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妖の玉  作者: ゆきこ
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出会い

「あっつ〜い!」

佳奈は思わずそう叫んだ。他の人がギョッと佳奈を見る。叫ぶのも無理はない。今日はいつもと比べて格別に暑いのだ。

(こんなのやってられないよ……)

心のなかで毒づきながらデパートを歩いている時だった。

「え、ナニコレ。」

デパートの床に大きな木の扉を見つけた。誰も気付かないようで、みんな素通りしていく。佳奈は好奇心に勝てず、重い扉を開けた。幸い、あまり人が通らないところだったが、他の人が見たら「何をしているのか」、と不思議がっただろう。佳奈は扉の向こうに飛び降りた。そこには沢山の人が歩いていた。家がたっており、皆は着物。まるで戦国時代の村を思い出させる。

(ここどこよ!?)

辺りをキョロキョロと見回しているといきなり腕をつかまれて物置らしき場所に連れて行かれた。

「□○◎△※〜!?」

佳奈は、驚いたせいで変な声が出たため赤面した。男は言った。

「俺を恨むなよ。恨むなら自分の人生を恨むんだな!」

と、悪役のお決まりセリフを言って刀を振り下ろそうとしたその時だった。

「ギャッ!」

と悲鳴が上がった。何事だろうか、と佳奈がそろりと顔を上げ目を開けた。佳奈の視界に入ったものは、無惨に殺された男の死体だった。

「きゃああ!何!?何なの!?」

誰がやったのか。キョロキョロ見回していると、男の人が入ってきた。血で濡れた刀を持っている。

(外から!?)

男の人は水がサラサラと流れるような長い黒髪。身長は佳奈と同じ、165cm程度だろうか。男はゆっくりと佳奈の方を向いた。が、すぐに外の方を向き、出ていこうとした。

「あ、あのぉ。礼ぐらい言わせてください。ありがとうございます!」

「別にいい。」

男の人は手短にそう言うとまた歩き出した。その態度に佳奈は、むっときてしまった。もともと佳奈は切れやすい方で頑固だった。何が何でも「どういたしまして」と言わせてやる。

「待ちなさいよ!」

佳奈は男の人を追いかけていった。

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