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まーじゃん! ~麻雀部 はじめました~  作者: 雀太郎
最終章 麻雀と――
50/55

半荘戦 第2幕

「ひめるちゃんは、ここが『第2麻雀部』だって知ってたんだよね? 麻雀好きなのに『第1』に入らなかったの?」


「ひめるは元々『第1』だった。辞めたけど」


「えっ? それは、どうして……?」


「あっちの麻雀には、()()がない。勝つための打ち方、戦術、窮屈(きゅうくつ)な取り決め……無個性主義で成り立っている」


「そ、そんなに厳しいんだね……」


「特にひめるは、異端者だったから」


 確かに彼女の雀風(じゃんぷう)は、かなり特殊な部類だ。現代麻雀の最強役リーチを、全く使わない打ち筋である。

 それは他者から見れば、変なのかもしれないが、

 ……でも無個性を強要するのも……。

 充分に異質だと思えた。


「楽しい麻雀が打てる『第2』のほうがいいって、ふうろちゃんも言ってたよ。ひめるちゃんも、そうなんだね?」


「自由に打つことが、楽しいに繋がるなら……多分そういうこと」


「ひめるちゃんの理知的で繊細な麻雀……私は好きだよ!」


「そう……」


 ひめるが顔を背ける。


「あれ? ごめんね……怒らせちゃった?」


「照れてるの」


 ひらくは、くすりと笑った。

 部室のドアが開く。

 ナオとふうろがやってきた。


「お? もう準備は万全って感じなんさ。じゃあ半荘(ハンチャン)戦やっていくかさ!」


「ひめるがセットアップする」


「今日はひめるも、やる気なんさぁ!」


「ひめるは、いつもやる気だけどね」


 (じゃん)リングを起動する。


「セットアップ雀牌(じゃんぱい)


 ひめるが正面に構え、


「貴女が好きな、ひめるの麻雀……とくと見せてあげる」


 一息。


「中等部1年、闇黙(あんもく)(ひめる)




 麻雀(うちゅう)が広がる――



半荘(ハンチャン)戦】


東一局 ドラ6s

東家 ふうろ 25000

南家 ひらく 25000

西家 ナオ 25000

北家 ひめる 25000


ひらく 配牌

[248m 245p 135()6s 東南白]


 ドラ2。四向聴(スーシャンテン)

 開局の平場。最速のアガリを目指す。

 牌理(ぱいり)を切り開く。


――――――――――

[248m 245p 135()6s 東南白][ツモ牌 3s]


 打、東。


[248m 245p 1335()6s 南白][ツモ牌 6p]


 打、白。


[248m 2456p 1335()6s 南][ツモ牌 2p]


 打、南。

――――――――――


[248m 22456p 1335()6s][ツモ牌 5()m]


 打、8m。

 ドラ3。二向聴(リャンシャンテン)

 36m、2p、2347s。7種24枚が有効牌である。

 確定メンツ、456p。雀頭(じゃんとう)、22p。メンツ候補、45()m、133s、5()6s。

 4メンツ1雀頭の5ブロック構成。面前手か喰いタンが主体となる。

 ふうろのツモ。

 打、2p。


「ポン!」


 ひらくが仕掛ける。

 一副露(ワンフーロ)


[245()m 456p 1335()6s][←222p]


 打、2m。

 36m、47s。4種16枚の受け入れを持つ一向聴(イーシャンテン)となった。

 シフトチェンジ。ドラ3仕掛けで、更なる加速を見せる。

 ツモ。


[45()m 456p 1335()6s][←222p][ツモ牌 7s]


 打、1s。

 3-6m待ち聴牌(テンパイ)

 断么九(タンヤオ)、ドラ3。30符4(ハン)は7700点である。

 先手をとった。

 最速和了(ホーラ)の、ゴールも間近だ。


「ツモ」


 ひめるからの和了宣言。

 倒牌(とうぱい)


[66778m 5()67p 22678s][ツモ牌 5m]


「ツモ、断么九(タンヤオ)平和(ピンフ)、ドラ2。20符5(ハン)満貫(マンガン)2000、4000点」


 リーチなら跳満(ハネマン)だった。

 ダマでも678三色の手変わりならば、跳満まで届く。

 そしてなによりも、

 ……早い! 私も最速で来たはずなのに……!



――――――――――

点棒移動


東家 ふうろ 25000 → -4000 → 21000

南家 ひらく 25000 → -2000 → 23000

西家 ナオ 25000 → -2000 → 23000

北家 ひめる 25000 → +8000 → 33000

――――――――――



東二局 ドラ3m

北家 ふうろ 21000

東家 ひらく 23000

南家 ナオ 23000

西家 ひめる 33000


ひらく 手牌

[33468m 456677p 56s]


 ドラ2。二向聴(リャンシャンテン)

 2357m、578p、47s。9種30枚が有効牌である。

 確定メンツ、456p。雀頭、33m。メンツ候補、468m、677p、56s。

 4メンツ1雀頭の5ブロック構成。面前手か喰いタンが主体となる。

 ふうろのツモ。

 打、7m。


「チー!」


 ひらくが仕掛ける。

 一副露(ワンフーロ)


[334m 456677p 56s][←768m]


 打、4m。

 3m、578p、47s。6種19枚の受け入れを持つ一向聴(イーシャンテン)となった。

 4mと6pの比較。同効率なため、3mの雀頭固定で親の3(ハン)5800点を確定させる。

 鳴ける牌は、すべて鳴く。特に3mポンは、最高打点となる。

 ツモ。


[33m 456677p 56s][←768m][ツモ牌 7p]


 打、6p。

 4-7s待ち聴牌(テンパイ)

 断么九(タンヤオ)、ドラ2。親の30符3(ハン)は5800点である。

 先手をとった。

 受け方もいい。これならドラ3mを引いたときに、7pを打てる。

 打点上昇にも期待し、牌山を捲っていく。


「ツモ!」


 ひらく、倒牌。


[33m 456777p 56s][←768m][ツモ牌 4s]


断么九(タンヤオ)、ドラ2。親の30符3(ハン)は2000オールです!」



――――――――――

点棒移動


北家 ふうろ 21000 → -2000 → 19000

東家 ひらく 23000 → +6000 → 29000

南家 ナオ 23000 → -2000 → 21000

西家 ひめる 33000 → -2000 → 31000

――――――――――



東二局 一本場 ドラ1s

北家 ふうろ 19000

東家 ひらく 29000

南家 ナオ 21000

西家 ひめる 31000


ひらく 手牌

[345()6m 456p 113457s]


 ドラ3。一向聴(イーシャンテン)

 12345678m、1256789s。15種51枚が有効牌である。

 確定メンツ、456p、345s。雀頭、11s。メンツ候補、34m、5()6m。

 4メンツ1雀頭の5ブロック構成。面前手が主体となる。

 ツモ。


[345()6m 456p 113457s][ツモ牌 3p]


 打、7s。

 12345678m、12345678p、1s。17種58枚待ちの一向聴へと変化した。

 345三色も見えてくる。

 親番のドラ3は、愚形になっても即リーチにいく。1s引きは、場況(ばきょう)のいい3-6m待ちとする。

 ツモ。


[345()6m 3456p 11345s][ツモ牌 7m]


「リーチ!」


 打、6p。

 2-5-8mの三面張(さんめんちゃん)

 リーチ、平和(ピンフ)、ドラ3。親の5(ハン)満貫(マンガン)12000。高め58mのツモは345三色がつき8翻は倍満(バイマン)8000オールの大物手である。

 先制の聴牌(テンパイ)。大局を決しかねない、最強の一打だ。


「ロン」


 直後に潰された。

 ひめる、倒牌。


[67899m 5()5677p 123s][ロン牌 6p]


一盃口(イーペーコー)、ドラ2。40符3(ハン)5200の一本場は5500点」


 宣言牌が通らないため、リーチは不成立。リーチ棒の移動は行われない。



――――――――――

点棒移動


北家 ふうろ 19000

東家 ひらく 29000 → -5500 → 23500

南家 ナオ 21000

西家 ひめる 31000 → +5500 → 36500

――――――――――



東三局 ドラ西

西家 ふうろ 19000

北家 ひらく 23500

東家 ナオ 21000

南家 ひめる 36500


ひらく 手牌

[333m 789p 345()679s 西]


 ドラ2。一向聴(イーシャンテン)

 235689s、西。7種23枚が有効牌である。

 確定メンツ、333m、789p、345()67s。

 4メンツの4ブロック構成。面前手が主体となる。

 良形の並び。不安定な雀頭決めが、要となる。

 ……できればドラ西の雀頭……!

 ツモ。


[333m 789p 345()679s 西][ツモ牌 2m]


 打、西。

 124m、235689s。9種31枚待ちの一向聴へと変化した。

 西切りが最効率。9sでは2種6枚のロスとなる。

 8s引きの3-6-9s待ちもあるため、ドラに見切りをつけた。

 ツモ。


[2333m 789p 345()679s][ツモ牌 5s]


「リーチ!」


 打、9s。

 1-4m、2mの三面張(さんめんちゃん)

 リーチ、ドラ1。40符2(ハン)は2600点。高め14mは平和(ピンフ)がつき30符3翻は3900点である。

 先制の聴牌。

 打点は低いが、待ちは良い。前局の放銃(ほうじゅう)分を、取り戻しにいく。

 ひめるのツモ。

 手出し、9s。

 ノータイムで現物。ベタオリか。

 彼女の守備力では、もう直撃は望めない。

 ひらくのツモ。

 打、5m。

 しかし逆に和了(ホーラ)を遮る障害も減っている。

 ……ツモって裏ドラ1なら満貫(マンガン)……!


 ひらく、ツモ。

 開牌(かいぱい)


 一萬(イーマン)


「ツモ!」


 手牌を倒す。


[2333m 789p 345()567s][ツモ牌 1m]


「リーチ、ツモ、平和(ピンフ)、ドラ1。20符4(ハン)は1300、2600点です!」



――――――――――

点棒移動


西家 ふうろ 19000 → -1300 → 17700

北家 ひらく 23500 → +5200 → 28700

東家 ナオ 21000 → -2600 → 18400

南家 ひめる 36500 → -1300 → 35200

――――――――――




ひめる 35200

ひらく 28700(-6500)

ナオ 18400

ふうろ 17700



 ――東四局

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― 新着の感想 ―
[良い点] ひめるはメンゼンで自力で作るタイプ・・。その静かな攻めにひらくはどう出るかな。
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