛士。すると何かを思いついたように音羽が口を開く。


「昔からプライドだけは無駄に高かったからね。ここまでひどくはなかったけど……あ、()()()()思いついちゃった!」


 怪しげな笑い声を上げながら肩を震わせる音羽。その様子を見た瑛士が、顔を引きつらせながら声をかける。


「お前が何かを思いついたって聞くと、猛烈に悪い予感しかしないんだが……」

「ひどいわね。ルナちゃんを顔に貼りつけたままの瑛士くんに言われたくないわ」

「仕方ないだろうが! 何をどうやってもはがれないんだから……おい! いい加減に降りろ!」

「キュー! キュキュ」

「あ? 『嫌だ。剝がせるもんならはがしてみろ。まあ、お前には無理だろうがな』だと? このクソウサギめ……調子に乗りやがって!」

「キュー。キュキュキュー」

「『さっさと負けを認めろ。諦めが悪い男はモテないぞ』……やっぱり今すぐ叩き潰す必要がありそうだな」


 再び瑛士とルナのバトルが再燃しそうになった時、見かねた音羽が割って入る。


「はいはい、そのくらいにしておきましょうね。あとで思う存分バトルしてちょうだい。あ、ちゃんと配信もするから安心してね」

「配信するって……鬼かよ!」

「さすがなのじゃ! 下僕どもにご主人とルナの勇姿を見せつけるいい機会なのじゃ!」


 ルリが満面の笑みで声を上げると、瑛士の顔色が一気に悪くなる。その様子を見た音羽が煽るように話しかける。


「あれあれ? 瑛士くん、ずいぶん顔色が悪そうだけどどうしちゃったのかな?」

「そ、そんなことはないぞ……絶対配信なんて……」

「えー? どうしたのかな? まさか、ルナちゃんに勝てる自信がないのかしら?」

「そんなわけないだろうが! 俺が負けるわけないだろうが!」

「だよね! 私の瑛士くんが無様な姿を晒すわけがないもんね?」

「当たり前だろうが!」


 自信たっぷりに胸を張って宣言した瑛士だったが、この直後に放たれたルリの一言で現実に引き戻される。


「よし! じゃあわらわの配信で下僕どもに見せつけるのじゃ! 帰ったらさっそく準備するのじゃ」

「え? あ……それは……」

「なんじゃ? そんなにワクワクしておるとは、わらわも嬉しいのじゃ」

「そうじゃない! どうしてこうなった……」


 頭を抱えてしゃがみ込む瑛士に対し、ルリが不思議そうに首をかしげる。その横で、笑顔の音羽が話しかけた。


「ルリちゃん、瑛士くんのことは気にしなくても大丈夫よ。それよりも飯島女史を嵌める作戦なんだけど……」


 音羽が考えた作戦を耳元で囁くと、最初は黙って聞いていたルリの表情が驚きに変わっていく。


「それは思いつかなかったのじゃ……しかし、そんなにうまくいくのかのう?」

「正直に言って五分五分ね。だけど、あのプライドの高い飯島女史なら間違いなく成功すると思うわ。それにこの作戦はルリちゃんの能力が鍵になるの!」


 音羽の力強い言葉を聞き、不安そうだったルリの表情が一気に引き締まる。


「わかったのじゃ! わらわにできないことなどないのじゃ!」

「うんうん、ドローンの対処は瑛士くんに任せるわよ」

「は? 意図がさっぱりわからんのだが……」

「いいからいいから。私が合図したら見つからないように壊しちゃってくれればいいの」

「まあ、いい……俺はあのドローンをぶっ壊せばいいんだな?」

「そういうこと。じゃあ……始めましょうか」


 一人だけ状況が理解できていない瑛士を置いて、二人はお互いを背にしながら歩き出す。そして、音羽がドローンのすぐ近くまで来ると、タブレットを構えているルリに合図を送ると無言で頷いて素早く操作を始めた。その様子を見届け、小さく息を吐いてわざと聞こえるように大きな声で話し始める。


「あら、ずいぶんリスナーとの交流を楽しんでいるようね? 飯島博士」

「は? これのどこが楽しんでいるのよ! この私をバカにするとはいい度胸ね!」

「そうですよね。日本の至宝と呼ばれた頭脳を持つあなたが、まさか言い負かされてるなんてあってはならないですもんね?」

「そうよ! 私みたいな存在が相手してあげてるの。ありがたく思うべきなのよ!」

(よし、うまく乗っかってきたわ)


 音羽の作戦とも知らず、自信たっぷりに答える飯島。

 この後、自らがとんでもない墓穴を掘ることになるとも知らず――

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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