さらなるベタオリ
「今回もベタオリを教えるさ。現物、筋、壁以外でも比較的安牌や、逆に危険牌を読んでみるさ」
「大切な守備の部分ですね! 頑張って覚えます!」
「まあ今までのよりは信頼度は落ちるんだけど……覚えておいて損はないさ」
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リーチ宣言牌の筋
捨牌
[南 發 1p 4m 6s 5p]
筋の安全度
①1mと9s
②7mと3s → ペンカンチャンがあるため通常よりも当たりやすい筋
③2pと8p →カンチャンだけなのだが、リーチ宣言牌の筋は一番危険
これは[135]や[579]の形からのリーチがあるため。
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「リーチ宣言牌の筋だけは、危険だと覚えておくんさ。他に安牌がないときだけ、打つようにするんさ」
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筋が通りにくい河
捨牌
[4m 6s 5p 1p 發 南]
セオリーとは反対の手順。
こんな河は七対子の可能性が高い。筋だからと、簡単に打たないようにする。
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「チートイツっぽいと感じたら、簡単に幺九牌を打たないようにするんさ。河に2枚切れの牌は、チートイツの待ちに選ばれにくくて比較的安全さ」
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裏筋
[134m 34578p 568s 西西]とあったら、牌効率的に1mや8sが不要になりやすい。このときの2-5mや4-7sが最後まで残ると危険筋だという考え方。
捨牌
[南 9p 1p 5m 7s 東]
つまりこれだと7sの裏筋3-6s。5mの裏筋1-4、6-9。1pの裏2-5p。9pの裏筋5-8pのどれかが待ちの可能性がある。
裏筋一覧
捨牌1と6 → 2-5
2と7 → 3-6
3と8 → 4-7
4と9 → 5-8
5 → 1-4、6-9
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「ただこれだと的が絞れない上に、そうでないことも多いから、あまり気にする必要もないさ。考え方の一つとして覚えておくだけでいいさ」
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間四軒
二つの裏筋が河に並ぶと危険だという説
捨牌
[南 發 1s 6s 4m 5p]
1sと6sはどちらも2-5sの裏筋。
つまり[1346s]の形から打たれているため、2-5sの危険性が増す。
間四軒一覧
捨て牌 1と6 → 2-5
2と7 → 3-6
3と8 → 4-7
4と9 → 5-8
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「個人的には間四軒なってると気になるさ」
「私もちょっとだけ気にしてみようと思います!」
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跨ぎ筋
捨牌
[南 發 1p 4m 6s 5p]
捨て牌を跨いだ筋のこと。
この捨牌だと5pの跨ぎ3-6p、4-7pの両面が危険牌だという考え方。
理屈は[455p]や[556p]の形から打たれた可能性のある宣言牌だから。
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「個人的には危険だと思うけど、これだってそうじゃない可能性はたくさんあるさ」
「裏筋程度の信憑性でしょうか?」
「ド終盤の跨ぎ筋だけは、避けたほうが無難なような気がするさ」
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早い数牌の外
[南 2m 發 4m 6s 5p]
早い2mの外側1mが安全という説。
理屈は[223m]の好形を持っている状態なら、こんなに早く打たれるとは、牌効率的に考えにくいから。
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「意外と当たらないと思うさ。たまに他人がそう考えるから『迷彩』で早切りするタイプもいるけど……」
「テンパイ効率を下げてまでするには、見合わない気がしますね。つまり良い理論です!」
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リーチ宣言牌の28の前に、その筋牌を打たれている。
[南 發 5p 4m 6s 2p]
2pの前に、筋5pを先打ち。
この場合1pの危険性が跳ね上がる。
手牌の5より2を大事にするパターンは裏筋[2235]や[112]の形が多いから。両面とシャボ、どちらにしろ1が危険。
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「これはよくあるパターンだから、気を付けたほうがいいさ」
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5切りリーチに1-4、6-9は通りやすい
理屈は一向聴まで[235]や[578]などの形で持っていることが少ないから。
[235m 678p 4578s 西西北][ツモ牌 3s]
こんな手牌で、浮いている5mを最後まで持っているとは考えにくい。
赤5切りリーチには逆に危険
[235m 678p 4578s 西西北][ツモ牌 3s]
4m引きに期待して、最後まで持っている可能性がある。同様に[578]の形もある。
さらに28筋も危険。通常の5でも危険だが[135]や[579]の形は良くある。
5切りリーチに、37は比較的安全
[455m 123p 34789s 西西][ツモ牌 2s]
この形からの打、5mリーチは通常考えにくいから。
[335m 123p 34789s 西西][ツモ牌 2s]
こうなっていても3m切りが多い。
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「通常5切りリーチに1-4、6-9は無筋でも意外と通るさ。5切りに37も高確率で通るさ。でもそれは緊急事態のときだけさ」
「ベタオリの基本は、現物ですからね」
「最後に鳴いた直後の、捨牌読みも教えておくさ」
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鳴き読み
チー出しは捨牌の『跨ぎ筋』が多い。
例①
[56678m 556p 23488s]
4mチー。
[678m 556p 23488s][←456m]
打、5p。
4-7p待ち。
例②
[56678m 455p 23488s]
4mチー。
[678m 455p 23488s][←456m]
打、5p。
3-6p待ち。
ポン出しは捨牌を『跨がない』待ちが多い。
例①
[56678m 556p 23488s]
8sポン。
[56678m 556p 234][888s]
打、6p。
4-7m待ち。
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「チー出しは回りが多く、ポン出しは違う箇所が多いんさ。絶対じゃないけど、シンプルな割に実戦では意外と役立つから覚えておくといいさ」
「はい! 数は多いですけど、少しずつ覚えていきます!」
「ここまでのベタオリを使いこなせるか……試してみるさ!
ナオが雀リングを起動する。
「セットアップ! 雀牌!!」
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【一局戦】
東一局 ドラ2m 5巡目
東家 AI1 25000
南家 AI2 25000
西家 ひらく 25000
北家 AI3 25000
ひらく 手牌
[77899m 2345p 1135s]
ドラ0。一向聴。
「リーチ」
AI1からの先制リーチ。
打、8p。
後手に回る。
ツモ。
[77899m 2345p 1135s][ツモ牌 9p]
AI1の河を見る。
捨牌
[發 南 4s 6p 8p]
露骨な6p先切り。
嵌張落としに見えなくもないが、
……それでも今の手牌では押せない……。
ベタオリ。
退路を切り開く。
[77899m 2【3】459p 【11】35s]
打、1s。
4s筋で巡目も通る 、1sを選択する。
巡目が進み、再び安牌を探す。
捨牌
[發 南 4s 6p 8p 西 1p 6m]
[778【999】m 2【3】45【9】p 35s][ツモ牌 中]
打、9m。
安全に三連打する。
安牌が増え、麻雀卓の安全が確保された。
流局。親のリーチは不発に終わる。
AI1が手牌を晒す。
[123m 23499p 567s 中中]
9p、中のシャボ待ち。
―― success ――
【第2問】
東三局 ドラ北 6巡目
西家 ひらく 37000
北家 AI1 28000
東家 AI2 22000
南家 AI3 13000
ひらく 手牌
[6668m 137p 3345s 發發]
ドラ0。二向聴。
「リーチ」
AI3からの先制リーチ。
打、1s。
AI3 捨牌
[4s 5m 4p 6s 白 1s]
典型的な七対子の河。
打点も二向聴では勝負にならない。トップ目として、放銃を避ける。
ベタオリ。
退路を切り開く。
[666【8】m 【1】3【7】p 【33】45s 發發][ツモ牌 北]
筋はあるが、こんな河では信用できない。対子の發すら、当たる可能性は否めない。
ひらくの選択。
打、6m。
通れば3巡の安全が買え、七対子の待ちとして選ばれにくい6mを打つ。6mを打ち切っても安牌が増えなければ、3sを切る。
七対子のリーチ宣言牌1sで、3s待ちにするケースは少ない。普通は3sを切っての、1s単騎待ちのはずだ。
巡目が進む。
[【8】m 【1】3【7】p 【33】45s 北發發發發][ツモ牌 1m]
4枚使いで、發の単騎待ちが否定された。
發の槓子落としで、放銃を回避した。
流局。
AI3が手牌を晒す。
[2299m 1188p 55s 東東北]
ドラ北単騎待ち。
―― success ――
【第3問】
南四局 ドラ2s 7巡目
南家 AI1 30000
西家 ひらく 40300
北家 AI2 17000
東家 AI3 12700
ひらく 手牌
[257m 12778p 68999s]
ドラ0、二向聴。
「リーチ」
AI1からの先制リーチ。
打、5s。
AI3 捨牌
[西 1m 南 8m 6m 3p 5s]
[257m 12778p 68999s][ツモ牌 2s]
ドラ2sは筋だが、リーチ宣言牌がこれでは怪しい。
現在2着目との、10300点差。満貫ツモでも、順位は落ちない。ここで無理して放銃するほうが、捲られやすくなる。
ベタオリ。
退路を切り開く。
[257m 12778p 【2】6【8】999s]
安牌0。筋牌は2sか8s。
これでは安全とはいえない。もっと視野を広げる。
AI2 捨牌
[北 白 1s 9p 【8s】 9m]
AI3 捨牌
[2p 【8s】 發 1m 【8s】 6p]
他家の捨て牌に、8sが3枚。
[257m 12778p 【2】6【8】999s]
手牌の1枚と合わせ4枚となる。
5s切りに6-9sは危険だが、8sの壁となった今、この両面が否定された。
9sは通る。
9sの三連打。
AI2のツモ。
打、2s。
「ロン」
AI1、倒牌。
[123567m 345p 1366s][ロン牌 2s]
リーチ、ドラ2。40符3翻は5200点である。
もしも2sで放銃していたら、捲られていた。
―― success ――
「様々なパターンに対応することで、ひらくのベタオリ能力も鍛えられてきたようさ」
「ダメな手牌のときに、簡単に点棒を渡さない技術……ベタオリの精度が、勝敗に直結する局面も多いですね」




