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まーじゃん! ~麻雀部 はじめました~  作者: 雀太郎
第1章 麻雀と役
9/55

七対子《チートイツ》

「今回は七対子(チートイツ)を教えるさ。まずはこの牌姿(ぱいし)を見るんさ!」


[1144m 88p 5599s 東東西][ツモ牌 西]


「4メンツの形じゃない……これだけでも他の役と一線を(かく)してます」


「そう! 今まで雀頭(じゃんとう)とだけ呼んでいた2枚の同じ牌――これを対子(トイツ)と呼ぶんさ」


「それが七つあるから七対子(チートイツ)……ということは面前のみで七対子自体に役があるから、ダマテンもできますね」


「ただし七対子は、聴牌(テンパイ)やアガるのが非常に難しいさ。狙ってする役ではないんさ。例えば、この手牌をどう思う?」


――――――――――

東一局 東家 ドラ7s 2巡目


[22799m 667p 112s 北發]

――――――――――


「酷い手です……とてもアガれそうにありません」


「じゃあ、ここにツモで……」


――――――――――

東一局 東家 ドラ7s 2巡目


[22799m 667p 112s 北發][ツモ牌 7p]

――――――――――


対子(トイツ)が5つに……七対子(チートイツ)が一番近くなりました!」


「そう! 七対子はバラバラ手牌の、救世主になり得るんさ。あと運良くドラがあれば、リーチ、ツモ、七対子、ドラ2で跳満(ハネマン)さ!」


「でも対子(トイツ)で待つのは、3枚しかないです。両面の最大8枚と比べて、5枚も少ないってことですよね?」


「だから良い待ちを選択するんさ。幺九牌(ヤオチュウハイ)など、出アガリも期待できる牌をさ。ちなみにそういう形を『単騎(たんき)』待ちと呼ぶんさ」


「単騎……選択の難しそうな待ちです」


「いつ七対子(チートイツ)へ向かうのか……実戦の中で、ちゃんと見極められるかさ?」


 ナオが(じゃん)リングを起動する。


「セットアップ! 雀牌(じゃんぱい)!!」




 麻雀(うちゅう)が広がる――




東一局 ドラ白

東家 ふうろ 25000

南家 ひめる 25000

西家 ひらく 25000

北家 ナオ 25000


ひらく 配牌

[5()6799m 112p 778s 白發]


 ドラ2。

 端よりだが、形は悪くない。ドラ白を重ね、仕掛けるのが理想的だ。


――――――――――

[5()6799m 112p 778s 白發][ツモ牌 4p]


 打、發。


[5()6799m 1124p 778s 白][ツモ牌 東]


 ツモ切り、東。


[5()6799m 1124p 778s 白][ツモ牌 4p]


 打、2p。

――――――――――


[5()6799m 1144p 778s 白][ツモ牌 5m]


 七対子(チートイツ)のほうが、通常手よりも近くなった。

 分水嶺(ぶんすいれい)。ドラ切りで数牌の伸びも見るか。もしくは6m付近をぶったぎり、七対子の決め打ちか。

 ひらくの選択。

 打、白。

 ドラ切り。

 七対子にいくと7m、8s、白の3種待ち。どう転んでも6割は、白単騎となる。

 ……七対子は良い待ち選択が鍵……ドラじゃ出てこない……!

 ツモ。


[5()56799m 1144p 778s][ツモ牌 7m]


「リーチ!」


 打、6m。

 8s単騎待ち。

 リーチ、七対子、ドラ1の4翻。結果的に七対子となった。

 先制の聴牌(テンパイ)。アガリの期待が高まる。

 ナオのツモ番。

 打、3m。

 ひらくにツモ番が回る。

 ツモ、5p。

 不要牌。ツモ切り。


「リーチ!」


 ナオからの追っ掛けリーチ。

 打、5m。

 追いつかれた。

 ……七対子の待ちは、最大3枚。先手とはいえ、分が悪いかも……!

 長引けば、追撃を受けてしまう。


「ツモ」


 ツモ番を前に、小さな発声がした。

 ひめる、倒牌(とうぱい)


[23789m 567p 234s 西西][ツモ牌 1m]


「ツモ、平和(ピンフ)。20符2(ハン)は400、700点」




――――――――――

点棒移動


東家 ふうろ 25000 → -700 →24300

南家 ひめる 25000 → +1500+2000(リーチ棒)→ 28500

西家 ひらく 25000 → -400-1000(リーチ棒)→23600

北家 ナオ 25000 → -400-1000(リーチ棒)→23600

――――――――――




東二局 ドラ6s

北家 ふうろ 24300

東家 ひめる 28500

南家 ひらく 23600

西家 ナオ 23600


ひらく 手牌

[6m 78899p 224s 東東北中]


 ドラ0。パッとしない手牌進行だ。

 ふうろのツモ。

 打、東。


 役牌(ヤクハイ)(トン)


 ひらく、これをスルー。

 ……東を鳴いて1翻1000点じゃ軽すぎる。形だって、あまり良くない……。

 まだ4巡目。ここは我慢だ。

 ツモ。


[6m 78899p 224s 東東北中][ツモ牌 6m]


 打、4s。

 七対子(チートイツ)聴牌(テンパイ)まで、あと一牌。下手に鳴くよりも、近いかもしれない。

 ツモ。


[66m 78899p 22s 東東北中][ツモ牌 中]


「リーチ!」


 打、7p。

 北単騎待ち。

 リーチ、七対子(チートイツ)の3(ハン)

 先制の聴牌(テンパイ)。もう一度、単騎待ちを敢行する。

 ひめるのツモ。

 打、5s。

 ……あのひめるさんが、強い打牌……!?

 河を見ると、34567牌が中心に捨ててある。

 ……まさか同じ七対子(チートイツ)……!

 捲り合いに突入する。

 ひらくのツモ。

 見牌(けんぱい)


 (ナン)


 ひめるへの危険牌。しかしリーチを打った以上、切る他ない。

 打、南。


 南!


 通った。

 ひめる、ツモ。

 打、7s。

 ……負けないよ、ひめるさん……!

 ひらく、ツモ。


 (ペー)


「ツモ!」


 倒牌。


[66m 8899p 22s 東東北中中][ツモ牌 北]


 リーチ、ツモ、七対子(チートイツ)。25符4(ハン)は6400点である。




――――――――――

点棒移動


北家 ふうろ 24300 → -1600 → 22700

東家 ひめる 28500 → -3200 →25300

南家 ひらく 23600 → +6400 →30000

西家 ナオ 23600 →-1600 →22000

――――――――――




1位 ひらく 30000

2位 ひめる 25300

3位 ふうろ 22700

4位 ナオ 22000



 ―― (しゅう) (きょく) !!




「基本は両面リーチだけど、上手くいかない手牌では七対子(チートイツ)を狙ってみるのもいいと思うんさ」


「単騎待ちは、選択が難しい……でも上手く扱えれば、強力な武器にもなるってことですね!」

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