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まーじゃん! ~麻雀部 はじめました~  作者: 雀太郎
第3章 麻雀と戦略
37/55

リーチ・ダマテンの判断

「ひらくはもう麻雀の基礎について、大体覚えたと思うんさ。ただ教えたものの大半は、あくまで『一人の麻雀』なんさ。4人で麻雀をすれば、効率通りにいかないことも山ほどあるさ」


「ポイントマッチや東風戦でも、そういう局面がありました」


「これからは場況(ばきょう)も見据えた上での思考や、応用の技術を中心に教えるさ」


「はい! とても楽しみです!」


「大前提として、ここからの教えは『絶対』ではないことを知っていてほしいんさ。麻雀は十人十色(じゅうにんといろ)……運も絡むから、絶対の正着といえる部分も多くはないんさ」


「ときには効率を超えた、感覚も必要ということですね。ナオ部長たちが教えてくださるのは、そんな麻雀をする上での基盤ということでしょうか」


「良い捉え方だと思うさ! まず最初は『リーチの判断』さ!」


「今までは聴牌(テンパイ)したら大体リーチでしたけど……」


「その判断で合ってるさ。リーチ麻雀好きとしては、どんどんリーチを打ってほしいんさ。ただ口頭だけではわかりにくいから、リーチするべき手を例題にしてみるさ」


――――――――――

①先制+低打点+両面以上の好形テンパイ


[123m 34p 123777s 西西]


リーチは麻雀の最強役。基本的にリーチする。



②先制+高打点+好形テンパイ


ドラ7s


[123m 34p 123777s 西西]


 ドラ3。①よりも更にリーチする。

 ドラ1~2個でも同様。特に平和(ピンフ)をつけたりしてリーチを含めた2~3(ハン)のリーチが理想的。



③先制+高打点+愚形テンパイ


ドラ7s


[123m 234p 13777s 西西]


 好形同様にリーチ。

 特に13sのような手には両面変化が4sしかないため、迷わずリーチ。

 ドラ1~2個でも同様。



④後手+高打点+好形テンパイ


ドラ7s 親から先制リーチが入った状態。


[123m 334p 23777s 西西][ツモ牌 1s]


 打、3p。リーチ。

 ドラ3は基本的にまっすぐ行く。

 ドラ1~2個でも同様。



⑤後手+高打点+愚形テンパイ


ドラ7s 親から先制リーチが入った状態。


[123m 334p 13777s 西西][ツモ牌 2p]


 打、3p。リーチ。

 ドラ3は愚形でも、基本的にまっすぐ行く。

 ドラ2個でも同様。ドラ2でリーチ以外の役ありに取れるときだけは、ダマテンもあり。



⑥後手+低打点+好形テンパイ


ドラ0。親から先制リーチが入った状態。


[123m 334p 23777s 西西][ツモ牌 1s]


 微妙。3pが安牌なら、ダマテンで押す価値はあり。



⑦後手+低打点+愚形テンパイ


ドラ0。親から先制リーチが入った状態。


[123m 334p 13777s 西西][ツモ牌 2p]


 基本オリ。3pが安牌なら、ダマテンで1順だけ押す価値がある。危険牌を引いたら、即ベタオリすること。

――――――――――


「似ているようで、微妙に違うんさ。でも大体はリーチさ」


「とにかく先制だけは、リーチを譲れませんね!」


「ところが、そうでもない場合もあるんさ。ここに『ある条件』が加わると、違ったリーチ判断が求められるんさ」


――――――――――

①先制+高打点+好形テンパイ


ドラ7s 持ち点5000。ラス目。


[123m 345()67p 12377s]


 負けているときは、必ずリーチ。

 ドラ1~2。愚形でも同様。



②先制+高打点+好形テンパイ


ドラ7s 持ち点50000。トップ目。


[123m 345()67p 12377s]


 断トツの点数状況では、平和(ピンフ)のダマテンでいい。



③後手+高い打点+好形テンパイ


ドラ7s 持ち点50000。トップ目。


 ラス目からのリーチ。


[123m 334p 23777s 西西][ツモ牌 1s]


 放銃(ほうじゅう)すると他家(ターチャ)との差が詰まりやすいため、ラス目とは戦わない選択もあり。

 2着目などにも同様。点差次第では押す。20000点以上の差なら押さない。



④先制+高打点+好形テンパイ


ドラ7s 持ち点37000。トップ目。


南四局、オーラス。2着目と1500点差。


[123m 345()67p 12377s]


 アガリトップなため、リーチする必要性がない。平和(ピンフ)のダマテン。役なしはリーチ。低打点、愚形でも同様。

 自身が2着目の場合でも『逆転できる点差』なら、リーチの必要はない。

――――――――――


「そのときの場況(ばきょう)や持ち点でも違ってきますね……」


「もっというと『待ちの枚数』が少ないとダマテンだったり、親の満貫(マンガン)や子の《ハネマン》以上はダマテンって判断もあるさ」


――――――――――

①先制+高打点+好形テンパイ


東一局 ドラ7s 持ち点25000。


[123m 1235()6p 12377s]


 平和(ピンフ)、三色、ドラ3。跳満(ハネマン)12000点。ただしリーチ、ツモで倍満(バイマン)にいくのもあり。



②先制+高打点+愚形テンパイ


東一局 ドラ7s 持ち点25000。


[123m 123p 1235()777s]


 三色、ドラ4。56s待ち。跳満(ハネマン)12000点。アガリやすいダマテンにするべき。



③先制+高打点+愚形テンパイ


東一局 ドラ7s 持ち点25000。


[123m 13567p 12377s]


 三色、ドラ2。満貫(マンガン)8000点あるため、ダマテンが良手。

――――――――――


「こんなふうに様々な状況があるんさ。しかも個人によってリーチ・ダマテンの判断も微妙に違うんさ」


「的確な判断が求められますね。冷静に場を見られるように、打牌も重ねていきたいです」


「コツは二つさ。『自分にとって得する条件』かどうかを考えること。『中途半端なダマテン』にはしないこと」


「ダマテンにする意味を追求することで、同時にリーチ判断も冴えるかもしれませんね!」


「色々と語ったけど、理論だけでは経験にはならないさ。練習モードを使って、様々な場況(ばきょう)を経験してもらうんさ!」


 ナオが(じゃん)リングを起動する。


「セットアップ! 雀牌(じゃんぱい)!!」



――――――――――

【練習モード】


東一局 ドラ西

東家 ひらく 25000

南家 AI1 25000

西家 AI2 25000

北家 AI3 25000


ひらく 配牌

[267m 27p 14567s 南西西白]


 打、南。

 ドラ2、四向聴(スーシャンテン)

 開局したばかりの平場。親番なため、最速の聴牌(テンパイ)を目指す。

 牌理(ぱいり)を切り開く。


――――――――――

[267m 27p 14567s 西西白][ツモ牌 2s]


 打、白。


[267m 27p 124567s 西西][ツモ牌 4p]


 打、2m。


[67m 247p 124567s 西西][ツモ牌 3s]


 打、7p。

――――――――――


[67m 24p 1234567s 西西]


 ドラ2。一向聴(イーシャンテン)

 確定メンツ、1234567s(2ブロック)。雀頭、西西。メンツ候補、67m、24p。

 4メンツ1雀頭の5ブロック構成。面前手が主体となる。

 ドラ雀頭(ヘッド)平和(ピンフ)が本線。24pの愚形から、なんとかしたい。だが58m引きは3pリーチを打つ。

 ツモ。


[67m 24p 1234567s 西西][ツモ牌 西]


 打、4p。

 58m、2p、147s。6種20枚の受け入れを持つ一向聴(イーシャンテン)となった。

 最効率は147s切りの7種24枚。しかし最終形の弱さを考え、24p愚形を落とす。

 ツモ。


[67m 2p 1234567s 西西西][ツモ牌 5m]


「リーチ!」


 打、2p。

 1-4-7s待ち聴牌(テンパイ)

 リーチ、ドラ3。親の40符4(ハン)満貫(マンガン)12000点である。

 先制、高打点、好形。平場の状態で、リーチしない理由は皆無だ。

 牌勢(ぱいせい)にツモが応える。


「ツモ!」


 ひらく、倒牌(とうぱい)


[567m 1234567s 西西西][ツモ牌 1s]


「リーチ、ツモ、ドラ3。親の40符5(ハン)満貫(マンガン)12000点です!」



 ―― success ――



【第2問】


南四局 ドラ5s

南家 AI1 28000

西家 AI2 15000

北家 AI3 5000

東家 ひらく 52000


ひらく 手牌

[12368m 123p 5()5699s]


 ドラ3、一向聴(イーシャンテン)

 確定メンツ、123m、123p。雀頭、99s。メンツ候補、68m、5()56s。

 4メンツ1雀頭の5ブロック構成。面前手が主体となる。

 オーラス。トップ終局を目指す。


「リーチ」


 AI1からの先制リーチ。

 打、7s。

 後手を踏んだ。

 ツモ。


[12368m 123p 5()5699s][ツモ牌 4s]


 聴牌(テンパイ)

 だがドラ5sを切らなくてはならない。

 2着目のAI1とは24000点差。ここで無理押しする必要はない。

 ベタオリ。

 退路を切り開く。


AI1 捨て牌

[西 白 9s 9m 南 8m 1p 2p 3m 7s]



[12【3】68m 【12】3p 5()56【99】s][ツモ牌 4s]


 打、3m。

 次巡から2p、1p、9sの順に落とす。

 AI3のツモ。

 打、6s。

 ツモ。


[1268m 【12】3p 45()5【699】s][ツモ牌 【9】m]


 打、6s。

 合わせ打ち。上家(かみちゃ)から打たれた直後の牌は、完全安牌である。

 AI1のツモ。


「ツモ」


 倒牌。


[5()67m 3445()5688p 67s][ツモ牌 8s]


 リーチ、ツモ、断么九(タンヤオ)平和(ピンフ)、ドラ2。20符6(ハン)跳満(ハネマン)3000、6000点である。



――――――――――

点棒移動


南家 AI1 28000 → +12000 → 40000

西家 AI2 15000 → -3000 → 12000

北家 AI3 5000 → -3000 → 2000

東家 ひらく 52000 → -6000 → 46000

――――――――――



1位 ひらく 46000

2位 40000

3位AI2 12000

4位 AI3 2000



 ―― success ――



【第3問】


南四局 ドラ北

南家 AI1 14900

西家 ひらく 30100

北家 AI2 40000

東家 AI3 15000


ひらく 手牌

[11234m 5()567p 3456s]


 ドラ1。一向聴(イーシャンテン)

 1m、345678p、12345678s。15種50枚が有効牌である。

 確定メンツ、234m、5()67p。雀頭、11。メンツ候補、3456(2ブロック)

 4メンツ1雀頭の5ブロック構成。面前手が主体となる。

 オーラス。トップ目での終局を目指す。

 ツモ。


[11234m 5()567p 3456s][ツモ牌 5p]


 36sを切れば58p、1mの聴牌(テンパイ)

 ひらくの選択。

 打、1m。

 トップ目との差は9900点。ここでリーチを打ってもリーチ、ドラ1の2000点。まったく点数が足りない。

 聴牌は取らず、他のルートを模索する。

 ツモ。


[1234m 5()5567p 3456s][ツモ牌 4s]


「リーチ!」


 打、1m。

 2-5s待ち聴牌。

 リーチ、断么九(タンヤオ)平和(ピンフ)、ドラ1。30符4翻は7700点である。

 ツモを入れると5(ハン)満貫(マンガン)

 子の満貫では、同じ子と10000点差が縮まる。

 つまりツモか、AI2からの直撃が捲り条件となった。

 引きにいく。逆転へのツモ。

 ひらく、ツモ。


 二索(リャンソー)


「ツモ!」


 倒牌。


[234m 5()5567p 34456s][ツモ牌 2s]


「リーチ、ツモ、断么九、平和、ドラ1。20符5翻は満貫2000、4000点です!」



――――――――――

点棒移動


南家 AI1 14900 → -2000 → 12900

西家 ひらく 30100 → +8000 →38100

北家 AI2 40000 → -2000 → 38000

東家 AI3 15000 →-4000 → 11000

――――――――――




1位 ひらく 38100

2位 AI2 38000

3位 AI1 12900

4位 AI3 11000



 ―― success ――




「牌効率もさることながら、場況(ばきょう)によるリーチ判断も合格さ!」


「手牌だけでなく、麻雀卓(フィールド)全体で麻雀をする……。『一人だけの麻雀』では得られない経験がたくさんなんですね!」

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつも疑問に答えてくれてありがとうございます! 作者様は麻雀歴は長いんですかね。 [気になる点] また、よくあるケースが浮かんだので、このときは私はこうしてるけど、判断としては良い方なのか…
[良い点] なるほど、参考になります。 トップ目の時は無理にリーチせずに安全に行く カンと同様終盤で逆転するには攻める。 ダマテンのメリットはリーチはかけると当たるまでツモ切りしないと行けないから危険…
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