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まーじゃん! ~麻雀部 はじめました~  作者: 雀太郎
最終章 麻雀と――
47/55

半荘戦 第1幕

 教室。

 学業が終わり、放課後が始まる。

 ひらくは(カバン)に教科書を詰め、


「今日も部活がんばろ!」


「部活って麻雀部の?」


 クラスメイトが反応した。


「うん! 最近楽しみなんだぁ」


「じゃあ高等部にも出入りしてるんだ? なんか、いーなー?」


「ううん……? 中等部にあるから、そっちに用はないよ?」


「あ、そっか……ひらくちゃんが入ったのって『第2麻雀部』なんだっけ?」




 校舎の廊下。

 ひらくは、ふうろと部室へ向かっていた。


「びっくりしたぁ……うちって第2麻雀部なんて呼ばれてたんだ」


「あー、確かそうだったかも! 中、高は一緒だから麻雀部もそっちなんだね!」


 違和感には、気づいていた。

 ここ雀栄町(じゃんえいちょう)は、麻雀発展都市として名高い。学園内に麻雀部が存在しないことを、不自然に感じていた。


「どうしてナオ部長は、新しい麻雀部を作ったのかな?」


「わかんないよー。でも部長のおかげで麻雀できて、ボクは楽しいよ!」


「ふうろちゃんは第1に入らなかったの?」


「入部テストに落ちちゃったんだよね。うちって名門らしいからー」


「じゃあ初心者はお断りなんだ……。どんなテストだったの?」


「役の問題かな? ちゃんと知ってるか、何個か出題されたよ」


「それだけなら初心者でなければ、受かれるんじゃ……?」


「ボクさー、鳴ける役以外は覚えてないからね」


「えっ?」


「でもでもボクは今が楽しいよ? こっちの麻雀部で良かったなぁって思うし……ひらくは違うの?」


「私も同じだよ。ただ少し気になって……でも、そうだよね。二つの麻雀部が存在する理由なんて、どうでもいいのかも」


「うんうん! 楽しく麻雀できれば、それで万事オッケーだね!」


「ありがとう、ふうろちゃん!」


「どいたまーっ! これからもたくさん麻雀打っていこうね!」


 部室のドアを開く。

 ナオとひめるの、二人が待っていた。


「さてと、ひらく。ここまで麻雀について、色々と教えてきたけどもさ。今日はこれまでの成果を、見せてもらうんさ」


東風(トンプウ)ですか? 次こそは……!」


「いや勝負は半荘(ハンチャン)。南場が終わるまでに、一番持ち点が多いプレイヤーの勝ちとなるんさ。あとトびなしルールを、採用しているさ」


「持ち点がマイナスになっても続くんですね! とにかく最後まで、力の限り頑張ります!」


「その意気さ! それじゃ半荘(ハンチャン)勝負、開幕さぁ!」


 ナオが(じゃん)リングを起動する。


「セットアップ! 雀牌(じゃんぱい)!!」


 ふうろが正面に立つ。

 期待の笑みを浮かべ、


「いってた側から楽しくなってきたね! ボクたちとの真剣勝負……めちゃくちゃに楽しんでいこー!」


 彼女特有の決めポーズをとった。 


「中等部1年、更級(さらしな)ふうろ! いっくよー!」




 麻雀(うちゅう)が広がる――



【半荘戦】


東一局 ドラ2m

東家 ひらく 25000

南家 ナオ 25000

西家 ふうろ 25000

北家 ひめる 25000


ひらく 配牌

[122m 24679p 679s 東北白]


 打、北。

 ドラ2。四向聴(スーシャンテン)

 起家(チーチャ)だ。形は悪いが、序盤から諦めるわけにもいかない。

 最速の和了(ホーラ)を目指す。

 牌理(ぱいり)を切り開く。


――――――――――

[122m 24679p 679s 東白][ツモ牌 8p]


 打、白。


[122m 246789p 679s 東][ツモ牌 3s]


 打、東。


[122m 246789p 3679s][ツモ牌 4s]


 打、1m。


[22m 246789p 34679s][ツモ牌 3p]


 打、9s。

――――――――――


[22m 2346789p 3467s][ツモ牌 ]


 一向聴(イーシャンテン)

 258s。3種12枚が有効牌である。

 確定メンツ、234p、6789p。雀頭、22m。メンツ候補、34s、67s。

 4メンツ1雀頭の5ブロック構成。面前手が主体となる。

 ひめるのツモ。

 打、中。


「ポン!」


 ふうろが[中中中→]と仕掛けてくる。

 一副露(ワンフーロ)

 打、發。

 ツモ。


[22m 2346789p 3467s][ツモ牌 5()p]


 打、4s。

 1-4-7p、58s。5種18枚待ちの一向聴(イーシャンテン)へと変化した。

 3467sの5s二度受けを切り捨てる。34sを落とす理由は、捨て牌から索子(ソウズ)の上側があると予想した。

 ツモ。


[22m 2345()6789p 367s][ツモ牌 8s]


「リーチ!」


 打、3s。

 1-4-7pの三面張(さんめんちゃん)

 リーチ、平和(ピンフ)、ドラ2。親の30符4(ハン)は11600点。高め1pは一気通貫(イッキツーカン)がつき、6翻は跳満(ハネマン)18000点の大物手である。

 先制の聴牌(テンパイ)。先手、超好形、高打点の三拍子が揃った最強リーチだ。

 ナオのツモ。

 打、9s。


「チー!」


 ふうろが再び[←978s]と仕掛けてくる。

 二副露(ツーフーロ)

 打、2p。

 無筋を強打。張ったか。

 ひらくのツモ。

 打、6p。

 ふうろのツモ。

 麻雀卓(フィールド)に牌を晒し、


「ツモ!」


 倒牌(とうぱい)。 


[67888m 23p][中中中→][←978s][ツモ牌 1p]


「中のみ。30符1(ハン)は300、500点だね!」



――――――――――

点棒移動


東家 ひらく 25000 → -500-1000(リーチ棒)→ 23500

南家 ナオ 25000 → -300 → 24700

西家 ふうろ 25000 → +1100+1000(リーチ棒)→ 27100

北家 ひめる 25000 → -300 → 24700

――――――――――



東二局 ドラ6s

北家 ひらく 23500

東家 ナオ 24700

南家 ふうろ 27100

西家 ひめる 24700


ひらく 手牌

[2467m 44688p 5()566s]


 ドラ3。七対子(チートイツ)二向聴(リャンシャンテン)

 2467m、6p。5種15枚が有効牌である。

 通常手としては三向聴(サンシャンテン)。358m、4578p、4567s。11種35枚が有効牌である。

 メンツ候補、24m、67m、44688p、5()566s。

 4メンツの4ブロック構成。面前手か喰いタンが主体となる。

 ドラ3なため、足の遅い七対子には決め打たな い。仕掛け重視の、速攻にも構える。

 ツモ。


[2467m 44688p 5()566s][ツモ牌 5p]


 打、4m。

 二向聴(リャンシャンテン)。25678m、568p、4567s。12種36枚待ち。

 24m切りが最効率。48pでは七対子(チートイツ)としての効率が落ちる。特に8pは、ポン材にもなるため重宝する。

 24mの嵌張(カンチャン)を払う。2mより危険な、4mから先打つ。


「ポン!」


 ふうろが[4↑44m]と仕掛けてくる。

 一副露(ワンフーロ)

 打、6s。


「ポン!」


 ひらくが仕掛け返す。

 同じく一副露。


[267m 445688p 5()5s][6↑66s]


 打、2m。

 58m、8p、5s。4種12枚の受け入れを持つ一向聴(イーシャンテン)となった。

 ナオのツモ。

 打、3m。


「チー!」


 ふうろが再び[←324m]と仕掛けてくる。

 二副露(ツーフーロ)

 打、6m。

 自身で鳴いた4mの、薄い部分を使い切ってきた。テクニカルな鳴き方だ。

 ……先を行かれた。追いつかないと……!

 ツモ。


[67m 445688p 5()5s][6↑66s][ツモ牌 8p]


 打、4p。

 5-8待ち聴牌(テンパイ)

 断么九(タンヤオ)、ドラ4。30符5(ハン)満貫(マンガン)8000点である。

 追いついた。

 高打点の追撃を開始する。

 ふうろのツモ。

 打、9p。

 ひらくのツモ。

 打、南。


「ロン!」


 ふうろ、倒牌(とうぱい)


[678s 南南發發][4↑44m][←324m][ロン牌 南]


「南、ドラ1。30符2(ハン)は2000点だね!」


 南と發のダブルバック。

 喰いタン仕掛けではなかった。


――――――――――

点棒移動


北家 ひらく 23500 → -2000 → 21500

東家 ナオ 24700

南家 ふうろ 27100 → +2000 → 29100

西家 ひめる 24700

――――――――――



東三局 ドラ白

西家 ひらく 21500

北家 ナオ 24700

東家 ふうろ 29100

南家 ひめる 24700


ひらく 手牌

[1235789m 13p 12s 白白]


 ドラ2、一向聴(イーシャンテン)

 2p、3s。2種8枚が有効牌である。

 確定メンツ、123m、789m。雀頭、白白。メンツ候補、13p、12s。

 4メンツ1雀頭の5ブロック構成。面前手か混全帯么九(チャンタ)が主体となる。

 123三色もつく。鳴いても4(ハン)ある、豪勢な牌姿(ぱいし)だ。

 ひめるのツモ。

 打、2p。


「チ――」


「ポン!」


 ふうろが[222→p]と仕掛けてくる。

 一副露(ワンフーロ)

 打、9s。

 重要牌の2pを奪われた。

 ツモ。


[1235789m 13p 12s 白白][ツモ牌 3p]


 打、1p。

 3p、3s、白。3種8枚待ちの一向聴へと変化した。

 三色ルートは捨て、白鳴きでの復帰を目指す。


「ツモ!」


 ふうろ、倒牌(とうぱい)


[45()666p 5()6788s][222→p][ツモ牌 8s]


断么九(タンヤオ)、ドラ2。親の30符3(ハン)は2000オールだね!」


 3-6p、8sの変則三面張(さんめんちゃん)



――――――――――

点棒移動


西家 ひらく 21500 → -2000 → 19500

北家 ナオ 24700 → -2000 → 22700

東家 ふうろ 29100 → +6000 → 35100

南家 ひめる 24700 →-2000 → 22700

――――――――――



東三局 一本場 ドラ北

西家 ひらく 19500

北家 ナオ 22700

東家 ふうろ 35100

南家 ひめる 22700


ひらく 手牌

[245()67m 2379p 3445s][ツモ牌 4s]


 打、9p。

 ドラ1。一向聴(イーシャンテン)

 3m、1p、4p。3種12枚が有効牌である。

 確定メンツ、5()67m、345s。雀頭、44s。メンツ候補、24m、23p。

 4メンツ1雀頭の5ブロック構成。面前手が主体となる。

 中膨れからの、珍しい雀頭(じゃんとう)が生まれた。あとはメンツの成形だけ。

 2mと9pの効率は変わらない。しかし断么九(タンヤオ)や234三色も見ての9p切りとなった。

 7pを残すのは、6p引きだけ好形になるからだ。

 4pは鳴く。

 片アガリを潰し、3m待ちの喰いタンをとる。

 ……愚形待ちになるけど、ふうろちゃんの勢いを止めないと……!

 ツモ。


[245()67m 237p 34445s][ツモ牌 8m]


 打、7p。

 369m、14p。5種19枚待ちの一向聴へと変化した。

 萬子(マンズ)が三面形に進化する。面前での好形リーチも望める展開となった。

 ツモ。


[245()678m 23p 34445s][ツモ牌 東]


 不要牌。ツモ切る。


「ポン!」


 ふうろが[東↑東東]と仕掛けてくる。

 一副露(ワンフーロ)

 打、9m。

 ダブ東を鳴かれた。しかし生牌(ションパイ)では、長く持っているほうが危険だ。

 ツモ。


[245()678m 23p 34445s][ツモ牌 1p]


「リーチ!」


 打、2m。

 3-6-9mの三面張(さんめんちゃん)

 リーチ、平和(ピンフ)、ドラ1。30符3(ハン)は3900点である。

 先制の聴牌(テンパイ)。超好形リーチで親落としにいく。

 ふうろのツモ。

 打、8m。

 ひらくのツモ。

 打、6s。

 強気の打牌。引く気はないようだ。

 ふうろ、ツモ。

 打、5p。

 ひらく、ツモ。

 開牌(かいぱい)


 九萬(キューマン)


「ツモ!」


 倒牌(とうぱい)


[45()678m 123p 34445s][ツモ牌 9m]


「リーチ、ツモ、平和(ピンフ)、ドラ1。20符4(ハン)1300、2600の一本場は1400、2700点です!」



――――――――――

点棒移動


西家 ひらく 19500 → +5500 → 25000

北家 ナオ 22700 → -1400 → 21300

東家 ふうろ 35100 → -2700 → 32400

南家 ひめる 22700 → -1400 → 21300

――――――――――



東四局 ドラ南

南家 ひらく 25000

西家 ナオ 21300

北家 ふうろ 32400

東家 ひめる 21300


ひらく 手牌

[23m 34788p 446s 南南北]


 ドラ2、三向聴(サンシャンテン)

 1234m、23456789p、456s、南、北。17種55枚が有効牌である。

 メンツ候補、23m、34p、788p、446s、南南。

 5メンツの5ブロック構成。自風牌(ジカゼハイ)南の仕掛けが主体となる。

 ふうろのツモ。

 打、南。


「ポン!」


 ひらくが仕掛ける。

 一副露(ワンフーロ)


[23m 34788p 446s 北][南↑南南]


 打、北。

 二向聴(リャンシャンテン)。14m、25689p、45s。9種32枚待ち。

 ドラ3の仕掛け。必ずアガリにいく。


「ポン!」


 ふうろが[北↑北北]と仕掛け返す。

 同じく一副露。

 打、6p。

 ツモ。


[23m 34788p 446s][南↑南南][ツモ牌 5p]


 打、6s。

 14m、689p、4s。6種20枚の受け入れを持つ一向聴(イーシャンテン)となった。

 鳴ける牌は、すべて鳴く。

 どこからでも両面の、最終形となる持ち方だ。

 ナオのツモ。

 打、3s。


「ポン!」


 ふうろが再び[333→s]と仕掛けてくる。

 二副露(ツーフーロ)

 打、3p。

 またも先行されたか。

 ひめるのツモ。

 打、4s。


「ポン!」


 ひらくが再び仕掛ける。

 同じく、二副露。


[23m 345788p][南↑南南][←444s]


 打、7p。

 1-4m待ち聴牌(テンパイ)

 南、ドラ3。30符4(ハン)は7700点である。

 追いついた。速度勝負だが、打点もある。

 ……アガれば、トップ目にも立てる……!

 ふうろのツモ。

 打、5m。

 ひらくのツモ。


[23m 345788p][南↑南南][←444s][ツモ牌 4s]


「カン!」


 4sの加槓(カカン)

 嶺上牌(リンシャンハイ)に手を伸ばす。


「ロン!」


「えっ……!?」


 和了(ホーラ)宣言に遮られた。

 ふうろ、倒牌(とうぱい)


[11234p 5()6s][北↑北北][←333s][ロン牌 4s]


槍槓(チャンカン)、北、ドラ1。30符3(ハン)は3900点だね!」



――――――――――

点棒移動


南家 ひらく 25000 → 21100

西家 ナオ 21300

北家 ふうろ 32400 → +3900 → 36300

東家 ひめる 21300

――――――――――





ふうろ 36300

ひらく 21100(-15200)

ナオ 21300

ひめる 21300



 ――南入(ナンニュウ)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 私の麻雀スタイル的には最初の配牌の時点でドラが1つ2つあったら、断么九か字牌で軽く速く上がる戦法をよく取ってますが、これは理にかなってますかね? 前にもこんな質問したと思いますけど・・雀魂…
[良い点] 今回はふうろとの攻防がですね。 鳴きのふうろか?ロジックのひらくか?勝つのはどちらか? 役満の中では四暗刻が確率的に出来やすく、四槓子が最も出来にくいそうです。私の持ってる確率本に書いてま…
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