先生は言った。「表紙に魂と物語の全てを叩き込め」と
私はどんな小説を書くときでも、こうしたいという表紙イメージがあります。
漫画学校の生徒だった頃先生が口を酸っぱくして言っていた。
「表紙は最初に書け、物語のすべてと魂を込めろ」
「表紙を含む16ページ中後半15ページを描ききって疲れ果てたとに表紙を描いても一番体力も気力もなくなった状態の絵だ。作家なら表紙に一番力を入れろ」
「書店の店頭で1番目につくのは、本の中にあるハイライトシーンか?
答えはNO。
表紙だ。
表紙に続きが気になると思わせるストーリー性と溢れ出るパワーが必要だ」
今回の小説の表紙絵はイラストレーター様に任せる。自分の絵柄と物語が噛み合わないから。
そのかわりロゴはいつもどおり自分で作る。
今回は「十人一色 〜トランスジェンダーを抱えたふたり〜」の表紙。
タイトルの通りトランスジェンダーを抱えた二人の人生を追っていく物語。
表紙を依頼した相手は管澤捻さん。いつもありがとうございます。彼の絵なら絶対ストーリーに合うと思うの。
送ったイメージラフはこちら
横タイプなのは、ノベルアップの表紙カードが
横1200×縦630が最適比率だから。
二人のプロフィール、服装と髪型のサンプル写真、あと背景は無しということを送ります。
涼子16歳
身長167cm
茶色に染めた髪。目元にかかる長さ
黒のライダージャケットにダメージジーンズ
セーラー服を踏んで斜め上を見ている。
和香(主人公)16歳
かなり短めの黒髪、涼子より背が低め、Tシャツにカーゴパンツ
左手にコンパスを握りしめている
視線は斜め下。赤いランドセルを足蹴にしている
★外せない重要ポイント
①全体をグレースケールにして差し色として和香(右)が踏むランドセルと、涼子(左)が踏むセーラー服のリボンだけ赤。
②二人とも男装しているけど女の子だとわかる体型
③顔に影がかかるようにして、あえて目は描かない
差し色は表現技法のひとつ
わかりやすく例えを出すなら日本国旗。
白一色しかない中に赤い点一つだからそこに目がいくでしょう。
あの点が20個あったらどれか一つに目が行くことはない。赤い点が20個あるなら、その20個中1個だけ青かったら、その青に目がいく。
人の脳はそういうふうに出来ている。
そして、目を描かなくても、人は他の要素から勝手にどんな目をしているのか想像して補完してくれる。
背景がないのは、そのほうが踏まれたランドセルとセーラー服に目がいくから。
表紙をお任せしている間にロゴを考えます。
人生に怒って苛立ち荒れている場面が多いので、ストーリーを反映させるいい文字を探します。
ぶっとい筆で書きなぐったような文字がいい。
アイビスペイントのフォント、【吐き溜】が似合うはず。吐き溜だとサブタイトル前後の〜〜が出なかったので、サブタイトルのフォントは【チカラヅヨク】を選択。
吐き溜もチカラヅヨクも管澤さんの澤の字が収録されていなかったので、作者名イラストレーター名は明朝体で。
ロゴもイラストの赤を映えさせるため、全部真っ黒くします。
届いたイラストに作ったロゴを合成して完成!
管澤大明神さま、今回も素敵なイラストありがとうございました!
十人一色 〜トランスジェンダーを抱えたふたり〜
https://ncode.syosetu.com/n3162hx/