ベタオリ 筋壁編
「今回はベタオリの方法を教えるさ」
「あれ? 再登場ですね?」
「ひらくに教えたのは、あくまでベタオリの基礎だからさ。今まで教えたのは、覚えているかさ?」
「はい、もちろんです! リーチ者の現物と、リーチ後に打たれた牌は安牌になります! あと現物の中でも『リーチ者だけに通ってる牌』から順番に打ちます!」
「正解さ。じゃあ、これならどうなるさ?」
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東一局 西家 ドラ5s 6巡目
東家からの先制リーチ
手牌
[1113577m 8p 3489s 東][ツモ牌 2p]
東家の捨て牌
[南 發 1p 4m 6s 5p]
――――――――――
「ベタオリしようにも、現物が1枚もありませんね……」
「そうなんさ。ただこの中で、ほぼ確実に通る牌があるんさ。それが4mの筋1mさ」
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東家の捨て牌
[南 發 1p 4m 6s 5p]
東家の手牌(仮)
[23m 456789p 123s 西西][1-4m待ち]
麻雀には、自分の捨て牌を含む形をロンをアガりできない、ルールがある。これを振聴という。
つまり(仮)のような手牌では、ロンアガりできない。1-4mではアガられないため、4mを捨てた河に1mは通りやすい状態となっている。
手牌
[【111】35【77】m 【28】p 【3】48【9】s 東]
1-4mと同様に4-7mも筋となっている。
さらに5pを捨てたことで2-5-8pの筋が通りやすい。
6sも捨ててあるため、3-6-9sも通りやすい。
1-4-7、2-5-8、3-6-9の3パターンの筋を覚えておくと、比較的に安全な牌を選べる。
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「麻雀は確率の良い『両面待ち』を作るゲームさ。そのメカニズムを逆手にとって、筋に安全性を求めるって思考なんさ」
「常に現物ばかり持っていませんからね。これだけ筋があれば、安牌候補が増えそうです」
「ただし麻雀は、全部が両面待ちってわけじゃないさ。筋だからといって、絶対に安全じゃないんさ」
「あくまで現物が最優先ってことですね」
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東一局 西家 ドラ5s 6巡目
東家からの先制リーチ
手牌
[111222m 67p 4478s 東][ツモ牌 2m]
東家の捨て牌
[南 發 1p 6s 5p 3m]
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「今度は筋すらありませんね」
「そうなんさ。ただこの中で、ほぼ確実に通る牌があるんさ。それが2mの壁1mさ」
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[111222m 67p 4478s 東][ツモ牌 2m]
自身の手牌に2mが4枚見えているため、相手が2mを持っていないことがわかる。
東家の手牌(仮)
[23m 456789p 123s 西西][1-4m待ち]
2mがない以上、この形は物理的に有り得ない。
1-4m両面の可能性が否定されたため、1mは通りやすい。
4枚見えた数牌の外側の牌を、『壁』という。
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「もちろん自分の手牌じゃなくてもいいんさ。とにかく4枚見えた牌の外側は、当たる確率が低いってことさ」
「両面待ちでないことも考えると、筋のように絶対ではないけど……安牌探しに役立つ知識なのは間違いありませんね」
「新しいベタオリ法も習ったし、早速練習してみるさ」
ナオが雀リングを起動する。
「セットアップ! 雀牌!!」
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【練習モード】
東一局 ドラ北 6巡目
東家 AI1 25000
南家 AI2 25000
西家 AI3 25000
北家 ひらく 25000
ひらく 手牌
[24688m 155p 24689s]
ドラ0。四向聴。
「リーチ」
AI1からの先制リーチ。
打、6p。
後手に回る。
打点もなく、形も悪い。これではとても勝負にならない。
ベタオリ。
退路を切り開く。
AI1 捨牌
[西 東 1s 5m 5s 7p]
現物は0枚。
[【2】46【88】m 155p 【2】56【8】9s][ツモ牌 9p]
28m、28s。5枚の筋牌。
1枚通れば次巡も通る、8mから先打つ。
8mの連打。
[【2】46m 1559p 【2】56【88】9s][ツモ牌 【1】s]
打、1s。
現物を打って凌ぐ。
「ツモ」
AI1の倒牌。
[123m 33378p 567s 南南][ツモ牌 9p]
リーチ、ツモ、ドラ1。親の30符3翻は2000オールである。
―― success ――
【第2問】
南一局 ドラ北 7巡目
東家 AI1 17700
南家 AI2 20000
西家 AI3 20000
北家 ひらく 42300
ひらく 手牌
[579m 77899p 13555s]
ドラ0。二向聴。
「リーチ」
AI2からの先制リーチ。
打、2m。
後手に回る。
愚形だらけで勝負にならない。トップ目として放銃も避けたいところだ。
ベタオリ。
退路を切り開く。
AI2 捨牌
[東 南 8s 2s 9s 1p 2m]
現物は0枚。端牌の筋もない。
[579m 77899p 13【555】s][ツモ牌 8m]
5sは捨牌2sと8sの、中筋に当たる牌。1枚通せば3巡の安全が買える。
5sの三連打。
AI2のツモ。
打、8p。
「ポン」
AI3が[←888p]と仕掛けてくる。
一副露。
打、1m。
ツモ。
[57889m 577【899】p 13s][ツモ牌 5m]
打、8p。
通ったばかりの現物を打つ。さらにAI3の8pポンで、8pが4枚見えとなった。
8pの壁である、9pが通しやすくなった。
AI2のツモ。
打、4p。
これで新たな筋牌7pもある。
安牌には困らないだろう。
「ツモ」
AI2、倒牌。
[2267m 234456p 北北北][ツモ牌 8m]
リーチ、ツモ、ドラ3。30符5翻は満貫2000、4000点である。
―― success ――
【第3問】
南三局 ドラ北 6巡目
西家 AI1 13700
北家 AI2 20000
東家 AI3 18000
南家 ひらく 48300
ひらく 手牌
[357m 222333p 1336s]
ドラ0。二向聴。
AI2のツモ。
「カン」
1pの暗槓。
打、中。
AI3のツモ。
「カン」
4pの暗槓。
打、中。
「リーチ」
AI1からの先制リーチ。
打、白。
後手に回る。
トップ目の現状で、放銃だけは必ず避ける。
ベタオリ。
退路を切り開く。
AI1 捨牌
[北 南 9p 1m 9s 白]
現物は0枚。筋牌もない。
[357m 【222333】p 1336s][ツモ牌 發]
1pと4pの暗槓により、ダブル壁が生まれている。
この23pが当たる確率は低い。
六連打で乗り切る。
その間に現物を引き入れ、安全なベタオリルートを確保した。
流局。
AI1が牌を倒す。
[345m 678p 33789s 發發]
3s、發のシャボ待ち。
AI1の一人テンパイ。
―― success ――
「捨牌をよく見れば、筋や壁などの安牌を探し出せることもあるさ」
「ベタオリする場面では、手牌の構成を放棄して全力で麻雀卓を確認するべきですね!」




