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月夜譚 【No.101~No.200】

御伽噺のケーキ店 【月夜譚No.174】

作者: 夏月七葉

 ピスタチオの香りが鼻に抜ける。舌の上に乗ったクリームの甘さがとろけて、少女は思わず目を瞑った。

 近所に新しくオープンしたケーキ店。白い壁の外観はまるで御伽噺から飛び出てきたような佇まいで、目にした瞬間から少女の心を鷲掴みにした。オープン初日に絶対行こうと決めて、到頭今日がその日だった。

 内装もメルヘンチックで素敵だし、店員も皆顔立ちが整っていて、夢みたいな世界だ。

 イートインの奥の席に案内され、メニューを開いて悩んだ。入ってくる時にショーケースを見たが、どれも綺麗で美味しそうだった。欲を言えば全て食べてみたいが、そうもいかない。

 悩みに悩んで、少女が決めたのはピスタチオのケーキだった。

 鶯色のクリームは滑らかで、フォークを入れると中から甘酸っぱい果実が出てくる。一口食べる毎に新しい発見があって、幾ら食べても飽きない。少しずつ少なくなっていってしまうのが淋しいとさえ思った。

 良い店が近所にできて良かった。少女は幸せな気持ちで、最後の一欠片を頬張った。

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