三色同順《さんしょくどうじゅん》
「今回は三色同順を教えるさ。萬子、筒子、索子、三色の同じ順子を揃える役のことさ」
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[234m 234p 234789s 西西]
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「こんな風にさ。手役だと2翻、喰い下がりは1翻となるんさ」
「どんなときに狙う役なんでしょうか?」
「一盃口と同じで自然役と考えていいさ。あとはどうしても打点条件を、クリアしたいときとかさ。例えば……」
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東一局 東家 ドラ南
手牌
[234789m 347p 389s 南][ツモ牌 南]
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「7pと3sの比較だけど、234mと34pの形にも注目さ」
「3sを残すと234の目があるかもです」
「そう。だからここは打7pして、24sを引いたら89sの辺張落としってわけさ。ただし……」
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東一局 東家 ドラ南
手牌
[234789m 34p 389s 南南][ツモ牌 2p]
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「こうなったら素直に7s待ちリーチを打つべきさ」
「7s埋まりも当然2-5pリーチ。あくまでも自然にですね」
「華はあるけど、滅多に出る役じゃないさ。それでも運よく成立するかもってときには、ちょっとワクワクするんさ」
ナオが雀リングを構える。
「じゃあ期待の三色が飛び出すかどうか……やってみようかさぁ! セットアップ! 雀牌!!」
麻雀が広がる――
東一局 ドラ3m
東家 ナオ 25000
南家 ふうろ 25000
西家 ひめる 25000
北家 ひらく 25000
ひらく 配牌
[4578m 58p 1468s 南北白]
ドラ2。役牌の重なりか、面前リーチを目指す。
牌理を切り開く。
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[4578m 58p 1468s 南北白][ツモ牌 8s]
打、南。
[4578m 58p 14688s 北白][ツモ牌 6p]
打、1s。
[4578m 568p 4688s 北白][ツモ牌 6m]
打、白。
[45678m 568p 4688s 北][ツモ牌 3s]
打、8p。
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ナオのツモ。
打、8s。
「チー!」
ふうろが[←867s]と仕掛けてくる。
一副露。
打、1m。
ツモ。
[45678m 56p 34688s 北][ツモ牌 6m]
打、北。
6sでないのは、5s引きで456三色の目が残るからだ。
ナオのツモ。
打、7m。
「チー!」
ふうろが、再び[←768m]と仕掛けてくる。
二副露。
打、4m。
ツモ。
[456678m 56p 34688s][ツモ牌 9s]
不要牌。ツモ切る。
「ロン!」
「えっ!?」
ふうろ、倒牌。
[33m 678p 99s][←867s][←768m][ロン牌 9s]
「三色、ドラ2。30符3翻は3900点だね!」
……最終手出しは4m。2-5mじゃない変則待ち……!
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点棒移動
東家 ナオ 25000
南家 ふうろ 25000 → +3900 → 28900
西家 ひめる 25000
北家 ひらく 25000 → -3900 → 21100
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東二局 ドラ發
北家 ナオ 25000
東家 ふうろ 28900
南家 ひめる 25000
西家 ひらく 21100
ひらく 手牌
[79m 5678p 3456s 西發發]
ドラ2。役牌ドラを鳴きたい。
ひめるのツモ。
打、發。
「ポン!」
ひらくが仕掛ける。
一副露。
[79m 5678p 3456s 西][←發發發]
打、西。
役牌、ドラ3。超速の特急券だ。
ふうろのツモ。
打、8m。
「チー!」
ひらくが再び[←879m]と仕掛ける。
二副露。
[5678p 3456s][←發發發][←879m]
打、3s。
5-8p待ち聴牌。
發、ドラ3の4翻。
先手をとった。絶好の勝負手である。
残り枚数が同じのため、3-6s待ちよりも端寄りな5-8pを選択した。
ツモ。
六索。
……裏目……!?
不要牌。ツモ切り。
ひめる、ツモ。
麻雀卓に、牌を晒す。
二萬。
倒牌。
[13m 12355888p 123s][ツモ牌 2m]
「ツモ、三色。30符3翻は1000、2000点」
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点棒移動
北家 ナオ 25000 → -1000 →24000
東家 ふうろ 28900 → -2000 → 26900
南家 ひめる 25000 → +4000 →29000
西家 ひらく 21100 →-1000 →20100
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東三局 ドラ7s
西家 ナオ 24000
北家 ふうろ 26900
東家 ひめる 29000
南家 ひらく 20100
ひらく 手牌
[3589m 13p 22389s 南南]
ドラ1。速攻の自風牌を抱えているが、
……他が酷い。牌勢が落ちてる……!
「リーチ!」
ナオからの先制リーチ。
打、南。
「ポン!」
ひらくが仕掛ける。
一副露。
[3589m 13p 22389s][南南南→]
打、9m。
89sはドラ7sの受けメンツ。それと123三色を見れば、不要メンツは89mである。
はっきり言って、勝算は薄い。しかし何もしないわけにもいかない。
ナオのツモ。
「ぐぬぁー! こいつぁ、ド安めさぁ!」
悔恨の強打。
九筒!
倒牌。
[678m 2278p 345678s][ツモ牌 9p]
「リーチ、ツモ、平和、ドラ1。20符4翻は1300、2600点さぁ!」
678の三色崩れ。断么九も付かず、ギリギリ30000点を越えなかった。
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点棒移動
西家 ナオ 24000 → +5200 →29200
北家 ふうろ 26900 → -1300 → 25600
東家 ひめる 29000 → -2600 → 26400
南家 ひらく 20100 → -1300 → 18800
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東四局 ドラ7p
南家 ナオ 29200
西家 ふうろ 25600
北家 ひめる 26400
東家 ひらく 18800
ひらく 手牌
[2344m 12347p 2677s][ツモ牌 3s]
……ドラの孤立。でも、ここしかない……!
打、7p。
「ポン!」
ふうろが仕掛けてくる。
一副露。
打、8p。
ドラ3。喰いタンか。
ツモ。
[2344m 1234p 23677s][ツモ牌 4s]
打、1p。
234の三色へと移行する。
現在8巡目。もうアガられても、不思議ではない。素早く聴牌しなければ。
ツモ。
[2344m 234p 234677s][ツモ牌 8s]
「リーチ!」
打、7s。
1-4m待ち。
先手をとった。
ナオのツモ。
打、5m。
強牌。
……部長も張ってる……!
リーチをしないのは、役があるからか。
ふうろのツモ。
打、8s。
ドラ3の彼女も引かない。
ひめるのツモ。
打、7m。
きっとダマテンを完成させている。
誰がアガっても、終局は間違いない。このままでは最下位に終わる。
引くしかない。
「負けない! 応えて私のツモ!」
麻雀に和了を切り開く。
ツモ。
見牌。
四萬!
「ツモ!」
麻雀卓に、牌を叩きつけた。
ひらく、倒牌。
[2344m 234p 234678s][ツモ牌 4m]
リーチ、ツモ、一発、断么九、平和、三色同順。親の30符7翻は跳満6000オールである。
ナオが目を見開き、
「おおおっ、そいつはド高めさぁあああっ!」
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点棒移動
南家 ナオ 29200 → -6000 → 23200
西家 ふうろ 25600 → -6000 → 19600
北家 ひめる 26400 → -6000 → 20400
東家 ひらく 18800 → +18000 → 36800
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1位 ひらく 36800
2位 ナオ 23200
3位 ひめる 20400
4位 ふうろ 19600
―― 終 局 !!
「お見事! 三色を使いこなせたさぁ!」
「これからはワクワクの役も探しながら、手を作るようにします!」