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まーじゃん! ~麻雀部 はじめました~  作者: 雀太郎
第3章 麻雀と戦略
38/55

山読み 色読み

 ひらくは、部室で待機していた。


「前回の復習をすると……両面では8割以上リーチにいくのが正解みたい。でも2割のダマテンを間違えても、それほど響かないことも多いのかな。リーチにするべき手をダマテンにしない、ことだけ気をつけなくちゃ……」


「リーチをするにしても、万全の構え方はある」


「ひゃあっ!? ひ、ひめるちゃん……な、なんで足元から……?」


「机のタイムマシンでやってきた」


「そんな未来のネコ型ロボットじゃあるまいし……。ずっと机の下にいたの? えっ、その、見えてないよね……?」


「そう。麻雀には普段見えない部分を、予測する技術がある。『山読み』っていうの」


――――――――――

東一局 東家 ドラ白 6巡目


[3489m 3478p 389s 西西][ツモ牌 4s]

――――――――――


「ここから何を切る?」


「89mと89s、どちらかの辺張(ペンチャン)落としだよね……?」


「でもどちらがいいか、比較する材料は手牌にない。ここで他家(ターチャ)の捨て牌を見てみる」


――――――――――

下家(しもちゃ) 捨て牌

[東 南 9m 1p 4p]


対面 捨て牌

[發 西 9p 6m 3p]


上家(かみちゃ) 捨て牌

[中 北 9m 1p 1m]

――――――――――


「69mで、みんな早くから萬子(マンズ)の上側を切ってるね」


「こういう(カワ)のときは、78mが牌山に残っていることが多いの」


――――――――――

9mが早い=9mは不要牌


9mが不要牌となりやすい形は、


①孤立牌


②[69m]と持っているときの[筋 9m]


③[689m]の[筋 9m]

――――――――――


「基礎でやった麻雀のメカニズムを、逆手に取った考え方」


「6mを捨ててる人が7mを持ってるなんてあまりないよね。667mでも好形ターツが、そんなに早く切り出されたりしないから」


「うん。だからさっきの手牌……」


――――――――――

東一局 東家 ドラ白 6巡目


[3489m 3478p 389s 西西][ツモ牌 4s]



下家(しもちゃ) 捨て牌

[東 南 9m 1p 4p]


対面 捨て牌

[發 西 9p 6m 3p]


上家(かみちゃ) 捨て牌

[中 北 9m 1p 1m]

――――――――――


「答えは89sのペンチャン落とし」


「手牌だけに囚われていたら、見つけられない手順なんだね」


「もう一つは『色読み』の技術。あれから手が進んで……」


――――――――――

東一局 東家 ドラ白 9巡目


[34789m 3478p 34s 西西][ツモ牌 9p]

――――――――――


「何を切る?」


「メンツオーバーだから34m、34p、34sのどれかを外したいけど……」


「でもどれがいいか、比較する材料は手牌にない。ここでもう一度、他家(ターチャ)の捨て牌を見てみる」


――――――――――

下家(しもちゃ) 捨て牌

[東 南 9m 1p 4p 3m 2p 5m]


対面 捨て牌

[發 西 9p 6m 3p 4m 1p 7p]


上家(かみちゃ) 捨て牌

[中 北 9m 1p 1m 7m 5p 3m]

―――――――――


「捨て牌が萬子(マンズ)筒子(ピンズ)ばっかり……!?」


「そう。今の場況(ばきょう)は萬子と筒子の色が安い状態で、索子(ソウズ)が場に高い色」


「安い色は他家(ターチャ)に使われていなくて、高い色だと使われている可能性があるってことなんだ……!」


「つまり、さっきの手牌は……」


――――――――――

東一局 東家 ドラ白 9巡目


[34789m 3478p 34s 西西][ツモ牌 9p]



下家(しもちゃ) 捨て牌

[東 南 9m 1p 4p 3m 2p 5m]


対面 捨て牌

[發 西 9p 6m 3p 4m 1p 7p]


上家(かみちゃ) 捨て牌

[中 北 9m 1p 1m 7m 5p 3m]

―――――――――


「答えは34sの両面ターツ落とし」


「相手の捨て牌から、牌山に残っている牌を予測する……これが山読みの技術なんだね!」


「あくまで予測だから、過信は禁物だけど……実戦の待ちで役立つことも多い」


 部室のドアが開く。

 ナオとふうろがやってきた。

 ひめるが(じゃん)リングを構え、


「集まったから、早速やってみよ」


 起動した。


「セットアップ雀牌(じゃんぱい)




 麻雀(うちゅう)が広がる――




【一局戦】


東一局 ドラ1m

東家 ふうろ 25000

南家 ナオ 25000

西家 ひらく 25000

北家 ひめる 25000


ひらく 配牌

[1267m 3489p 67s 東西白]


 ドラ1、四向聴(スーシャンテン)

 両面塔子(ターツ)が3つ。まずまずの形となった。

 牌理(ぱいり)を切り開く。


――――――――――

[1267m 3489p 67s 東西白][ツモ牌 白]


 打、東。


[1267m 3489p 67s 西白白][ツモ牌 3s]


 打、西。


[1267m 3489p 367s 西白白][ツモ牌 南]


 打、南。


[1267m 3489p 367s 白白][ツモ牌 3p]


 打、3s。

――――――――――


[1267m 33489p 67s 白白]


 ドラ1。三向聴(サンシャンテン)

 358m、2357p、58s、白。18種36枚が有効牌である。

 メンツ候補、12m、67m、334p、89p、67s、白白。

 6メンツのフルブロック構成。白の仕掛けが主体となる。

 ふうろのツモ。

 打、白。


「ポン!」


 ひらくが仕掛ける。

 一副露(ワンフーロ)


[1267m 33489p 67s][白↑白白]


 12mか89pの辺張(ペンチャン)外し。ドラ含み1mのターツを重視する。

 打、8p。

 ツモ。


[1267m 3349p 67s][白↑白白][ツモ牌 1m]


 打、9p。

 二向聴(リャンシャンテン)。1358m、235p、58s。9種32枚待ち。

 1m、3pも鳴ける形。特にドラ1mが、美味しい。

 ツモ。


[11267m 334p 67s][白↑白白][ツモ牌 2p]


 打、2m。

 58m、58s。4種16枚の受け入れを持つ一向聴(イーシャンテン)となった。

 ドラの雀頭(じゃんとう)固定。2334pも2メンツへの振り替わりがある。

 ツモ。


[1167m 2334p 67s][白↑白白][ツモ牌 1p]


 67m、34p、67sの選択。ひらくは捨て牌に目をやる。


――――――――――

ふうろ 捨て牌

[北 中 9s 東 2s 6p 3m]


ナオ 捨て牌

[西 發 東 2m 2p 7p 6s 8s]


ひめる 捨て牌

[南 9p 南 中 1p 3s 1s 7s]

――――――――――


 索子(ソウズ)の上側と、筒子(ピンズ)が比較的に安め。萬子(マンズ)は高く、上側がまったく出ていない。


[1167m 2334p 67s][白↑白白][ツモ牌 1p]


 打、6m。

 67m外しを選択。

 ツモ。


[117m 12334p 67s][白↑白白][ツモ牌 5p]


 打、7m。

 5-8s待ち聴牌(テンパイ)

 白、ドラ2。30符3(ハン)は3900点である。

 先手をとった。

 索子(ソウズ)の58sは、牌山にありそうだ。すぐにでも、決着をつける。


「ツモ!」


 ひらく、倒牌(とうぱい)


[11m 123345p 67s][白↑白白][ツモ牌 8s]


「白、ドラ2。30符3翻は1000、2000点です!」



――――――――――

点棒移動


東家 ふうろ 25000 → -2000 →23000

南家 ナオ 25000 → -1000 → 24000

西家 ひらく 25000 → +4000 → 29000

北家 ひめる 25000 → -1000 → 24000

――――――――――



東二局 ドラ南

北家 ふうろ 23000

東家 ナオ 24000

南家 ひらく 29000

西家 ひめる 24000


ひらく 手牌

[7m 1122389p 267s 中中]


 ドラ0。二向聴(リャンシャンテン)

 確定メンツ、123p。メンツ候補、12p、89p、67s、中中。

 5メンツの5ブロック構成。中の仕掛けが主体となる。

 形は良くない。だが1翻でもアガれば、30000点に届く。アガリトップを目指す。

 ツモ。


[7m 1122389p 267s 中中][ツモ牌 7m]


 打、2s。

 二向聴(リャンシャンテン)。7m、3789p。5678s、中。10種31枚待ち。

 七対子(チートイツ)としても二向聴のため、通常よりも受け幅は広い。

 ツモ。


[77m 1122389p 67s 中中][ツモ牌 6s]


 打、3p。

 89p、7s。3種9枚の受け入れを持つ一向聴(イーシャンテン)となった。

 一盃口(イーペーコー)に見切りをつけ、七対子へと向かう。

 3p切りの理由は、(カワ)筒子(ピンズ)の下が高い色だから。

 ……それにひめるちゃんの捨て牌が……!


――――――――――

ひめる 捨て牌


[5p 4m 6p 5s 3s 2m 9s 發]

――――――――――


 中張牌(チュンチャンパイ)から切り出し。色にも偏りもない。

 完全に七対子の河だ。

 待ち牌を対子(トイツ)で持たれていることもある。それなら同じく縦に伸ばしたほうが、早いと踏んだ。

 ……狙い目は萬子(マンズ)筒子(ピンズ)の上……?

 ツモ。


[77m 112289p 667s 中中][ツモ牌 8m]


 打、7s。

 ひめるのツモ。

 打、9m。

 9mの手出し。

 ……8mの対子(トイツ)……?

 ツモ。


[778m 112289p 66s 中中][ツモ牌 8p]


 打、8m。

 9p単騎待ち。

 七対子(チートイツ)のみ。25符2(ハン)は1600点である。

 1000点で30000点を越えるため、リーチする必要はない。ダマテンで9pを狙い打つ。

 おそらくひめるも、聴牌(テンパイ)している。

 ダマテン同士、静かな捲り合いへと突入する。

 ひらくのツモ。

 打、5s。

 ひめるのツモ。

 打、東。

 9pは1枚切れだが、牌山にいるはず。

 ひらく、ツモ。

 打、南。


 ドラ南。


 七対子への危険牌だが、南待ちに替えてはアガれる可能性も低くなる。

 ここはドラでも押す。


 打、南。


 声は掛からない。

 南、通し。

 ひめる、ツモ。


「ツモ」


 倒牌。


[3388m 33p 44s 南南北北白][ツモ牌 白]


「ツモ、七対子(チートイツ)、ドラ2。25符5(ハン)満貫(マンガン)2000、4000点」



――――――――――

点棒移動


北家 ふうろ 23000 → -2000 → 21000

東家 ナオ 24000 → -4000 → 20000

南家 ひらく 29000 → -2000 → 27000

西家 ひめる 24000 → +8000 → 32000

――――――――――




1位 ひめる 32000

2位 ひらく 27000

3位 ふうろ 21000

4位 ナオ 20000



 ―― (しゅう) (きょく) !!




 ナオが麻雀卓(フィールド)を見返し、


「白は2枚切れの地獄単騎……場況(ばきょう)のいい9mを切るなんて、ひめるにしては珍しい待ちなんさ」


「今日は特別。白はアヤ牌なの」


「なんのアヤなんさ?」


 ひらくが慌てて割って入り、


「ナ、ナオ部長! 至急教えてほしい箇所があるんです!」


「それはいいけど……なんで顔を赤くしてんさ?」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 河を見て判断するようにもしてますが、リアルだとスピードが速いのでゆっくり見てる暇が無いので今は充分に見れませんね・・。 経験値重ねないと周りを見る余裕が出来ませんな・・ 自分が役を勧めて合…
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