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リルは秘密を抱えてるみたいです。その2

 まずは自己紹介! 


 私の名前はリル・アルセーヌ。(仮名)

 真っ白な髪に、赤い瞳がトレードマークの女の子。

 ちょっぴり恥ずかしがり屋さんなんだけど、少しだけ危険な恋にも憧れる恐怖の大魔王様なんだ。


 ちょいワルなあいつと危険な恋の嵐を巻き起こしたい。

 巻き起こしてたら、空に打ち上げられたキノコ、山菜等の山の恵みを口一杯に詰め込みたい。

 そんなアンバランスでアンニョイなお年頃。


 え? 

 私のいるこの場所?

 うーん、そうだなあ。

 君にだけ特別に教えてあげちゃうね。


 ここは自然豊かな川のほとり。

 山を越え、谷を越え、海を渡り、空を飛ぶ。

 そんな千日回峰行のような道のりを経て、ようやく到達出来る秘境なの。


 お気に入りスポットだから、誰にも言わないでねっ!

 まあ、バレたところで誰も来れないけど。


 ここでオカリナを吹きながら心穏やかに、時には荒れ狂う海原のように、自然とセッションを楽しむのが、私の日課。


 ほら、見て。

 小鳥さんも囀ってる。

 あそこには小鹿さんが木陰から顔を出してるわ。

 あっちではデイダラボッチが手を振ってるよ。


 一度、奴とは喧嘩になったこともあったけど、痛点のないデイダラボッチとは三日三晩戦っても決着がつかなかったので、残念ながら痛み分けで終わってる。


 私と渡り合えるのは後にも先にもアイツだけに違いない。

 でも、いつか必ず決着をつけてやるんだから。


 あっ! いっけなーい!

 脱線しちゃった☆

 話を戻すね。

 

 最後はわたしのお気に入りのご登場ね。

 ドクターフィッシュが群れをなして大挙してきたわね。

 ふふふ、そんなに私の踵の角質は美味しいかしら?

 もっとお食べ。 

 うふふふふ。


 や、やめてよ。くすぐったいってば!

 ……ちょっと、まじでくすぐったい。

 やめろよ、やめろって。

 

「やめろって言ってんだろっ! このやろう!」


 あっ、いけない!

 余りの怒気に大地が揺れて、ヒポポタス火山があちこちで破局噴火しちゃいそう。

 ま、そうなったらそうなったで仕方ない。

 こうやってまた新たな地層が形成される。

 それは遥か昔から続く、大自然のルーティーン。

 邪魔をするのが野暮ってもの。


 いえ、邪魔をするなんて自惚れてる。

 そんな自惚れはいつか身を滅ぼすわ。

 いやあ、勉強になるなあ!


 さあて、今日はどの種族を制圧しに行こうかな!



———



「……なにこれ」

「ノンフィクション映画です」


 咲様って……映画知らないんですね。

 どうせ昔の話をするなら二度手間だからと、せっかく無理矢理呼んできたのに。

 でも、これってなんだか意外です。


「じゃあ、チャチャっと説明しますよ? まだまだ映画は続くのですから」


 全く仕方ないですねえ。

 映画って雰囲気大事だから、いちいち停止してたら興が削げちゃいますよ。

 コジロウの海馬にだって負荷がかかります。

 廃人になってしまうかもしれません。


「まず映写機代わりにコジロウの脳内に、情報を強制的に流し込み、目から映像を投影させます」

「いや、あのね」

「そして巨鯨さんのお口の中にスクリーンを持ち込んだら、今度はお口をチャック! はい、映画館の完成ですっ!」

「……うん。そっか」


 咲様ったらキョトンとしちゃって可愛いんだから!

 でも本当におかしいな。

 咲様が貸してくれた本から仕入れた情報なんだけどな。


「でもね、聞いてるのはそこじゃなくてね」

「あ、タイトルですか? そうですね『独白』とでも命名致しましょうか」

「……いいタイトルだね」


 ふふ。

 褒められちゃいましたね。

 だけど、きっと咲様が驚くのはこれからです。


 これは言うなればプロローグのプロローグ。

 分かり易く通常の映画館で例えると、まだ暗転もしていなく「ねえ、携帯の電源切った?」と話をしている人もチラチラ散見している、それくらいのシーン。


 話してて自分でも、意味不明になってきましたが、要はまだまだこれからなのです。


 さっ、今日はコジロウに、限界のその先まで頑張ってもらわなければいけません。

 だってまだ映画は半日続きますからね!

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